欠けた1ピース
ドズル社は5人グループ――のはずだった。
ある日の配信中、
「ぼんじゅうるみたいな人、いなかったっけ?」
という視聴者の何気ない違和感が流れる。
それはすぐに否定され、笑いに変わり、
話題はなかったことになる。
そして世界は、何事もなかったように4人へと確定する。
彼の声はアーカイブから消え、
写真から姿が抜け落ち、
記憶からも少しずつ削られていく。
それでも、ごくわずかな視聴者だけが
「何かが足りない」と違和感を覚える。
消えたのは、偶然か。
それとも――意図的な“修正”なのか。
4人で完成するはずのグループに、
確かにあった5つ目の居場所。
思い出されなければ、存在は消える。
忘れられたピースは、元の形に戻れるのか。
これは、
世界から切り取られたひとつの存在と、
それを無意識に否定し続ける世界の物語。