夕方、放課後を告げるチャイムが響く
遅いなぁ、なんて思いながら ただ、先輩を待っていた。
先輩とはただの知り合いで
友達では無いし、 思いを寄せている訳でも無い。
ただ、_
桃
いむー...!
桃
ごめん、遅くなった...!!
水
ん、...なにしてたの、?
桃
ちょっと色々あってさ、...
桃
じゃ、帰ろっ、!
ギュッ( 手を繋ぐ )
水
...うん
桃
...今日は何したのー?
水
....シャトルラン...とか...
桃
...シャトルランキツいよなぁ...
桃
...俺は嫌いだなぁ...っ、
水
...そーだね、
水
...僕も、嫌い。
桃
...俺、こっちの道だからさ、
水
...うん、
桃
あ、...いむ、
桃
こっち向いて、...
水
...なに?
桃
...また明日ね!
水
...ぅん...ッ
僕と先輩はキスとか恋人繋ぎをする関係。
...付き合ってる訳では無い。
先輩は昔付き合っていた人がいた。 その人は亡くなってしまったけれど。
...その人と僕はよく似ているんだって
何度も何度もお願いされた。 少しの間だけでもいいから...と、
僕はその人の代わりなだけ、 先輩は僕が好きなんじゃない。
僕も、先輩のこと... 好きじゃないし。
毎日、僕にキスすることにも
毎日、繋ぐこの手にも 深い意味なんて無い
先輩が好きなのは僕じゃないっ、
なのに期待しちゃって。
どうしてこんなに苦しいの?
水
...これじゃ、...まるで、...っ、
水
片思いしてるみたいじゃん...ッッ...
桃
...早く気づけよ、ばか。