三ツ谷くんに過去を話した後…
三ツ谷
…それで、聞いてもいいか?
三ツ谷
さっきのこと
夢
…うん
夢
さっき、家の近くに…
夢
あいつ、
夢
その当時、付き合ってた彼氏が、いたの…
当時の彼氏…
そう、あいつはあの事件の後
親の転勤かなにかで 引っ越したはずだった…
だからあれ以降…
顔も合わせていなかった
夢
…なんで、突然…
夢
でも、人違いかも…しれない、よね
私は不安を払うかのように笑顔を作る
三ツ谷
…無理して笑うな
三ツ谷
しんどい時は、
三ツ谷
苦しい時は、
三ツ谷
素直にそう言えばいいんだ
三ツ谷
俺や柚葉、八戒だって
三ツ谷
いつだって力になってやる
そう言って、 三ツ谷くんが手を差し出す。
三ツ谷
…まだ俺らは、怖いか…?
夢
……
夢
…ううん、怖くない
私は、三ツ谷くんの手を取り、 立ち上がる
あれ以来、初めて信用できる 男の人が出来たんだと実感した。
三ツ谷
とりあえず、帰るか
三ツ谷
…夢、帰れるか?
家の近くにあいつが 居たことを考えると…
しばらくは帰りたくない
夢
…まだ、帰らない
三ツ谷
わかった
三ツ谷
…じゃあ、柚葉たち呼んで
三ツ谷
ちょっと気晴らしでもいくか
三ツ谷くんは、 私の返事を聞く前に電話をかける
少し話した後…
三ツ谷
あいつら、すぐ来るってよ
夢
…ごめんね、迷惑ばかり
三ツ谷
迷惑なんて思ってねぇよ
三ツ谷
俺が好きでやってるんだ
三ツ谷
だから、気にするな
三ツ谷くんは、どうしてここまで 気遣ってくれるのだろう…
柚葉みたいに昔からの 知り合いでもないのに、どうして…
八戒
…タカちゃーん!
ぼーっと考えていると…
八戒くんの声が聞こえてくる
柚葉
夢ーっ
夢
うわっ
柚葉が、飛びついてくる
三ツ谷
…おい、柚葉
三ツ谷
夢が固まってるぞ
柚葉
ごめんごめん
八戒
で、どうしたの?
八戒
さっき別れたばっかなのに
柚葉
確かに、なにかあった?
夢
……
柚葉
…夢?三ツ谷?
八戒
タカちゃん、なにがあったの?
三ツ谷
夢、話しても大丈夫か…?
続く…