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ある研究施設。
記録 XXXX.7.12 記録者 空条承太郎
承太郎
少女
反応はいつも通り。 手袋を外そうとした形跡もなし。 体調に異常無し。 脳波は昨日より活性化している。
承太郎
少女
沈黙。違うようだ。
少女の周囲には何もない。 いや、正確には『何も置けない』。 彼女がその手で触れれば、すべては命を失う。 生きたものも、人工物さえも。
時間をかけて壊死し、崩れ去る。 だからこそ、この部屋にはなにもない。
承太郎は部屋を出て端末席に戻り、彼女に関するあらゆる資料が詰まったファイルを開いた
【少女 収容開始日:XXXX.6.2 能力概要:対象が生体であるか否かを問わず、接触した物質から生命力に類いする何かを奪う。 対処法:素手での接触を避ける。常時、特殊素材手袋を装着。定期的に交換】
【意志疎通:最小限。単語の反復が多く、会話に積極性なし。 身体的成長:正常。ただし精神発達には遅れがみられる可能性あり】
少女
承太郎
ガラス越しに、少女はじっとこちらを見つめていた。