テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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【完結】覚醒〜Awakening〜

第1話 - 初めての出会い

125

2022年02月23日

#フィギュアスケート

#スケート

#一次創作

#ウインタースポーツ

#スポーツ

私の名前は秋風芽依。

スケートが大好きなどこにでもいる女子高生☆

突然だけど、私のスケートはとっても下手くそなんだ！

だから

この前あった大会もミスばっかりで、

いっぱい転んで、予選通過なんてできない…

先生

芽依ちゃん！全日本選手権出場おめでとう！！

先生

スケートで全日本なんて…創立初の快挙だね！

先生

すげぇ！

先生

県で2番に入るなんてなかなかできないよ！

先生

頑張ってきてね！目指せ日本一！

芽依

！…

芽依

…て、思ってたのに。

芽依

あ、ああ…ハイ

芽依

ががっ、がんばり…ます！へへ。

芽依

（…な、）

芽依

（なんでだぁぁぁあ！！）

遡ること3日前、

私は全日本選手権の予選に出場した。

全日本選手権はテレビで生放送されるくらいの大きな大会で、

私の住んでいる杉坂県は有名なフィギュアスケート選手がたくさん出ていた。

ショートとフリーに渡って沢山の子達が激戦を繰り広げる中。

私は優勝なんて狙っておらず。これが終わったらスマホゲームでもしようかな、と考えていた。

しかし、

まさか当日に私は自己ベストを更新。

跳べるのに苦労した 3回転が次々と決まり、

気づいた時には準優勝になっていた。

私は自分でも何が起きたのか分からず。

メディアは何の特徴もないちっさな女子高生が表彰台に立ったことで大騒ぎ。

私の住んでいる町ではにわかに『秋風フィーバー』が起こっていた。

芽依

はー…

芽依

もういやだ、もうつかれたよぉお…

メディアの対応を終え、学校の取材も終わり、私がやっと休めたのは学校に来て数時間後の昼休みだった。

太一

すげぇ騒ぎだなぁ秋風フィーバーさんよぉ。

芽依

！

芽依

た、太一…。

私の周りに集まってきたのは同じクラスの太一と乃木さんと佐藤さん。

入学してからずっと私の喋り方をいじりにくる少し苦手な子達だ。

芽依

（なんでこんな時に話しかけてくるかなー…）

真弓

ウチらの秋風サンが全日本選手権なんてねぇ、

雛子

ねぇ、私…秋風さんってただ変な女だと思ってた。

太一

いや、コイツは変な女だろ。喋り方どもっててキモいし、顔も地味じゃん。

真弓

ぷっ、太一www

雛子

それ本人の前で言う？マジ草生えるんだけどwwww

太一

いやだって言わないとコイツずっと変な奴だもん。

太一

しゃーねぇじゃん。

太一

ずっと「あああ、あの」とか「どどど、ど…どうしたら…」って雷にでもあってんのかよ。

芽依

…。

芽依

（ウザい…）

芽依

（話してると緊張して、ついどもっちゃうんだってば…。）

芽依

（疲れてる時にコンプレックスえぐらないでよ。）

芽依

太一

？、おい。

芽依

きゃっ！

ガシッ！（太一が芽依の手を掴む）

太一

なに逃げんだよ、萎えるんだけど。

芽依

…。

太一

なぁなぁ。

太一

全日本選手権って、あの有名な射手田トオルもくるんだろ？サインもらってこいよ。

芽依

えっ…

雛子

うわー、太一、ひどいw

太一

だってコイツぶっちゃ今回出れたの奇跡なんだろ。こう言う時に使っとかなきゃもったいねぇじゃん。

真弓

じゃ、私も田口選手のサインお願いしちゃおうかな♫

真弓

はい、メモ帳。

真弓

これに書いてきてね！

芽依

…。

太一

それじゃあな、せいぜい頑張れよ。

雛子

アハハッ！太一、最近芽依の扱いひどくない？w

真弓

別に良くない？折角構ってあげてるんだからさwww

雛子

そっか〜、ウチラやっさし〜w

ガンッ！

太一

うぉっ！

雛子

えっ、なに！？

雛子

急に止まらないでよ！

太一

いや、急に前から来たから。

えま

…。

フワッ、

三つ編みをした女子生徒が太一の前を通り過ぎる。

芽依

…。

芽依

（うわ…綺麗。）

芽依

！

芽依

あの子…どこかで見た気が。

えま

！

えま

見つけた！

えま

秋風芽依ちゃん、だよね？

芽依

えっ！

芽依

あ…は、はい！

えま

私、鐵宮えま。

えま

全日本出場おめでとう。

芽依

！…

芽依

鐵宮…

芽依

！

芽依

こっここ…こちらこそ、全日本選手権出場おめでとうございます！鐵宮さん！

えま

えへ、ありがとう。ﾆｺｯ

えま

私のことは「えま」でいいよ。

真弓

えー、何あの子…アイツの知り合い的な感じ？

雛子

！

雛子

あの顔…鐵宮えまだ！

真弓

鐵宮えま…？

雛子

今日転校してきたスケートの子だよ！

私に声をかけてくれた鐵宮えまちゃんは全日本の予選で1位だった子だ。

予選でえまちゃんは高さのあるトリプルアクセルを武器に脅威の点数を叩き出し、

小学2年生からと遅めにスケートを始めたにもかかわらず予選で初優勝を果たした。

えま

大会ぶりだね、芽依ちゃん。

芽依

う…うん、そうだね。

芽依

…な、なな…なんか、お、お互い大変なことになっちゃったね。

えま

そうだね。

えま

大会終わってから転校した方がバタバタしなくていいかなって思ってたんだけど…ちょっと今後悔してる。

芽依

！、そっか。

芽依

転校したてなんだよね…

えま

うん

芽依

…。

芽依

！

芽依

（か、会話が止まっちゃった！）

芽依

（私のせいかな？なんとか繋がないと！）

芽依

よ、よよようこそ…！

芽依

おいでやす！

えま

おいでやす？

芽依

あ、違っ！…ご、ごめん、えっと…。

芽依

ご、ごごご…ごめんね。

芽依

わ、私…しゃしゃしゃ喋っ…、喋るのが、苦手で…。

えま

いやいや、大丈夫だよ。

えま

私も人と話すの苦手だし、ゆっくり話してもらって平気だから。

芽依

あ、ああ…ありがとう。

芽依

！

芽依

あ、そうだ…。

芽依

ほ、放課後…スケート部のところに案内しても、いい？

えま

えっ、いいの？

えま

嬉しい！ありがとう！

芽依

！

芽依

（えまちゃん…笑顔が眩しい、宝石みたい）

芽依

わ、割らないように慎重に運ぶからね！

えま

（運ぶ…？）

放課後

顧問

…と、いうわけで。

顧問

今日から新しく入ることになった、鐵宮えまさんだ。みんな仲良くするようにね。

えま

鐵宮えまです。

えま

好きなものはキリンと寿司です。

えま

よろしくお願いします。

パチパチパチパチ（拍手が鳴る）

顧問

よし、

顧問

じゃあ早速練習開始だ！

シュッ！

えまがトリプルアクセルを着氷させる。

部員

うわっ…やっば…

部員

さすが県予選1位、軸が安定してる

部員

品があるジャンプだね…同じ歳とは思えないや。

芽依

！…

芽依

（えまちゃん、かっこいい…）

芽依

私もやってみよう…えいっ！

ジャッ！ガッ！…バタンッ！

芽依

ぎゃう！

顧問

芽依っ！、大丈夫？

顧問

体に気をつけて、タイミングを合わせて！

芽依

は…はは、はいっ！

芽依

（私にまだアクセルは早いや、ステップの練習でもしよっと。）

芽依

…。

ツーッ、シュッ、クルッ…

えま

！

えま

…。

芽依

（ゆっくり、ゆっくり…）

芽依

（音楽を頭でかけて、指先までしっかりと力を入れる）

芽依

（白鳥の羽みたいに…うん、よしこのまま…）

えま

…。

えま

…うっま…。

顧問

それじゃ、今日の練習は終わり！

ありがとうございましたーっ！

芽依

ざい、ました…。

芽依

はぁ、はぁっ…。

えま

芽依ちゃん、お疲れさま。

芽依

う…うん、おつ…おつかれ。

芽依

（えまちゃん、もう体力回復してる…すごすぎるよ。）

芽依

…い、いい一緒に帰ろっか…。

えま

うん。

えま

あ、でもさ。

えま

帰る前に少しだけ自主練しない？

芽依

えっ！？

芽依

（自主練！？、あんだけ滑ったのに！？）

芽依

…いや、私は…っ、もう…いい、かな…。

えま

そう…。

えま

ありがとう。

えま

じゃあ帰ろっか。

芽依

う、うん！

えま

今日は濃い1日だったね。

芽依

う…うん、そ…そそそうだね。

芽依

（何気に誰かと帰るの初めてだ。）

芽依

あ、あああ…あの！

えま

ん？

芽依

お…おお、お願いって…な、なに？

えま

！

えま

ああ…えっとね。

えま

私のステップを見てほしいなって思って…

芽依

えっ！

えま

フリーのプログラムなんだけど、前の先生に『怖い』って言われちゃって…

えま

今日の芽依ちゃんのステップ、とっても綺麗だったから。

芽依

え、えぇっ？

芽依

私の…ステップが？

芽依

わ、わたし…そんなことないよ。

芽依

私、下手くそだし…県予選も偶然行けた感じだし、べ、別の子に聞いた方が…

えま

ううん、芽依ちゃんがいい。

芽依

えっ、

えま

私、芽依ちゃんみたいなステップがしたいの。

えま

…だめ？

芽依

！…

芽依

（か、かわいい…）

芽依

…わ、わわ…わかった。

えま

！

えま

やった！ﾆｺｯ

えま

ありがとう！

芽依

あ、

芽依

あのの…

えま

ん？

芽依

わ、わわ…

芽依

私も…ジャンプ、教えてほしい…。

えま

うん、いいよ。

えま

じゃあ、明日の部活でどこがわからないところ教えて。

芽依

う…うう、うん！わかった！

次は〇〇ー。〇〇ー。

芽依

あっ！

芽依

じゃ、じゃあ…

芽依

ま、また…。

えま

うん、バイバーイ。

芽依

ば、ばば…ばいばい！

芽依

プシュー

タッタッタッ… （芽依が電車から出る）

芽依

ん？

…。

芽依

！

芽依

えっ、

芽依

射手田さん！？

芽依

わっ！？

ドンッ！

（後ろの人に押されて芽依が前に倒れる）

芽依

ひゃう！？

間もなく、電車が発車します。ご注意ください。

プシュー…

芽依

…射手田さんだ、間違いない。

その日

私は同じ全日本に出る友達と憧れのスケート選手、射手田トオル選手と出会った。

そして、この出会いはわたしの運命を大きく変えることになるー。

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また神作じゃん… すごすぎますよ

投稿ありがとうございます！🙇‍♂️🙇‍♂️🙇‍♂️ 連載！！まさか歴史の次にスケートが来るとは思いませんでした😲 芽依さんもえまさん、凄い応援したくなりました……！ (続き読みたい欲が強すぎて、2話にコメントした後に1話にコメントしているということは口が裂けても言えない……)

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