君は後ろを向いて歩き出す
町の街灯と暗闇に散りばめられた星達に照らされ
夜風に靡く髪を少し抑えながら
大きな荷物を持って僕へと離れていく
そしてまた僕はこういってしまう
行かないで。
すると君は振り返り僕を優しい瞳で見つめ
うん、わかった。帰らない
って。
行く宛ても泊まる所も
お金もスマホも
親も友達も
何も無いのに君はまた優しく笑う
そんな君に見惚れてまた歩き出す
虫の音が耳に響き、
まるで夜道で演奏会が行われているようだ
君
少し頬を火照らせる君の横顔を見つめながら
また進む
君
少し笑を零しながらだが それに似合わない内容で
少し驚きながらも答える
僕
僕
君
君
君
君は人を罵倒する言葉、 誹謗中傷の言葉を淡々と言っていく
君
君
顔を合わせない為からか 君は夜空を見上げていた
無数の星や大きな月は僕らを優しく包むように 眩い光を放ち続ける
君
いつもなら止めていたのに 今は何故か止められなかった
何も言えなかった
ただ、君を見つめることしか出来なかった
そして今、君は消えた
突如として、僕の前から消え去った
あの時止めていればと何度も後悔し
頭を抱えて、時には嘆きもがいて
神にも願った
拳を握りしめ、怒りを物へぶつける日もあった
行かないで。
行かないで。
行かないで。
そして今、僕の手に握られているのは
刃先がきらりと輝く包丁。
そして左胸に刃先を向ける
逝くね
君へそう囁いた
コメント
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初コメ失礼しますー!! えっと...えっと... テキストの使い方とか...表現の仕方とか...もう尊敬しちゃいます!! 行かないで。 行かないで。 行かないで。 の場所で胸をグッと持っていかれました(? 最高でした...!!
わああ、素敵です!! 流石ですね(*´`*) 尊敬してますはーと((何これ
好きです(