星願
こんにちは!初めまして!解説役の星願だよ!
総司
ごめんなんて?
結翔
うんうん。
星願
解説役の星願です!
総司
違くて、それ、なんて読むの?
星願
星願!星に願うと書いてきらり!
結翔
うわぁ。典型的なキラキラネーム。
星願
えー。世界観に合わない発言をした人は登場する価値無しです!
総司
えー?!なんで?
星願
なんでって分かるよね?幕末は異人を追い払うという思想が多かったし、そもそもペリーさんが来るまで開国してなかったから英語なんて知らなくていいの!ってことで世界観に合わせて下さい!とくに結翔!お前は主人公だからってでしゃばんなよ!いい?あと一番喋っちゃダメなの沖田さん貴方だからね?!
総司
僕もダメなの?
星願
ダメに決まってるだろ。新選組一番隊組長ともあろう者が喋っちゃだめだからな?!一番だめだからな?!
総司
極力喋らないようにがんばります!
星願
はい。そうしてください。ってことで尺が長くなったのでさっさと本編へ参りましょう〜♪
ここは幕末。命を賭して日ノ本の未来の為に働いた志士達の時代。
そしてこの物語の主人公山ノ瀬結翔は、たった今京に辿り着いたところだ。
結翔は奉公人としてとある旅館に務めることになった。でも、
結翔には主人公としての欠点が1つだけある。それは、
結翔
道に迷った...奉公先の旅館はどっちだっけ。そもそも俺どっから来た.....?
結翔
ん?なんか金属と金属がぶつかり合う音が……
???
……。
浪士
つっ、強えー……。
結翔
……!(ひ、人が殺されてっ!)
結翔はド田舎産まれで、幕末の京が今どうなっているのかも知らなかった。だから目の前で人が殺されても今の現代人と同じ反応をするだろう。
新選組隊士
あ、いたいた!探しましたよ!組長!あ、もう終わったんですね。
???
うん。とりあえず死体は監察に任せて、僕たちは早く帰ろ。早く土方さんに報告しないと。、
新選組隊士
分かりました!
結翔
.....。
結翔
なんであんな簡単に人を……
???
……。誰?
結翔
……!
???
この人の仲間?
結翔
……。
???
何か言ってくれないと困るんだよねぇ。
結翔
……。
???
あっそう。じゃあもういいよ。何か言ってくれないとつまらないし。帰るから。
結翔
昨日は本当災難だったんだよな。菓子でも買いに行くか。
???
なぁ総司。
総司
何?
???
いやぁな、昨日やけに帰りが遅いと思ってさっき土方さんに聞いたんだ。総司。また人斬ったんだって?
総司
……だから?
???
お前さぁ。もうちょっと人らしく生きることは出来ねーのか?
総司
僕は近藤先生のお役に立てればそれでいいし、近藤先生の邪魔になる存在は斬るよ。例えそれが味方だったとしてもね。
???
んじゃ近藤さんが俺を斬れって言ったら斬るのかよ。
総司
うん。
???
即答かよ...じゃあもしも近藤さんが死ねっつったら死ぬの?
総司
もちろん。
???
俺はお前と価値観が全くと言っていいほど違げーぜ。ったく。昔は可愛かったのによ。
総司
だから何?左之助だってその切腹傷は何?誰かに言われてやったんじゃないの?
左之助
いや俺のこれは自分からしたやつでさ、
総司
はいはい。分かったから。
左之助
んじゃ、俺は巡察行ってくっから。総司。気分転換に甘味でも買ってきたらどうだ?好きなことをしてたら人間味が増すかもしれねーぜ?
総司
はいはい。分かったから。早く行って来たら?巡察。
左之助
じゃーな。
総司
うん。また後で。
結翔
んー……迷うなぁ……
結翔
よし。これにするか。
総司
あ。
結翔
あっ。すみません。どうぞ。
総司
えっ。でも。
結翔
俺は大丈夫ですから!
総司
じゃあこうしましょう。すみません。これ1つください!
星願
どうぞ。
総司
あれ。貴方どこかで……ま、いっか。ありがとうございます。えっとお代は……
星願
百両です!
総司
ぼっ、ぼったくり……!まぁいっか。僕の今月の給与が全て消えるだけだから……
星願
ありがとうございます!どうぞ!
結翔
あの……
総司
あとはこれを半分にして……どうぞ!
結翔
ありがとうございます。えっと、俺、迷子になりやすくて。池田屋まで行くにはどう行けばいいですかね。
総司
……。
結翔
あの……
総司
あ!すみません!池田屋ですよね!えっと、ここが木屋町通りなので、ここを真っ直ぐ行けば池田屋ですよ。
結翔
ありがとうございます。その、俺。もう行きますね。
総司
お気を付けて!……。(なんか、初めて会った気がしないなぁ。なんでだろ。)
結翔
あれ……さっきの人の声。どっかで聞いたことあるような……気のせいかな……。
???
よ!天才さん!
???
暇してるだろうから来てやったぜ。
左之助
俺らも稽古するぜ!
総司
ふーん?まぁいいけど。それと、僕今日この後予定あるから。暇じゃないんだよねぇ。
???
素っ気なさすぎだろ。
総司
でも新八さんには言われたくないなぁ……。
新八
喧嘩うってんの?な。平助。
平助
俺ぇ?!い、いやぁ。そのぉ。
総司
……。
???
おい総司。時間だ。
総司
……はぁい。
???
それと新八。左之助。平助。テメェ等は俺の部屋に来い。
左之助
え?!なんでだよ!
平助
そうだよ!俺らなんもしてねーじゃん!
新八
歳さんのそれはいつんなったら治るんだか。
歳三
……チッ
総司
じゃ!馬鹿三人は置いといて、僕もう行くね!歳さん!そんな馬鹿は早く何とかしちゃって大丈夫だから!しばき倒していいよ。じゃあね!
歳三
総司てめぇは俺より立場が上なのか?!あ?!目上の人に命令口調なのはやめろ!
総司
はぁい!以後、気を付けまぁす!
歳三
……ったく。調子狂うぜ。
結翔
えっと、買い物買い物……ん?なんか騒がしいな。
新選組隊士
だから歯向かうなと言っているだろ!
???
わしゃあそういうんは好かん。ってことでぐっばいするぜよ!
新選組隊士
貴様!
???
……バンッッ─────
これで大丈夫じゃろ。んじゃ、ちくっと眠っててくれんかのぉ。
総司
あ、聞いてた通りだ!喧嘩になってる。
???
おまんは誰ぜよ?
総司
名乗る時は自分から。でしょ?土佐藩士さん。
???
わしゃあ才谷梅太郎ぜよ!
総司
……それ、偽名だよね?
ぁ。怪我人は屯所へ。応急処置は帰ってからでも大丈夫そうです!報告は早めにお願いします!
新選組隊士
は、はい!
新選組隊士
急げ!
???
なして偽名だって分かったが?!
総司
んー。何となく?でも、それ。偽名だよね?
龍馬
しょうがないきに。名乗るぜよ。わしゃあ坂本龍馬ぜよ!して。おまんは?
総司
龍馬さん。ねぇ。お尋ね者ってことか。あ。すみません。僕は新選組一番隊組長沖田総司。
龍馬
あの天才剣士さんきに?
浪士
んなわけねーだろ。
浪士
だよな。
浪士
あんなチビが組織の中枢を担う幹部なわけねーしな。
総司
そこ。聞こえてるよ。人の悪口言う前にぃ、まずは自分を磨かないとぉ。殺されちゃうよぉ?
結翔
……ぇ。笑顔が黒い……。ああいうの、嘲笑っていうんだっけ……?
総司
……?あ、この前の……
結翔
あっ!えっと、
総司
……?とりあえず、逃げられちゃったから。帰るね。また逢う日まで。
結翔
は、はい……
浪士
帰らせねー!
浪士
てめぇは今ここで死ぬんだ!
総司
……。ここじゃ人目が気になるんだよねぇ。だから、峰打ちで済ませてあげる。
浪士
あ?……!ウッ…
浪士
なっ!き、貴様っ!……ッ
総司
はぁ。この人たちどうしようかな……ほっといてもいっか。それじゃあ。僕帰るね。
結翔
は、はい。(つ、強い……)
結翔
あの、女将さん。
女将さん
なぁに?
結翔
新選組って、なんですか?
女将さん
アンタ……。アタシから言えることは何もないよ。早く寝な。
結翔
でも。
女将さん
何があったんだい?
結翔
その、沖田総司さんって人と、ちょっとだけ、仲良くなった気がして……
女将さん
……!悪いことは言わない。それだけは辞めときなさい。もうその人には関わっちゃだめだ。
結翔
なんでですか?
女将さん
アンタ……。知らないの?沖田さんはねぇ。新選組の幹部で、危ない人だから、絶対に近づいちゃだめ。
結翔
そんな風には見えませんでしたけど。
女将さん
あの人は人斬りだよ。1歩間違えたら斬られるかもしれない。だから辞めときなさい。
結翔
……分かりました。
女将さん
結翔。これを壬生寺の和尚さんに届けてくれるかい?
結翔
分かりました。
和尚さん
ありがとうねぇ。
結翔
いえいえ。
新選組隊士
組長!この件なのですが……
浅葱色の羽織を着た隊士が1人、ある人物に話しかけていた。
総司
えっと、どれどれ?……!分かった。これに関しては僕から土方さんに伝えておくから。君はこれやっておいてね。
新選組隊士
分かりました!
結翔
あの、
総司
……?あ、また会いましたね。えっと、
結翔
結翔です。山ノ瀬結翔。
総司
結翔っていうんだ。えっと、僕は沖田総司。よろしくね。
結翔
あ、はい。
女将さん
結翔。遅いよ。……!帰るよ。
結翔
え。でも。
女将さん
いいから帰るよ。それとそこの人。うちの結翔に関わるんじゃないよ。この"人殺し"。
総司
……ッッ!ぁ、はい……。
結翔
え、ちょっ。女将さん?!あ、えっと、俺、帰ります!それじゃあ!
総司
………うん。また、ね。
和尚さん
沖田さん。お知り合いですか?
総司
はい。でも、まさかあんなこと言われると思わなかったなぁ。体が金縛りに遭ったみたいに、動かなくなった。
和尚さん
あまり気に病まないでくださいね。新選組の皆さんには感謝してもしきれないですし。子供たちとも、遊んで下さってるし。ありがたいです。
総司
そ、そんな!僕、剣しか能がないし。それに、近藤先生のお役に立ちたいっていう一心で殺しをして来たけど、あんなこと言われたら、それが正しかったのか分からないし。それに。
和尚さん
あまり自分を卑下しないでください。そんなことをして得られるのは哀しみと劣等感だけですよ。
総司
それもそう、ですね。ありがとうございました!それじゃあ僕、屯所帰りますね。
女将さん
関わるなと言ったでしょうに。
結翔
でも、あそこでたまたま会っただけで、世間話をしてただけです!それに、理由も曖昧なのに……関わるなって、一方的に言われて!
女将さん
理由……。自分の目で確かめなさい。そうすればアタシの言った事が分かるよ。