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救い主〜神様編3〜

第24話 - 暁月についてー

2025年01月13日

#創作

#オリジナルストーリー

#救い主

スロース

琳寧

王になったはず…？それってどうゆう…

暁月

まぁそうなりますよね。黄泉の国で僕が言いかけていたこと、覚えてます？

琳寧

えっと…王位がどうたらこうたら…

暁月

はいそうです！よく覚えてましたね

暁月

その話もついでにしましょうか

暁月

まず、鉱石の世界というものが「普通」の世界とは少々…いや、結構違うんです

琳寧

…どうゆうこと？

暁月

うーん…（これいっつも説明に困るんだよなぁ…）

暁月

…琳寧様、幽体離脱って知ってますか？

琳寧

えっと…肉体から魂が抜けるってやつのこと？

暁月

はい！そうです！

暁月

鉱石もそんな感じで、本体は岩の中に埋まっている鉱石なんですけど、普段はそこから離れて、魂みたいに浮いています

琳寧

なるほど…じゃぁつまり、鉱石は常に幽体離脱している状態と一緒ってこと？

暁月

はい！その通りでございます

暁月

それと、そもそも鉱石自体の発生自体が、その環境によって変わるものなんですよね

暁月

周りの神力でも魔力でもどっちでもいいんですが、オーラが強いとその分強い鉱石が生まれます

暁月

しかし、オーラが強ければ強いほど、発生率は低くなります

琳寧

だから皆が強い神器を持ってるわけじゃないってことか

暁月

はい。レベルが低いものであれば、何億個もあるでしょうね

琳寧

え、だったら鉱石だらけになっちゃうんじゃないの？

暁月

いい質問ですね。実はそうなはらないんですよ

琳寧

…というと？

暁月

理由は二つあります

暁月

一つ目は風化。これはシンプルに、鉱石がその環境に耐えなかったり、長い時を経て形を維持できなくなってしまったら砕け散ります。レベルが低いほど風化しやすいです

暁月

二つ目の理由は、弱い鉱石が増えすぎないよう、鉱石の世界では定期的にイベントが開かれるんです

暁月

そのイベントというのが、『壊し合い』です

琳寧

壊し合い…

暁月

僕ら鉱石には、死という概念が存在していません

暁月

あるのは『消滅』。または『合体』です

暁月

消滅というのは、琳寧様がイメージするのと同じです。肉体も、魂も、その者に関する記憶も全てが消え去ってしまいます

暁月

そして合体…これは琳寧様は初めて聞くんじゃないでしょうか？

琳寧

そうだね、初耳。

暁月

鉱石にこちらで言う『死』が訪れた場合、元々の本体である鉱石は砕け散ります

暁月

その後どうなるかというと、その砕け散った鉱石はその辺りの環境と同じオーラに変化するんです

暁月

そして、よりオーラが強い方にある鉱石に取り込まれるんです

暁月

鉱石が砕け散ってから他の鉱石に取り込まれるまでのことを『合体』と言うんです

琳寧

うん…？

暁月

えぇっと…なら、神力が満ちている洞窟があるとしましょう

琳寧

はい

暁月

その洞窟の1番奥には、神力を発生させる物…Xとしましょうか

暁月

洞窟自体には多くの鉱石があります。Xから近い順に、A、B、C、Dの鉱石があります

暁月

これで言うと、1番強い鉱石はどれでしょうか？

琳寧

A…だよね？

暁月

その通り！

暁月

そして、『壊し合い』、または風化により、1番壊れやすいDが砕け散ってしまいました。

暁月

そうなった場合、Dの欠片は目に見えなくなり、神力に変わります

暁月

その神力は誰が吸収するのかというと…

琳寧

Cだ！

暁月

正解です！

暁月

これがもし、Dよりも先にCが砕けたとしましょう

暁月

いくらDとCが近かく、DよりもBの方が遠くにあったとしても、Cの欠片の神力はBに吸収されるんです

琳寧

なるほど！弱肉強食の世界ってことか！

暁月

はい、その通りです。鉱石の世界は、どの世界よりもその考え方が強いんですよね…

暁月

あ、話がずれましたね

暁月

鉱石は弱い鉱石を減らしたい＋『死』の概念が無い。ですから、『壊し合い』…こっちで言う『殺し合い』に賛同する者が多いんです

暁月

これで、弱い鉱石が増えないようにするための工夫については理解できましたでしょうか？

琳寧

うん！細かく教えてくれてありがとう！！

暁月

いえいえ

暁月

そして、ここからです。さっきも言った通り、鉱石は弱肉強食の考えが本当に強いんです

暁月

ですから、王も『実力主義』で決めるんです

琳寧

…ってことは…1番強い鉱石が王になるってこと？

暁月

はい、そうです

暁月

ここから色んな話をしますし、少し難しい話ですけど、頑張ってついて来てくださいね

琳寧

うん、頑張る…！

暁月

まず、僕の生まれから話しましょうか

琳寧

ってことは…ルイさんがいた時代のこと…ってこと？

暁月

そうなりますね

暁月

僕は『クゥドゥス鉱山』と言う鉱山に発生した鉱石なんです

琳寧

『クゥドゥス鉱山』…聞いたことある

琳寧

確か、神と悪魔の領地の丁度間にある鉱山でしょ？

暁月

よく知っていますね

暁月

そうです。そのため、クゥドゥス鉱山には魔力と神力の両方が流れています

暁月

僕はその鉱山の最下層で発生しました

琳寧

最下層…ってことは…？！

暁月

はい、クゥドゥス鉱山で1番力があったのは僕でした

暁月

ここまではよかったんです。他の鉱石は僕の座を奪い取ろうと、『決闘』を申し込んできては、僕にボコされると言うのを毎日やっていました

暁月

僕は戦闘が好きだったので楽しかったんですが、中には力はあるのに戦闘を好まない者もいるじゃないですか

暁月

そうゆう者たちは…自害していきました

琳寧

…え

暁月

まぁ、無理に戦闘を強いられ、自分よりも弱い奴らに舐められて壊されていくなんて、地獄よりも苦しいでしょうね…

暁月

まぁこんな暗い話は置いといて…

暁月

鉱石といえど、普段はその辺に浮いている魂みたいなものです

暁月

ですから、生まれた鉱山に限らず、どこへでも行けるんです。本体は動けませんがね

暁月

…先に『鉱王』について話しましょうか

琳寧

また知らない言葉…

暁月

『鉱王』は全ての鉱石の王ってだけです。深く考えなくてもいいですよ

琳寧

あ、わかった…（鉱石に関する系の名前って…意外と安直？）

暁月

さっき言った通り、鉱王は実力で決まります

暁月

しかし、鉱王の位…王位継承権があるのは限られた者のみなんです

琳寧

限られた者…か…

暁月

その限られた者とはー

“自我がある者”なんです

琳寧

え、自我がない鉱石もあるってこと？

暁月

あれ、言っていませんでした？

暁月

鉱石は基本的に自我などはありません

暁月

ただ本能で動くか、主人の命を実行する時ぐらいしか動きません

琳寧

（なんか聞いた気がする…でも覚えてなかったから丁度いいか）

暁月

しかし、ごく稀に自我を持つ者が現れるんです

暁月

それは、濃いオーラのところで発生した鉱石しか自我を持てないんですがね

暁月

そして、運よく僕が自我を持てた訳です

暁月

そして、自我を持てた鉱石は『王家』と呼ばれ、鉱石の社会の中で高い地位と王位継承権を獲得することができるんです

琳寧

なるほどね…じゃぁ、暁月は王家で、かなり珍しい神器になったってことか

暁月

そうなりますね

琳寧

王家とか、高い地位って聞くと、結構いい生活が出来たように聞こえるんだけど…？

暁月

まぁ…生活自体は良かったですよ？でも…

暁月

王位継承権が本当に要らなかったし、僕が生まれたところも…

琳寧

え…どうゆうー

暁月

これは口で言うより、見せた方が早いでしょうね

暁月

今からお見せするのは僕の過去です。ドラマを観てると思って、軽い気持ちで観てくれて大丈夫ですよ

暁月

あ、それと、気分が悪くなったらすぐに言ってくださいね

琳寧

うん…！

暁月

それでは、行ってらっしゃい

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