目を閉じた瞬間 私の目の前の気配が消えた
その代わりに衝撃音が聞こえ 誰かに身体を抱えられる
私は驚いて目を開けた
鈴蘭
っ……なん、で
柊
言っただろ
柊
絶対助けるって
抱えているのが登馬で
お父さんを蹴り倒したのが桜くんだと 気づいた時には私の目から涙が溢れていた
柊
ごめんな、遅くなって
鈴蘭
っ……ううん…
鈴蘭
ごめんね………っ
梅宮
謝るな鈴
梅宮
助けてって言ってくれてありがとな!
柊
これ、掛けとけ
柊
寒いだろ
そう言って登馬は自分の制服を 私の体に掛けた
柊
蘇枋、鈴を頼んでいいか
蘇枋
はい、もちろん
梅宮
桜、あまり無理はするなよ
桜
無理なんかしてねぇよ
父
っ……風鈴か
桜
…お前、鈴に何した
父
は…?
桜
あいつに何したかって聞いてんだよ
父
何って、どうして僕が悪いように言うんだい?
桜
……なにが言いてぇ
父
そんなに殺気立たないでほしいね
父
僕は鈴蘭が望むようにしただけだ
父
ねぇ?
鈴蘭
っ……ぁ…
見るな
お父さんの目を見たら、また
蘇枋
ちょっとごめんね
そう言って蘇枋くんは私の目を手で隠した
梅宮
鈴が望んだのは、直接的なことじゃないはずだ
梅宮
鈴のことだ、彼女達を助けるために言ったんだろう
父
……何故だ
父
何故お前が、鈴蘭を知ったような口を聞く
明らかに変わった 鈴の父親の気配
まずい、と思ったが それを制したのは俺でも梅宮でもなかった
鈴蘭
っ…まって…!
父
……なんだい、鈴蘭
父
今君とは関係の無い話をしているんだ
父
…邪魔をしないでくれるかな
鈴蘭
関係ないなんて、そんな事は無いはず
父
……はぁ
父
何を言いに来たんだい
鈴蘭
貴方が何に執着しているのか分からないけれど
鈴蘭
このことに風鈴は関係ない
鈴蘭
確かに、巻き込んだのは私です
鈴蘭
でももう彼らは干渉できない所まで来てる
鈴蘭
それはお父さんが1番知っているでしょう
父
……このまま2人で話そうと言うのかい?
鈴蘭
……出来ることなら
父
それは君が厳しいだろう
父
そんなフラフラで、今だって立っていることに必死なのに
父
どうしたら僕を納得させられるというんだ
鈴蘭
っ……それは…
父
…そこの男、柊と言ったか
柊
……そうだ
父
鈴蘭のことを君はどのくらい知っている?
柊
…あんたに比べたら知らないこと多いだろうな
父
だろうね
柊
…でも
柊
あんたよりかは、鈴の気持ちを理解してる
柊
俺だけじゃない
柊
風鈴は全員そうだ
父
……何が言いたい
柊
あんたは父親失格だよ
柊
少なくとも本当の両親はあんたみたいに鈴を傷つけなかったからな
父
……ははっ、何を言い出すかと思えばそんなことか
父
君は知らないようだね、彼女の両親がどんな人か
柊
……何を言って
父
鈴蘭の両親は
人殺しさ







