夜。
俺は部屋の隅でスマホを見つめていた。
部屋の明かりが、
乱れたシーツとワイシャツを照らす。
さっきまでここにいたのは、naさん。
帰り際彼女は何も言わずに
香水の香りだけを残して出ていった。
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天井を見上げて、苦く笑う。
naさんを止めることも、
手放すこともできない。
ただ、同じ過ちを繰り返す。
愛しているのか、
支配されているのか、
もうわからなかった。
スマホの画面には
etさん宛の会いたいという4文字が、
下書きしてある。
なぜかどうしても送れなかった。
“会いたい”と言ったところで、何になるのか。
彼女をまた傷つけるだけなのに。
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urは知らなかった。
その同じ夜、別の場所で、
yaがnaさんを待っていたことを。
懐かしい匂いが漂う居酒屋。
俺は窓際の席に座り、
グラスの水を指先で揺らしていた。
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呟きながら手元のナプキンを折りたたむ。
こう見えて俺は
naさんが男たらしであることは、
とっくに知っている。
人の恋を壊すのが好きで、
誰かの感情を自分の手の中で
弄ぶような人間だということも。
それでも、
彼女を嫌いにはなれなかった。
最初に彼女を見たときから、
何かに惹かれていた。
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そう呟いた途端、
ドアが開く。
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完璧な可愛い女性の仮面。
淡いピンクのワンピースに、
香水の香り。
その全てが、計算された美しさ。
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私の美しい仮面が壊れて、
私の性格が悪い本性が、
妖怪が出てくる。
バレないって思ってたのに。
ずっと、ずっと。
この世界の男は全部私のものだ。
男の落とし方も、
男の心の奪いかたも、
全部知ってる。
なのに。
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好き。
計算も駆け引きもいらないその言葉。
その言葉が、
ずっと欲しかった。
その愛が、
ずっと欲しかった。
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n a
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n a
私はこの世界が大嫌い。
可愛い子だけが得して。
可愛い子だけの恋が上手く行く。
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そう気づいてしまったのは、
高校2年生の春。
それから、
何人もの儚い恋を壊してきた。
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ある意味、
私は誰よりも努力した。
どうやったら可愛くなれるか、
どうやったら男を落とすのか。
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そうやって罵声を浴びされる時だってある。
でもそれよりも、
私は人の恋を潰すその瞬間が大好きだった。
社会人になってから。
私は新たなターゲットを見つけた。
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社内で男性に人気のetさん。
社長の息子のya君と話す時だけ瞳が違う。
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それから私は、
ya君とetさんの恋を壊すために、
ya君にアピールをした。
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計画は成功。
彼から私に告白してきたのだ。
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n a
その悔しそうな顔。
それが私の生きがいだ。
でもその数週間後。
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二人はいつの間にか付き合っていた。
しかも、社内でとても人気なカップルになっている。
”美男美女のお似合いカップル”
その言葉に反吐がでる。
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ずっと人の愛を奪うことしか考えてこなかった。
多分これからも。
おばあちゃんになるまで。
なのに、
好きでもなかった。
こんな男に。
社長の息子でイケメンな色男に。
それでも好きだと言われた。
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今まで、好きって言われても、
なんも感じなかったし、
どうも思わなかった。
でも、
私の本性を知っていながらも、
私のことが好きだなんて。
完璧な動作も、
可愛い笑顔も、
全てが仮面。
それを外した瞬間に、
誰もいなくなることを知っているのに。
けれど、ya君は違う。
壊れている自分を見ても
愛してくれる人。
そんな存在がこの世にいるとは、
思わなかった。
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私はその言葉を聞いて、
思わず笑った。
それは、作り物ではない、
最高の笑顔で。
next ♡3000 以 上
コメント
5件
ええやっぱこの神作好きすぎる🥹
244タップお疲れ様です🫠