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必然的な出逢いだった。
運命だったと今でも思う。
私は、帰国子女だったせいか、学校には馴染めなかった。文子と親友になれたのは、奇跡に近い。
綾子
綾子
紺
紺
毎日のように、図書館でふたりで勉強していた。
この状況で、恋愛に発展しない方がおかしい。
今思えば、英語の勉強は口実だったのかもしれない。
とにかく、私たちはすぐに恋に落ちた。
そして、紺君の語学力はすぐに上達していった。
綾子
紺
紺
綾子
紺
英語の話は楽しい。そしてかけがえの無い幸せな時間。
だけど、私は間もなく気がついてしまう。
紺君の語学力が上達することは、別れが近いということに。
綾子
紺
綾子
紺
綾子
紺
綾子
綾子
紺
紺
紺
綾子
紺
綾子
治安の悪さ。インド人には申し訳ないけれど、一番に浮かんだことはそれだった。
綾子
綾子
紺
違う。そういうレベルの話じゃない。
でもその時は、それ以上言うことは出来なかった。
嫌な予感ほど、よく当たるというのに。
出発の日が近づくにつれて、紺君と書店に行くことが増えた。
今までは図書館で好きな本を読みあさっていたが、まさかインドに図書館の本を持って行くわけにはいかない。
綾子
綾子
紺
紺
綾子
綾子
紺
紺
綾子
綾子
綾子
何処か、置いていかれるような気がして、私は仏頂面で書店を後にした。
それから、3か月が過ぎた。
紺君からは、この間に手紙が3通届いている。
最初に届いた手紙には、日本の和紙のような風合いの紙が同封されていた。
紺
紺
紺
飾らない文面、見慣れた文字に胸が熱くなる。
綾子
綾子
昨日から分厚い大河小説に挑戦している。
置き場所がないので、図書館で借りたものだ。
1日あたりのノルマを決めて、大切な栞をページに挟む。
綾子
綾子
再会を心待ちにして、私はその日も眠りについた。