この愛は僕だけのもの。

──── 保科side ────

自分の目の前で、恋人が怪獣に食われた奴なんて山ほど見てきた

まさか、自分もそれを体験するなんて思ってもいなかった

仁乃が飲み込まれてから現場には混乱と焦りが生じていた

保科が通信機で亜白に状況を伝えた

通信機の向こうから驚きを含んだ声がする

保）隊長が……"殺す"という単語を使った…

保科は亜白との通信を切ると怪獣を見つめた

怪獣はゴツゴツとした硬い体表に覆われている。銃で撃てば傷は出来るものの、すぐに再生してしまい効果は著しい

暗い……

寒い……

体に力が入らない

ここはどこなの……？

頭から血が流れてるのがわかる

血が出でいるところだけ異常に熱くて、くらくらする

ふと、私の体をなにか液体が包んでいた

液体……胃液はどろどろとしていて、粘り気を含んでいた

ふと、ピリピリとした痛みを感じた

怪獣の胃液だもん、そりゃそんな成分あってもおかしくないよ

──────生きていたいよ、

続く