引きこもりの俺となんでも出来ちゃうお兄ちゃん [完]

俺は龍宮寺武道 本名は花垣武道らしい

俺の母親の苗字が花垣だったらしいけど、ここで生活する上で先に此処で育ったお兄ちゃんと同じ苗字になった

お兄ちゃんはちなみになんでも出来ちゃう 料理もできるし勉強は学校をサボってもそこそこできる お兄ちゃんと比べると俺は出来ないことばっかだ

お兄ちゃんは友達も多くて 喧嘩も出来る

俺は弱虫で 引きこもり

正直なところこんな俺にも優しくできるところとか ほんとに嫌で仕方がない

本当は好きだけど その優しさが逆に辛い

このとおり

ろくでなしの俺にもご飯を作って朝はわざわざ声をかけてくれる

無理に学校に行かせようとしないあたりも本当に優しいんだなって思う

俺がなんで学校に行かないかって？

あれは俺が小学生の時の事

そこから「くるな！」って言う幼いコールが始まった

初めは別にあまり気にしてなかった

いじめのように発展していき 挙句の果てには学校なんて行けなくなった

人と関わるとお兄ちゃんと比べられて俺の事を見てくれる人なんてお兄ちゃんくらいしかいなかった

学校なんてところは俺みたいな出来損ないが来ていい場所じゃなかったんだ

これが俺が学校を行かなくなった理由

小学生の時の出来事がトラウマで人と話すのが苦手になった

本当どうしようもない屑だと思う

目の前の問題にも向き合えなくて 優しくしてくれるお兄ちゃんにも素直になれなくて 周りを恨むばっか

最後には引きこもり 毎日ゲームやアニメ三昧 これが俗に言う 社会不適合者だと思う

なんで生きてんだろ

正直生きるのも辛くて 死ぬのは怖くて

何にも出来ない出来損ないなんだろうな…

お兄ちゃんはなんでも出来るのに

そんな事考えてるとあっという間に1日が終わる

無駄な事しかしてないって自覚もある

今は6時ちょっと前

そろそろお兄ちゃんが帰ってくる

これでお兄ちゃんの評判が下がったりしたら嫌だし、でも人に会うのもちょっとな…

気を使わせてしまった…

お兄ちゃんの言ってる事は正しい だけど簡単に出来たらどれほど楽なんだろうか