【桃橙】相思相愛

邪魔すんなよ！と言いたいように

俺を睨むジェル。

…………うーん

俺ら恋人なのに…………

なんか最近冷たくない？

編集ばっかりで大変そうだし……

ちょっとくらい俺に甘えてくれてもいいのに

物足りない……

もっとジェルと…………

そんなことが頭を過ぎるたびに、

俺はぶんぶんと頭を振って

そんな思考を追い出す。

本当は分かっているから。

脳がストッパーをかけて、考えないようにしてるんだろう

でも、でもなあ……

俺だって……

俺は周りを見渡した。

壁に大量の写真が貼られた空間

しかも全部に俺が写ってる…

俺はざっくりとジェルのことを説明した。

リリはそう言うと、俺のおでこを指で押した。

それだけなのにビックリするくらい衝撃がデカくて、

俺はバランスを崩して後ろに倒れた。

…なんか、意識が…………

久しぶりなこの感覚…

この距離感も

ジェルの香りも

全部全部、もっと感じたい♡

…まあこの後は言わなくても分かるでしょ

俺はこの日から毎日のように

ジェルと甘い夜を過ごした。

つまり俺がちょっと強引にやってればよかったってこと

今まで冷たかったのが嘘のように

『ストッパーを取ったから』

あの子の言う通り、

俺は自分の欲望に忠実になった。

止められないんだ

止められるモノがないから

だから、こんなことしても俺は悪くないよな？

ｶﾞｯ

俺は無言でジェルの首を絞めた。

ｶﾞｽｯ！

手を外してすぐ、ジェルのお腹を思いっきり蹴った。

こんなボロボロなのに、ジェルは嫌がらなかった。

嫌がったらまたなんかやられるとでも思ったんかな…

あはは、ジェル、ごめんな

俺…我慢できない

ジェルが可愛くて愛しくて堪らなくて

痛めつけたくてしょうがない。

苦しそうな顔、怖がってる顔、痛そうな顔

全部全部全部全部

もっと俺に見せて？

もっともっともっともっともっと

君を傷つけたい。

頭がオカシクなるくらい 後戻りできないくらい

殴って蹴って絞めて切って縛って

散々暴力した後に、

どろどろに溶けそうなくらい激しい夜を過ごす

そんな毎日。

ジェルはいつのまにか奴隷のようになっていって

俺はどんどん狂っていった。

こんなに酷いことしてもジェルが逃げないのは

俺のことを心から愛してくれているからだろう。

俺は彼を愛している

だからこんなに傷つけたくて仕方がない。

ジェルは俺の顔を掴み、

無理やり自分の目へピントを合わせてきた。

ジェルは俺を優しく抱きしめた。

俺の目からは涙が溢れてくる。

そうだ…俺は自分のことしか見えていない…

ジェルのことなんて、考えてなかった

ただ自分が満足することしか、考えてなかった

俺が自分勝手だったせいで

ジェルはこんなにボロボロになって、

消えない傷と痛みを与えてしまった…

俺も抱きしめ返すと、

ジェルは怖いくらいガリガリに痩せていたのが分かった。

俺がそうさせたんだ……

ｸﾞﾁｬｯ