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注意書き
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夜風が冷たい、ビルの屋上。 先ほど嵐が去ったような、争いがあったようなそんな場所に言い争う二人の声が響いた。 傍らには静観するもう二人の影も見える。
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言い返せなくなったのか、セラフは奏斗を押し退けて屋上から飛び降りた。 焦って後を追おうとするアキラと雲雀に奏斗は冷たく言い放つ。
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一際、強い風が吹いて、落ちていた烏の羽がビルの間から屋上へ、そしてまた空へと登っていく。 その羽を目線だけで追いかけてから、奏斗はアキラと雲雀へ微笑んだ。
奏斗と喧嘩してから3日、奏斗は事業の関係で海外へ行ったと雲雀から聞かされた。 結局謝れないまま過ぎて、セラフは悶々とした気持ちを抱えていた。 そんな毎日でも依頼は山ほど来る。いや、こんな気持ちだからかもしれない。
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いやに疲れたような、憔悴しきったような相方の顔。 寝不足、というよりも気持ちが沈んでいるとみえる顔つきだった。
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アキラからソファーへ腰掛けるよう言われ、セラフが素直に従うとアキラ自身も向かいのソファーへと腰を下ろした。やはりその足取りは重い。
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俯いたまま目線を合わせないアキラへただならぬ気配を感じ、セラフは茶化すのを止めた。 そして、ただ彼の言葉を待った。
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絞り出すようなアキラの弱々しい声にセラフもその言葉を信じざるをえなくなり、何度も頭の中で最後に見た奏斗の姿を思い出そうとした。
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言われてみれば不自然だった箇所がいくつも思い浮かぶ。だが、今言われるまで気づかなかった。 いや、最期まで気づかせなかったのだ、あの男は。
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口から言葉を吐くたびに目からはぽた、ぽたと涙が落ちる。だが、どちらも止められなかった。
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ぎゅうっと強く、赤い羽織を掴んだ。拍子にカチリと音を鳴らした暗器を見やると、いつだったか、奏斗が「可愛い」と評したナイフだった。 途端に込み上げてきて、膝を抱えるように前屈みになる。
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聞き馴染みのある呼び方に驚いてセラフが顔をあげると、アキラが泣きながら笑っていた。微笑んでいた。
表情と声は奏斗を思わせる、もし変装まで出来ていれば奏斗だと言っても過言ではないほどだった。
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それからセラフは産声以来の大声で泣きじゃくってアキラへ縋った。それを優しく受けて止めていたアキラも泣いていた。
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いつもの小競り合いに、アキラとセラフの目が合うと吹き出してしまった。
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アキラからセラフの端末へ5分程度の動画が送られてくる。 サムネイルは奏斗がベッドの上で半身を起こしながらまっすぐカメラを見ているものだった。