望月舞姫
ん、あれ……ここ、どこ……?
目が覚めると、お姫様が寝るような
豪華なベットに寝かされていた。
望月舞姫
え、嘘……なにこれ、
鏡に映る私の顔が、見た目が変わっていた。
黒だった髪は、長くツインテールに結われており
青空の様な水色に変わっていた。
濃い青色だった瞳はまるで砂糖菓子の様に
鮮やかな桜桃色になっていた。
??
お目覚めですか?
望月舞姫
っ、誰!
??
あれ、もしかして忘れちゃいましたか?
望月舞姫
誰、あなた………
部屋に入って来たのは、白髪の青年。
丸い頭には人ならざる獣耳が付いていた。
頭がぐらぐらする、わけわかんない、
望月舞姫
っ、ぅ………
??
よーしよーし。早めに思い出さなきゃ
もっと頭痛くなっちゃうからね。
頑張って早くボクの事思い出してね。
望月舞姫
さゎ、んな……っ、!
髪と同じくらい白くて
細くしなやかな手が私の頭を撫でる。
私はその手を振り払った。
??
んもぉ、酷いなぁ。折角見た目まで
可愛くしてあげたのに、性格が
まるでこれじゃなぁ。うーん……。
望月舞姫
っ、なんの話……?
??
ん?あぁ、君をこんな見た目にしたのは
ボクですよ!とっても可愛くなったでしょ?
まるで外国のお人形さんみたいですよ!
望月舞姫
は、……?
望月舞姫
っ、
思い出した。コイツ、私の部屋に
現れた死神みたいな奴だ……。
コイツが持ってる鎌を首に当てられた瞬間
意識が遠のいて…それで、
目覚めたらここに寝かされていたんだ。
??
ふふっ、思い出したって顔してますね。
ごめんなさいね、ボク貴方の事がどうしても
気になっちゃって。無理矢理だったけど、
こっちに連れてきちゃいました。
紅い瞳を涙で潤ませ、こちらを
見つめてくるアイツ。
望月舞姫
っ、しんじらんない、
??
えー、でもボク舞姫ちゃんの事が
大好きで大好きで仕方なくて…。
望月舞姫
は、なんで名前知って……
??
ふふ、だってあのまま放っとくと
舞姫ちゃんなんだか自殺しちゃいそうで…。
だから、自殺しちゃうくらいならボクの手で
殺してあげよう思って!可愛かったですよ!
舞姫ちゃんのとっても苦しそうな死に顔!
望月舞姫
そんなの、っ頭おかしい……
??
えー、でもごめんね?舞姫ちゃんが
だぁい好きな一里ちゃんはもう
別の人の恋人になっちゃったからさ。
望月舞姫
は、?一里もここに居るの、!?
??
一里ちゃんは別のお部屋に居ますよ。
ボクの先輩…もとい相方と一緒です。
望月舞姫
っ……
??
会いたいですか?一里ちゃんに。
望月舞姫
っ、いいの……?
??
はい!あっ、でも条件がひとつだけ…。
望月舞姫
………なに、
??
ボクの恋人になってください!それで、
ボクとこの世で永遠に一緒に居ましょ!
望月舞姫
………っ、
??
どうします?もし断れば、
一里ちゃんには永遠に会えませんよ?
望月舞姫
分かった、
??
……ふ、あっはは!
??
そこまでして一里ちゃんに
会いたいんですね!ほんと………
??
嫉妬、しちゃうなぁ………
望月舞姫
え、ちょ……なに、やめて…!
アイツが私の首に緩く手を掛ける。
ベットに押し倒されて、体重を掛けられる。
??
……ふふっ、首もしかしてこのまま
締められちゃうと思ったんですか?
望月舞姫
っ、誰だってそりゃそう思うわよ、
??
ですよね、ごめんなさい。
望月舞姫
良いから、一里に会わせてよ。
??
分かりました、じゃあ……
一里ちゃんに会いに行きましょっか。