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暁のヨナ夢

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暁のヨナ夢

第1話 - ドサッ

40

2024年01月06日

#暁のヨナ

#ファンタジー

#ドラマ

#創作

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ドサッ

ミア

......

ヨナ

ミア！

ジェハ

こりゃ相当疲労が溜まってたねぇ...

ハク

こいつも懲りねぇな

キジャ

ミアも中々に目が離せぬな

ハク

つか、こいつが狙われてるって知った以上、すぐ移動しなきゃだろ

ハク

ここに長居してもいいことねぇし、奴らは俺らを探しにまた来るんだし。奴らが逃げたとされる西の方に移動しないか？

ジェハ

そうだね、怪我をしてるヨナちゃんと、今眠っているミアちゃんを誰かがおぶって行こう

ライ

体力あって足はえーやつがいんじゃね？

ハク

そんならまずタレ目が決定な

ジェハ

了解

キジャ

うむ、もう1人は....

ライ

足に特化した奴は居ねえだろ、ならせめて力があるやつだ。

ハク

んじゃ白蛇くんかね

キジャ

私か？

ハク

片腕ムッキムキじゃん

キジャ

そなたも化け物じみた力を持っていると思うが....

ハク

俺はこの大刀あるし、このままおぶったら邪魔じゃね？

ライ

だな

ライ

じゃあジェハがヨナちゃん、キジャはミアを頼む

ジェハ

りょーかい

ヨナ

私はおぶってもらわなくてもいいのよ...？

ジェハ

だーめ。今は安静にしているんだよ

キジャ

失礼するぞ...

ミア

.......

ヨナ

ねぇ、ミアの顔色が悪いわ...相当の疲労だったのかしら

ジェハ

そうだねぇ、今は寝かせて置いてあげよう。さ、行くよヨナちゃん

ヨナ

えぇ、

キジャ

私も緑龍の後を追おう

ヨナーーーー！！

ヨナ

リリ！

リリ

も、もう行くの？

ヨナ

えぇ

リリ

こっ、これ！持っていきなさい、水の部族名菓蜜饅頭よ

リリ

...ここでは嫌なことばかりだったかもしれないけど、水の部族領は本来美しくて美味しいもので溢れているんだからね！

ヨナ

うん、温泉楽しかったよ

リリ

！

リリ

あんた腰紐縦結びになってるわよ

ヨナ

あ

ヨナ

すぐに腕が疲れちゃって上手く結べないの

リリ

仕方ないわね私がやってあげる

リリ

......あれ？

リリ

おかしいわね、縦になったわ

ヨナ

下からくぐらせるんじゃない？

リリ

ちょっと待ちなさいよ

リリ

あれっまた

ヨナ

ひょっとしてリリ結べないんじゃない？

リリ

結べるわよ、いつもテトラにやってもらうの見てるし

リリ

うるさいわね、見てればわかるわ...

リリ

よ

ヨナ

それって自分で1度もやったことないってこと？

ヨナ

ふっ、

ヨナ

あはははは、！

リリ

ふふ、あはは！

ジェハ

ん？なんだか楽しそうだねぇ

ヨナ

ふふ、リリって面白い

ヨナ

じゃあ行くね

リリ

あ...

リリ

そうだ、あの、ミアはどこにいるの？

リリ

まだ、助けて貰ったお礼を言えていないのよ...

ジェハ

あー....

ヨナ

ごめんね、ミアは今眠っているの

リリ

え、？もしかして怪我したとか...？

キジャ

いや、ただの疲労だと思われる

ジェハ

まぁ君のせいじゃないし、お礼なら俺から伝えておくよ

リリ

分かったわ...

リリ

....気をつけて！

ヨナ

えぇ、リリも

リリ

あ...

リリ

ありがとうっ！！！

シンア

ン....

シンア

ユン

ユン

わぁ！びっくりした！

ユン

珍しいね、シンアが俺に話しかけるなんて、何？

シンア

...ヨナを診てあげて

ユン

えっ

ユン

ヨナ、背中痛い？

ヨナ

平気よ

シンア

ヨナ...顔色...悪い...

ハク

...

ハク

少し暑いな

ヨナ

...平気

ハク

顔が赤い、熱が上がってるな

ヨナ

赤くないわよ...

ユン

どうしよう、仙水迄らあと少しかかるし、この辺に宿ないかな

ジェハ

じゃあ僕が一足先にヨナちゃんを仙水の宿まで運ぼうか？

ユン

あ、それがいいね

ジェハ

君達、僕の気配を辿れるよね？

ヨナ

ごめんねジェハ

ジェハ

君は余計な心配をせずに僕の背中で寝てなさい

キジャ

ちょっと待て

キジャ

私も着いて行こう

ユン

え？珍しい、いきなりどしたの？

キジャ

さっきから....ミアの様子がおかしいんだ

ユン

え！？もっと早く言ってよ、ちょっと見せて！

ミア

っはぁ、、は、、

ジェハ

随分と苦しそうだね...

ヨナ

ミア...大丈夫なの?

ユン

....おかしい、原因が思い当たらない、

ユン

水の部族領では少なくとも危険はなかったはず....

ユン

ヒヨウと出くわした時も、ヒヨウがミアに直接なんかした訳じゃないんだよね？

ヨナ

えぇ、手を出すどころか向こうから逃げていったけれど...,

キジャ

だが、私にはただの疲労には見えぬ、他に原因があるのではないか？

ハク

........！

ジェハ

なにか気づいた？

ハク

もしかして......○○村にいた時盗賊に飲まされた薬が原因とか...

ユン

！結構時間はたっているけど....有り得なくは無い

ユン

なんの薬を飲まされたかが問題なんだよね....

ヨナ

そんな....

ユン

あの日から流れている時間的にも、ミアは痛みや苦しみに時々耐えていたのかもしれないね

ヨナ

....それなのに、私、守らせちゃった......

ジェハ

君は悪くないさ、ミアちゃんは君が大切なんだ

ミア

うっ、、はぁ、、ぐっ...,

ユン

うん、確かに急いだ方が良いね、でもキジャ、足に特化した龍のジェハに追いつける？

キジャ

な！私を甘く見るんじゃない！

キジャ

...なんだか心がざわつくのだ。この者の命が危ないのなら何がなんでも追いつくぞ

ユン

ん、分かった

ユン

じゃあ、ジェハとキジャは先に行ってて、僕らもそっちに向かうから

キジャ

うむ！

ジェハ

はーい

ジェハ

ヨナちゃん、キツかったら言って

ヨナ

うん

ヨナ

....海が見えるわ

ジェハ

ん？

ヨナ

懐かしい、こうやってジェハと跳んでいると、阿波を思い出す

ジェハ

...そうだね

ジェハ

あの頃のヨナちゃんはか弱い女の子だったなぁ

ヨナ

何それ笑今は私をどう思っているの？

ジェハ

どうって...

ジェハ

.....気の強いおてんば娘、とか？

ヨナ

えぇ、そうかなぁ？

ジェハ

冗談だよ笑

ジェハ

...!

ジェハ

危ない！

ヨナ

きゃっ

ヨナ

何！？

ジェハ

分からない、

ジェハ

キジャ！何者かに狙われている！頭を低くするんだ！

キジャ

何！？承知した！

ジェハ

隠れて狙い撃ちなんて....

ジェハ

美しくない....ね！

ジェハ

！

ジェハ

厄介だね...ナダイ中毒者だ、致命傷じゃないと何度でも向かってくる

ジェハ

ナダイ....全く...ギガン船長の教えが染みついて、無用な殺生はしたくないんだけど....

キジャ

何故我々を狙ってくるのだ！

ジェハ

！

ジェハ

(後ろ....!)

ザシュッ

ジェハ

！？

キジャ

！？

ヨナ

！？

ヨナ

ミア...！！！

ジェハ

な....！

ミア

っ、、

キジャ

そなた！無理をするな！！！

ミア

っ、はぁ、、

ジェハ

このままでは危ない....

ヨナ

！、また来た...！！

ミア

(狙っているのは恐らく私.....私が別行動すればヨナに危険は無い......)

ジェハ

ミアちゃん！！僕らとの約束を破るきかい！？

ミア

！

ミア

......

ミア

...先にこいつらを倒すべきか.

ザシュッ！ドカ、バキッ！

ミア

っ、、

ミア

もう少し....

ガシッ

ミア

！？

キジャ

たく、そなたは....

ミア

離せ...ヨナが危ない......!

ジェハ

キジャ！刺客の者は無視して先に仙水へ急ぐぞ！

キジャ

分かっている！

ジェハ

参ったな、仙水が雨とは...

ジェハ

さっきのやつら、恐らくミアちゃんを狙ったものだろう

ミア

......

ジェハ

突然飛び出したりして、危ないと分かっていただろう？

ミア

......

キジャ

ただでさえ体調がすぐれないそなたは奴らの格好の的だ！

キジャ

狙われていると知っているのに、どうしてあんな真似を...

ミア

.....ごめん

ジェハ

！

ジェハ

いや、僕らも感情的になりすぎていた...悪いね、体調が悪いのに無理をさせて

キジャ

...悪い、だが我々もそなたが心配なのだ、もしものことがあったらと思うと...ゾッとする。

ミア

....気をつけるわ

ミア

体調はもう大丈夫だから、私は宿を探してくる

ジェハ

ダメだよ、嘘ついちゃ

ジェハ

まだ顔色が悪いじゃないか

ジェハ

それに、狙われている君にまた1人行動をさせる訳にも行かないんだよ

キジャ

宿なら私が探してこよう

ジェハ

悪いね、くれぐれも目立たないように、頼んだよ

ヨナ

....

ジェハ

ヨナちゃん、寒い？

ヨナ

少しだけ....

ジェハ

暖めてあげようか？

ヨナ

遠慮する

ヨナ

.....

ジェハ

！

ジェハ

どうやら冗談を言っている場合ではないようだ

ジェハ

外套を持ってきて置いて良かった、少しはマシかな

ヨナ

...うん

ヨナ

ジェハ、体温高いのね...あったかい

ヨナ

早くハクたち、追いつくといいね

ジェハ

...そうだね

キジャ

なかなか宿が見つからん....

ジェハ

うーん、そうだね、もしかしたらヒヨウの手にかかっているものが宿にもいるかもしれない

キジャ

うむ、、

ジェハ

仕方ない、ハクたちが来るまでここで堪えよう。

ミア

........

ヨナ

ミア、大丈夫？

ジェハ

...なにかあったら無理しないで言うんだよ

キジャ

そなたは色々と我慢しすぎなのだ！

ミア

......い、

ジェハ

ん？

ミア

.....ライ......

ジェハ

！

ジェハ

......

ジェハ

大丈夫、すぐに追いつくさ

ミア

この、町は危な、い

ジェハ

！

ヨナ

どういうこと....

ミア

くれぐれも、用心して.......

キジャ

ミア！

ジェハ

凄い熱だよ。脈も異常に早いし、危険だ

ジェハ

頼むから早く来てくれよ...

ジェハ

遅かったじゃないか

ハク

こんなところに隠れてると思わねーよ

ジェハ

ユン君。とりあえずヨナちゃんとミアちゃんを診てくれ。ミアちゃんは特に危険な状態なんだ

ユン

なんだって！？すぐにみるよ、こっち来て！

ミア

ふっ、はぁっ、、っ、私は、問題ない...

ミア

突然襲ってきた刺客に...怪我を負わされたのはキジャとジェハ......

ミア

治療も何もしていないから、菌が入っているかも、そちらを先に見なさい、

ユン

そんな訳には...！

ミア

どうせ薬の種類も分からないもの、きっとそのうち良くなるわ。

ユン

っ〜〜！

ユン

んもう！わかったよ！ただ無理したらホントに縛っとくからね！？

ミア

分かったわ

ヨナ

ジェハ

ちなみに。ここにはミアちゃんを狙ったヒヨウの手にかかった者が多いらしくてね

ジェハ

宿を探すのが困難なんだ

ユン

宿を探すのが困難となると、、困ったな、野宿になる

ヨナ

どうしたの？

ユン

仙水に入った時、ざっと、町の様子を見てきたんだけど.....

「きゃー！！」

ヨナ

何！？

ユン

女の子の声だ

「放して....!」

ドカッ

ジェハ

怪我はないかい、お嬢さん

「は、はい...」

ジェハ

一体何があったんだい？

「分かりません...いきなり強い力で掴まれて、、」

「仮面をつけていない、とりあえず連れていけって.....」

ハク

仮面の女を探してる？

ユン

ミアの事だ....

キジャ

ヒヨウの刺客というのもミアを狙って....?

ジェハ

恐らくね

ヨナ

....許せないわ、こんなやり方...

ジェハ

仙水は思った以上にヒヨウの手にかかった者が多いかもしれないね

ユン

うん、仙水は四泉より荒れている気がしたよ...

キジャ

おのれ、ヒヨウ。無差別に女を襲うとは....

ミア

無関係な人間まで......

ライ

ミア

ミア

私がここにいるから......

ユン

ミア、ダメだよ、体調悪いんだし

ユン

そもそもミアのせいなんかじゃないよ

ミア

.......

ジェハ

ミアちゃん

ミア

....私を見つけさせましょう

ジェハ

何を....!

ミア

私達はナダイの元凶であるヒヨウを探してる。

ミア

また、ヒヨウも私を探している

ミア

丁度良いわ。

ミア

無関係の人が襲われぬよう、被害が広がらないうちに私に集中させるのよ

ミア

心配しなくたって、そんな簡単に捕まったりしないわ

ハク

...いいかもな、それ

ジェハ

ハク...！

ハク

要は俺らが守りきりゃいい話だろ？

ジェハ

！

ジェハ

わかったよ

キジャ

指1本触れさせぬぞ！

シンア

守る、絶対

ライ

俺たちを狙ったこと、後悔させてやる

「うぁぁ！」「ぐわぁ！」

ハク

...白蛇の手、目立ちすぎじゃね？

キジャ

構うものか

キジャ

姫様に傷を負わせ、さらに我々の仲間を付け狙った二重の大罪、その身に思い知らせてやる‪💢

ジェハ

キジャ君その顔やめようかー

ミア

仲間......((ﾎﾞｿｯ

ジェハ

ん？どうかした？

ミア

なんでもないわ

ユン

あれから1日...刺客が来なくなったね

キジャ

肝心のヒヨウは隠れたままか

ジェハ

困るなあ、刺客は頑なにヒヨウの居場所を吐かないし、

ユン

ヨナ、体調はどう？

ヨナ

大丈夫

ハク

じゃないだろ

ハク

無理して動いて雨に打たれて良くなるわけないでしょーが

ハク

そんぐらいわかります

ヨナ

むう、

ユン

じゃあ今夜は宿をとろう

ヨナ

えっ、いいわよ外で

ジェハ

ヨナちゃん疲れたままだと次の闘いで動けないよ

ヨナ

...うん

ユン

えっ

ユン

満室？

ユン

なんだ...小さくて1番安そうな宿だったのにな

ヨナ

仕方ないわユン、いきましょ

ヨナ

3番地の洞という店？

ジェハ

そう、そこがヒヨウの居場所ってわけじゃないだろうけど、主人がそこで麻薬入の酒を買ったと言っていた

ハク

調査してみる価値はあるだろ

ヨナ

そうね

ドクン

ミア

！

ジェハ

(何だこの感じ、)

キジャ

！？、ミア、どうした！

シンア

体調、治ってなかった

ライ

お前、、また無理して....

ミア

ちが、違う、こ、れは......

ハク

なにか心当たりがあるのか？

ミア

うっ、、どうしてこんな突然......！

ミア

ラ、イ....、ライ！

ライ

大丈夫だ、落ち着け。少し席を外す。この症状は問題ない、先に寝ていて構わない

ミア

うっ、うぅ、、、

ライ

やっぱり、、、悪ぃ、少し触るぞ

ミア

う、ん.....

ライ

(こういう時の対処法は分かってる、心臓を2回刺激すると治る)

ミア

っはぁ、、は、、

ライ

大丈夫か？

ミア

えぇ、問題ないわ

ミア

ありがとう

ライ

やっぱりお前だけ量多くしてやがったな...まさか今更なるとは

ミア

大丈夫。戻りましょう。

ヨナ

....！

ヨナ

ミア...!

ミア

ヨナ、寝てて良いって言ったじゃない

ヨナ

心配で寝てなんかいられないわ....!

ジェハ

大丈夫なのかい？

ミア

えぇ。もう平気よ

ハク

ｼﾞﾄｰ

ミア

....今度は本当よ

キジャ

やはり明日ミアはここにいた方が良いんじゃ...

ミア

嫌よ

ミア

あなた達だけで行かせる訳ないでしょ

ミア

危ないわ

ジェハ

君が1番危なっかしいけどねぇ

ミア

.....

ヨナ

出発しましょ

シンア

.....

ハク

どうしたシンア

ハク

おい

ユン

どうしたの？

ハク

...先にいけ追いかける

ユン

分かった

ゼノ

ゼノも見てくるー！

ミア

私も行くわ

シンア

....船が来る...

シンア

海の...向こうから....

シンア

沢山....

シンア

たくさんの船が....

シンア

こっちに向かってる

リリ

来た...!

ヨナ

リリ！？どうしたのこんなところで

リリ

決まってるでしょ！ヒヨウをぶん殴りに来たのよ！

ヨナ

ええっ、アユラとテトラは？

リリ

大丈夫よ、用心棒を雇ったから

リリ

ほらあそこに...

ヨナ

えっ用心....

ヨナ

棒....

ヨナ

リリ...この人達は...?

リリ

私の用心棒のウォン、ジュド、ムアとギョク

リリ

ウォン、こっちが私の...とっ、友...知り合いのヨナと愉快な旅芸人よ

リリ

ウォンは商売をしにこの地に来たんだけど、私が暴漢に襲われそうになってた所を助けてくれたの

ジェハ

あれ、君...

ジェハ

昨夜会ったよね？

ユン

知り合い？

ジェハ

昨夜宿でちょっとね、なんだリリちゃんの用心棒だったんだ

リリ

ね、目立つ連中でしょ

リリ

ウォン？

スウォン

えっ

スウォン

あっ、そうですね、はい...

リリ

ねぇあんた達はヒヨウの居場所わかった？

ユン

それがまだ洞って店に手がかりがないかきたんだけど....

リリ

そうなの...

ジェハ

...?

ゼノ

娘さーーん！

ユン

ゼノ！あれっ、雷獣とシンアとミアは？

スウォン

ﾋﾟｸｯ

ゼノ

多分大変

キジャ

多分とはなんだ？

ゼノ

海に...

ユン

海がどうしたの？

ゼノ

あ。そだそだ

ゼノ

海の向こうからたくさん船がこっちに来てるって

ジェハ

なんだって！？

ユン

どこの船！？

ゼノ

そこまではわからん

ゼノ

兄ちゃん達はヒヨウが出てくるかもしれないから見張りー

キジャ

ヒヨウの取引相手か？

ジェハ

でもたくさんの船なんて尋常じゃないね

ヨナ

リリ！

ヨナ

この近くに海が見える高台はある？

リリ

えぇ、

ヨナ

案内して

ヨナ

！

キジャ

遠くてよく見えんがあれは....

ジェハ

間違いなく南戒からの船だね

ユン

取り引きの商船にしては数が多いよね

ゼノ

団体で観光かなー？

キジャ

戦でも起こす気か？

スウォン

困りますね将軍や王に予告もなしにあんな団体さんを一気に連れてくるなんて

スウォン

こっちはヒヨウさんで忙しいのに

スウォン

帰ってもらいましょうか

ジェハ

...そだね、帰ってもらおう

スウォン

ヒヨウさんはそのうち出て来るでしょう

リリ

えっちょっと

キジャ

近隣住民も迷惑であろう

リリ

待ってどうやって？あんなにたくさんの船を

スウォン

そうですねぇ

ヨナ

リリ

ヨナ

大丈夫よ、私達が何とかするわ

ヨナ

リリは安全なところで待っていて

リリ

いっ、嫌よ！

リリ

わっ、私だって、闘うためにここに来たんだから！

リリ

私は...！なんの力もないかもしれないけど...っ

リリ

水の部族の地は私の大切な場所よ....！

リリ

一緒に闘わせてよ...!

ヨナ

リリ...

スウォン

我々の中で1番水の部族を救う力を持っているのはリリ様ですよ

リリ

えっ

スウォン

微力ながら私もお手伝いします

ヨナ

リリから離れて

ヨナ

貴方は何を考えているの？

リリ

ヨナ....?

スウォン

私の考えていることなんて、今回においてはここにいる皆さんとそう変わらないと思いますが...？

スウォン

リリ様、この町に大富豪の知り合いはいますか？

リリ

大富豪...?

スウォン

その方達に船を何隻か貸してもらうんです。出来ますか？

リリ

...やってみる

スウォン

あとはこの町の漁師さん達にも話をつけたいですね

ジェハ

まさかあの団体さんに船を出して真っ向勝負する気かい？

スウォン

いいえ、でも海に出なければお引き取り下さいって言うことも出来ませんし

ジェハ

お引き取りください、ねぇ...

ジェハ

分かった、じゃあそれは僕らが交渉してくるよ

スウォン

あ

スウォン

ではもうひとつお願いしたいことが....

ユン

ヨナ行こう

ヨナ

ユン、私リリと一緒にいる

ヨナ

ユン達は漁師達に交渉へ行って

キジャ

では私は姫様にお供します

ヨナ

キジャの力は向こうで必要になるわ、キジャも行って

キジャ

いけません！それは...

リリ

身の安全なら私の用心棒達はかなりの腕よ、ヨナも必ず守らせるわ

ゼノ

娘さんにはゼノがついてるから！

キジャ

そなたが....?

ゼノ

おー！娘さんはゼノが命かけて守るし

キジャ

しかし...!

ゼノ

ゼノが命懸けっつったら、娘さんに危ないことは絶対にないから

ゼノ

黄龍の名にかけて

キジャ

...そなたを信じるぞ...!

リリ

じゃあ私達も行くわよ

スウォン

ここが大富豪さんのお宅ですか...?

リリ

大富豪じゃないわ

スウォン

えっ、違うならどうして...ちょっ、リリ様

リリ

元々仙水の商人達を尋ねるつもりだったから調べて来たの

リリ

今日は...

リリ

仙水の商業組会の定例会議が行われる日よ！

「なんだね騒々しい」

「ここは子供の遊び場じゃないよ」

リリ

会議中失礼

リリ

急いでるから単刀直入に言うわ。今仙水の沖に南戒の船と思われる大船団が迫っているの

リリ

私たちはそれを食い止めるために船を集めている

リリ

貴方たちの所有する商船でいいわ、あるだけ貸しなさい

「突然なんだこの連中は、馬鹿なのか？」

「一体どこの娘だ？」

リリ

あんた昔、水呼で商売をしていたコウアンじゃない？

「何...!」

リリ

私よ！私が誰の娘か分かるでしょう？

「はっ、貴方はもしや...」

「なんて、知るわけがない笑笑」

「コウアンさん酷いな笑」

「しかし知らんものは知らん」

「たっ、大変だ！」

「今遠くの沖に南戒の船団が...!」

「そんな、」「本当だったのか？」

リリ

...言ったでしょう

リリ

今船が必要なのよ。貸して頂戴

「どうして訳の分からん娘に貸さねばならんのだ」

リリ

貸してくれたら私達があの船団を追い返すわ

「はぁ、、もう笑う気力もない、馬鹿馬鹿しい、出ていけ」

ざわざわ

リリ

ちょっと、話を聞いて...

「どうすればいいのだ、いっそ仙水を見限ってよそに....」

リリ

っ、

ダンッ

リリ

聞け!!!

リリ

いい！？時間が無いの！あんた達はヒヨウに長年ここでの商売や生活を抑制されてきたんでしょう！？

リリ

今度は南戒が仙水を占領しに来たのよ！？私はヒヨウをぶん殴りたいからここに来た！水の部族が大切だから！

リリ

あんた達はいいの！？全てを奪われたままで本当にいいの！？

「しかし我々は自警団を組織したがヒヨウにことごとく潰された...船を出して報復に会えば次は殺される...」

リリ

...分かった

リリ

あんた達に被害が及ばないようにするわ

リリ

これから私が仙水の外れにある駐屯兵団を連れてくるから、その時は船を出しなさい

「この娘...またおかしなことを、あそこの兵団は今まで何もしちゃくれなかった...水の部族長だってこの町には手を出せずじまいだ」

リリ

私が軍を連れてきたら、船を出すの？出さないの？

ジェハ

ハク

ハク

おお、戻ったか

ジェハ

やぁ、盛り上がってきたじゃないか。また暴れ時かな？

ハク

...姫さんは？

ユン

途中でリリに会ってね、船を集めてくるってことで別行動

ハク

ちょっと待て、タレ目も白蛇もこっちに来たのか

ジェハ

リリちゃんには腕の立つ用心棒がついていたみたいだし、僕らはあの船隊を相手にしなきゃ行けないからね

ハク

用心棒？？信用できるか。俺が行って....

キジャ

信用出来る。

キジャ

ゼノが黄龍の名にかけて守ると言った。だから大丈夫だ

ミア

.....

ミア

手っ取り早く船を沈めるわよ。

ハク

待て待て、狙われてるお前も前線に出たら奴らの思い通りだろ？

ミア

だからなんだ

ハク

俺らに任せときゃいいんだよ

ミア

...奴らの目的は私を殺すことだろう？

ミア

なら、私は前線に出ることで奴らの思惑には乗らない

ハク

何言って、どういうことだよ

ミア

私は死なない。

ミア

捕まる前にあの船を全て沈めれば、悔しそうに嘆くのは向こうだろうな

ジェハ

コーラ悪い顔、

ジェハ

ま、全部とは言えないかなぁー、

キジャ

量が多すぎるな...

ミア

いいえ、沈めるわ

ミア

二度と私達を狙わぬように。釘を指しておかなければ行けないわね。

ハク

おーこえー

ハク

んじゃ、迎え撃ちますか

―――――――――――――――――

リリ

....私が、

リリ

彼らを守るために決断しなくては

「止まれ、なんだお前達は」

リリ

ここの隊長に会わせてほしいの

「はぁ？ラマル隊長に何の用だ！」

リリ

急いでいるの。いいからここの隊長に...

スウォン

時間が無い、強行で行きましょう

スウォン

この御方は水の部族長アン・ジュンギ様がご息女、リリ様にあらせられます

「えっ、し、しかしそれは...」

スウォン

沖の船隊はご覧になられたのでしょう。火急の用につき速やかに隊長にお取次ぎを。

「えっ、兵を動かせと....戒帝国の船隊に...ですか？」

スウォン

はい

「しかし...前例のないことですから...リリ様のご命令と言えどすぐには...」

リリ

ｽｯ…

リリ

これが何だか分かる？

「こ...これは正しく...」

リリ

そう、これぞ水の部族長の象徴
水の金印

リリ

あんた達が動けない理由は、我が父アン・ジュンギへの忠誠によるものと受け取った

リリ

私はそれを評価する

リリ

だが、これは水の部族の存亡の機である

リリ

これより私の言葉は水の部族長の言葉と思え

「はっ！」

ヨナ

(ハクや四龍達がいるからには、負けないと思う、だけど....)

ヨナ

ミア、まだ体調が優れないのに、大丈夫かしら.....

リリ

え、あの子まだ治っていなかったの？

ヨナ

...えぇ、顔色が真っ青で...

スウォン

...ミア？

ヨナ

...貴方には関係ないわ

スウォン

(そうだ、あの子は死んだはずだし)

スウォン

その方もお仲間ですか？

リリ

えぇ、途中で知り合ったの。剣技も武道も出来てすごく強いのよ

リリ

ただ、手負いが1人いるだけで変わってくる...まさか前線に出たりしてないわよね...

ヨナ

ミアなら....どうだろうな....

リリ

まぁ、あっちには強い男がたくさんいるし、大丈夫じゃない？

ハク

駐屯兵団まで連れてきやがったな...とんでもねぇ娘だな

ユン

リリって何者なの...

ミア

...関係ない。これ以上誰かを傷つけさせない.....

ミア

こちらに向かってきた事を後悔するんだな。

ミア

ひとつ残らず沈めてやる。

ジェハ

まだ顔色治っていないよ？無理はダメだなあ

ミア

無理はしていない。無駄な心配はするな

ハク

まぁこいつは１回言い始めたら聞かないだろ、もしもん時は俺らで守るし

ミア

足でまといにはならない。死ぬつもりは毛頭ないがもしもの時は見捨てろ

キジャ

そなたまたそんなことを...

ライ

見捨てるわけねーよ

ミア

死ぬつもりは無い。あくまで目の前の闘いに集中しろという意味だ。

ジェハ

まぁそうだね

ジェハ

さ、行こうか

ミア

...あぁ

ミア

(全て沈めると言ったが、船を沈めるのはそう簡単な事じゃない)

ミア

(だから私は大刀を使って、片っ端から船の下部に大穴を開けてやる)

ジェハ

そんな大きい刀持ってて大丈夫？てかどっから持ってきたの

ミア

さっき買ってきた

キジャ

いつの間に...!

ミア

船を沈めるにあたって、まず私はこの大刀で船の下部を攻める

ミア

お前達は船の上を攻めるんだ。

ジェハ

また君の単独行動かい？

ジェハ

大刀ならハクも持ってる。船を壊すのは彼に任せたらどうだい？

ミア

いいえ、彼には他に仕事があるもの

ハク

仕事？

ミア

貴方には敵の目を惹き付けてもらう

ミア

簡単に言えば囮ね

ハク

えーひでー

ミア

貴方のガタイにその大刀、さらに圧倒的な強さ。

ミア

それを船の上でアピールするのよ。強ければ強いほど人員が捌かれるから、そのうちにこの中で最も体の小さい私が外回りで船を壊していく。

ジェハ

なるほど、よく出来た作戦だ

ジェハ

そうすれば君に向かっていく兵も少なく、最短で船を沈められるというわけか

キジャ

よし、ではそれで行こう。

シンア

危なかったら、俺が見ておく...

ユン

みんなほんとに気をつけてよー！！

ミア

(闘いが始まる...)

ミア

...犠牲者は出さない。

ミア

誰1人として。

ライ

ミア

ミア

ライ

ライ

今回の闘いではお前を守れるやつがいなくなる。

ライ

くれぐれも気をつけてくれよ

ミア

えぇ。

ミア

さぁ、

ミア

闘いの始まりよ

「ん？漁師の船？何かと思えばたったの3隻か」

「お前たち、どこから入ったんだ！」

ジェハ

僕ももっと美しく登場したかったよ...

ミア

(まずジェハとキジャで相手の船に乗り込み先制攻撃)

「カザック様あれを...！！」

「あ...あれは！漁師でも兵士でもないぞ！！」

ジェハ

海賊だよ

ユン

矢を放て！！

ミア

(次に船に乗ったユンが司令塔となり、駐屯兵団で弓矢での一斉攻撃を仕掛ける)

ミア

(この一連の流れが成功すると、追い討ちをかけるようにシンア、ハク、ライも船へ)

ミア

そして私は...

ミア

気配を消しつつ船底を攻撃！

ドカーン！！

ミア

まず一隻...

ジェハ

(本当によく出来た計画だよ)

ジェハ

何事もなく終わるといいが....

ミア

あと一隻...

ハク

順調だな、時期に終わりそうだ

キジャ

こんなに楽だとは思ってもみなかったな

ドーン！

ミア

これで終わり...

ミア

あとは全員で船に戻るだけね...

ミア

！！

ユン

みんなお疲れ様！すごいよホントに全部沈めちゃうなんて！

ライ

つまんなかったけどな〜

キジャ

うむ、我々はゴロツキの相手をしていただけだからな

ハク

ホントよくすぐにこんな計画たてられんな

ジェハ

僕らが楽できたのも、1人で船を回って壊してくれたミアちゃんのおかげさ

ユン

ところで...

ユン

ミアは？

ハク

たくどこいきやがった

シンア

...あそこ....

シンア

駐屯兵を1人抱えて....船にぶらさがってる...

ハク

何！？

キジャ

船はじきに沈むぞ！

ジェハ

けれど人1人抱えているだけで身動きが出来ないものか？あのミアちゃんが？

シンア

.....足が...

シンア

片足が...壊れた船の瓦礫の下敷きになってる

ジェハ

今すぐ助けに...!

シンア

！危ない.....!

キジャ

どうしたのだ！！

シンア

海に.....落ちた.....

ハク

はぁ！？

ユン

まさかまた溺れてるんじゃ...！

ジェハ

っ！この濁流じゃ泳ぐのは困難だ！

ジェハ

くそ、！

ハク

待て！飛び込んだらお前も危ねぇぞ！

キジャ

ではどうするのだ！！

ハク

...まだ船は沈みきってねぇな

ハク

1番近い船に乗り込む、んで、ロープを降ろす。

ジェハ

でも...！

ハク

あいつなら！簡単にゃ死なねぇ！

ジェハ

！

ハク

それでも無理だったら...飛び込むのは俺だ

ジェハ

何を言って！

ハク

俺は泳ぎが得意な方なんだよ

ハク

まず船に行かねぇと...

ミア

馬鹿ね、もうじき沈むわよ

ジェハ

！！

ハク

な！

キジャ

！！！

ユン

ミア、！

ライ

前に1度言っただろ

ライ

ミアは泳ぎは得意な方だ

ミア

けほ、この者を直ぐに治療して。

ユン

分かった

キジャ

そなた...どうしてすぐに船から上がらなかったのだ？危なかったであろう！

ジェハ

ホントだよ...心配したんだよ

ミア

誰1人死なせないと言ったでしょう？

ミア

それに、泳ぎに自信があったから、

がばっ

ジェハ

だからって！

ジェハ

あまり、無茶し過ぎないでおくれ...

ミア

...！

ミア

ご...めん

ジェハ

あぁ、悪いね飛びついたりして...

ミア

問題ないわ

ミア

ヨナ達の様子が気になる。早く行...

ズキッ

ミア

いっ、

ハク

おい、足痛めてんだろ、無理すんな

ミア

...

ミア

ヨナに会いたいわ。私を背負って連れてって。

ハク

...！

ミア

...何よ、その顔

ハク

いや、ははっ、、ようやくお前から頼ったな笑

ミア

勘違いしないで、ヨナを守るために仕方なくよ

キジャ

うむ、我々の役目は終わったことだし、姫様の元へ急ごう！

スウォン

凄い...

スウォン

本当にあれだけの兵力で船隊を沈めてしまうとは

スウォン

あそこにはやはり雷獣が...

スウォン

さて

スウォン

ヒヨウさんは海を眺めている頃ですね...

ゼノ

....さん

ゼノ

娘さん

ゼノ

ゼノに乗って

ゼノ

娘さん背中の傷まだ痛むでしょ、ゼノがおんぶしてあげる

ヨナ

えぇっ

ゼノ

こう見えてゼノ頑丈だから

リリ

ヨナ、あの時の傷がまだ...

ヨナ

大丈夫

スウォン

...何か？

リリ

あのね

ヨナ

リリいいの

リリ

ヨナはヒヨウに斬られた背中の傷がまだ癒えてないの、ねぇウォン。あんた腕は結構たつでしょう？

リリ

私は元気だからヨナの護衛をしてくれない？

スウォン

え....

ヨナ

リリ!!

ヨナ

本当に、大丈夫だから

リリ

駄目よ、あんたはすぐそうやって無茶するんだから

ゼノ

...!

ゼノ

伏せろ！矢が来るぞ!!

リリ

何！？

スウォン

敵襲です！隠れて！

リリ

兵を動かしたことがバレたのかしら！？

スウォン

いや、彼らが狙ってるのは....

ヨナ

私...？

ヨナ

そうか、フードを被っていて背格好も似ているから...

ゼノ

お嬢さんと間違えてるのか...

リリ

後ろからも...!

ヨナ

っ、！

スウォン

やめなさい。頭をぶち抜かれますよ

ヨナ

放して

スウォン

それにこの矢、やはり毒矢です。矢尻に触れない方がいい

スウォン

下がっていなさい

ヨナ

っ...

ゼノ

娘さん、兄ちゃんの言う通りだ。下手に動いちゃダメ

ゼノ

....なでなで

ヨナ

なあにゼノ

ゼノ

あの兄ちゃんといると娘さんはちょっと冷静じゃないから

ゼノ

兄ちゃんがさっき娘さんを止めたのは、背中の傷を気にしたんだよ

ヨナ

....ありえないわ

ゼノ

んーと...ゼノが言いたいのはね

ゼノ

今娘さんの敵は、1人ってこと

ゼノ

娘さんは賢い

ゼノ

娘さんが動くべきとちゃんと判断したなら、ゼノも手伝うよ

ジュド

！

ヨナ

....

ジュド

...あまり動かないで頂きたい

ヨナ

...私は私の判断で行く

ヨナ

狙われているのは私...貴方こそ私に近寄らない方が良い

ヨナ

.....ﾌﾗ

ゼノ

！

ゼノ

娘さん！

ヨナ

ゼ....

グサッ

ハク

.......

ヒヨウ

な...動かない....ど...どきなさいよ！私は...

ヒヨウ

私はその女に用があるんだから！！

ミア

人違いじゃなくって？

ヒヨウ

な！？

ヒヨウ

なんであんたがそっちに....！

ヒヨウ

殺す、殺す....！

ヒヨウ

死ねぇぇえ！！

ヨナ

ミア！危ない...！

スウォン

君！逃げなさい！

ハク

.....

バキィッ！

ミア

...手加減しろと言ったのに

ミア

刀を手で受け止めるなんて...極端ね

ハク

........

ヨナ

ハク、血が...

ヨナ

！

ハク

ス....ウォン......

「ま、まて、止まれ！...っ止まれと言っている...!!」

ドゴッ

ミア

!?

ヨナ

...!?

ハク

......

ミア

ちょっとハク、いきなりどうし....

ミア

！

ミア

(スウォン....？どうしてここに)

ミア

(落ち着け。私のことを覚えている人間なんていない、会っても問題ない)

ジュド

っ...!

ユン

ハク!!

ハク

....

ミア

！

ミア

やめなさい！

ドッ

ジュド

っがァっ、

ミア

ジュド...!

ヨナ

ハク...どうしたの！？

ハク

.......

スウォン

...!

ジェハ

ガシッ

ハク

...どけ

ジェハ

...彼らと知り合いかい？何か理由があるのかもしれないね

ジェハ

彼らはリリちゃんの用心棒だ。今回の闘いにも味方になってくれたんだよ

ハク

味方...？味方だと.....？

ミア

ジェハ...

ジェハ

(なんて殺気だ...)

ジェハ

とにかく手を下ろすんだ

ジェハ

君も血を流しすぎてる。早く処置しないと

ハク

放せ

ジェハ

ハクが落ち着いたら放すよ

ハク

放せェ!!!

ジェハ

！

ドゴッ！

ミア

！？

ミア

っ...!

ユン

駄目だよミア！今近づいたら危ない！ミアは体調がまだ直り切ってない、あっちは雷獣だよ！？

ミア

ユン....

ジェハ

...げほっ、げほ、なんて顔してんだ...

ジェハ

まいったな...

ジェハ

放っておけない

バキッ

ミア

っ！

ジェハ

気絶してはくれないか...

ジェハ

そこの人達まだ生きてる？彼は僕が力ずくで抑えるからその間に行くんだ

ジェハ

キジャ君！手を貸して！

キジャ

しかしこれは...!

ジェハ

このままではハクが危ない！

ジュド

陛下...!

ハク

はなせ！！

ミア

っ！

ユン

ミア！

ミア

いい加減にしなさい

スウォン

！？

スウォン

君は....

ハク

はぁっ、

ハク

どけ...

ジェハ

ミアちゃん、今は危ないよ！

ハク

はなせぇ！！

ミア

感情任せな私欲で仲間を傷つけるな。今お前が殴っているのは誰だ？

ハク

はぁっ、はぁ、うるせぇ！はなせ！

ハク

はなせぇぇぇ！

ハク

あいつは、

ハク

あいつだけは！！！！

トン

ミア

己の怪我の状態も分かっておらず、ましてや仲間にまで手を出すような愚か者は、復讐に心を燃やす資格などない！

ミア

お前が今守るべき物はなんだ！

ジェハ

！

ハク

！！

ジェハ

(動きが止まった...)

ミア

お前達も、何をほうけている。

ミア

死にたくなければ今すぐここを立ち去れ。これは命令だ。

ジュド

！...貴様この方に対してなんという口の聞き方を...!

スウォン

良いのです

スウォン

行きましょう

スウォン

........

ヨナ

ハク

ヨナ

大丈夫

ヨナ

私は、大丈夫だから

ハク

っ.........

ミア

ヨナ、平気？

ヨナ

えぇ、私は平気よ

ミア

無理をしないで

ミア

...憎むのは悪いことじゃない

ヨナ

......

ヨナ

ハクは、大丈夫かしら

ミア

疲れて寝たわ。アイツのことだからすぐに元気になるわよ

ミア

(まさかあそこまで恨んでいるとは思わなかったが)

ミア

ヨナ、苦しい時は吐き出しなさい

ミア

感情と言うものは厄介なものよ

ヨナ

.....スウォンは、私の幼なじみで...

ヨナ

昔よく遊んでくれた、優しいお兄ちゃんみたいな人だったの

ミア

(よく、知ってる)

ヨナ

ハクも、スウォンとよく遊んでいたし、多分、スウォンのこと友達だと思って大切にしてたのよ

ミア

(それも、知ってる)

ヨナ

けれど父上がスウォンに討たれ、色々変わってしまった

ヨナ

スウォンのこと、きっと私は許せない

ヨナ

けど、本当に大切な人だったの.....ﾎﾟﾛ

ミア

.......ぎゅうっ

ヨナ

っ、ミア、ごめんね、

ミア

謝らないで。ヨナ、大丈夫だから....

南戒の船を沈めてから数日後

ヨナ

リリ！

ヨナ

来てくれたの

リリ

もう、ヒヨウはいないんだしわざわざこんな町外れで寝泊まりしなくても

ヨナ

町には兵士がいるし、騒がれると困るから

リリ

仕方ないわね、はい食料

ヨナ

ありがとうリリ

ヨナ

それでねリリ私達...

リリ

あ！

リリ

ごめん私町でやることが山積みなの

ヨナ

え

リリ

そのうちまた顔出すから！

ヨナ

う...うん...

ヨナ

言いそびれちゃった、明後日ここを発つって

ユン

でもリリって水の部族の娘なんでしょ？あんまり関わらない方がいいんじゃないかな

ユン

ただでさえ今回のことであの...

ユン

...リリの用心棒だった人達の正体も知ったと思うし

ユン

まぁ、俺らも初めて会ったんだけど

ヨナ

黙っていて、ごめんね

ヨナ

でもリリは大丈夫。一緒に闘ってきたもの、わかるの

ユン

そっか、分かった。じゃあ食事にしようか

ヨナ

うん

ヨナ

...ねぇユン、ハクやミアの様子はどう...?

ユン

ハクは腕の傷が少し深いけど...任せて。完治させてみせるから

キジャ

ハク、食事だ

ハク

...あぁ

ハク

.......何？

キジャ

腕が不自由であろう、食べさせてやろうか

ハク

いらねーよ、つかここまで持って来なくていいって

キジャ

うむ、次はそうしよう

キジャ

...ん？

キジャ

あぁ....

キジャ

これは蚊に刺された。痒くてかなわん

ジェハ

キジャ君、ほら君の分

キジャ

...ハクに、次はもう止めないと、言おうと思ったのだ

キジャ

結局何も言えなかったが...

キジャ

あの男が先王イルを殺したスウォンだったとは

ジェハ

ハクの様子が尋常じゃなかったから何かあるとは思ってたけど...

ジェハ

僕は余計に引っかき回してしまったかな

キジャ

...そなたが守ろうとしたものも、分かっている

ミア

私は止めるぞ

キジャ

...！

キジャ

そなた、もう体調は良いのか？

ミア

えぇ

ジェハ

それにしても止めるってのは...彼らの境遇を考えたら殺したい程憎むのは仕方ないと思うけど

ミア

...確かに。憎むのは仕方の無いことなのかもしれないな。

ジェハ

...?

ミア

だが、殺すことが全てでは無い。

ミア

私は次も、その次も、ハクを必ず止める。

ジェハ

それは、君も危険になるよ

ミア

私がどうなったっていい。ハクにスウォンは殺らせない。

キジャ

...そなたにも考えがあるのだろう

キジャ

だが！そなたは自己犠牲が過ぎるぞ！今だって顔色があまり良くないぞ！大人しく寝ておけ！

ミア

.....キジャはいつも忙しいな

キジャ

何を言っておるのだ！

ミア

いや、いい、、。私は町の様子を見てくるから、ヨナ達によろしく。

キジャ

あ！

キジャ

こらー！待つのだー！

ミア

...

ハク

よぉ

ミア

...お前は絶対安静だったはずだが...

ハク

ユン君には内緒な

ミア

はぁ....

ハク

悪いな迷惑かけて

ハク

お前に言われた言葉、ずっと頭ん中残ってんだ

ミア

.....

ハク

けど、やっぱり俺はあいつを許せねぇ。

ミア

...私は許せとは言っていない。

ミア

そして私は今とてつもなく怒っている。

ハク

悪いって、あいつらに怪我負わせて

ミア

それもそうだが、私が言っているのはそこじゃない。

ハク

...？

ハク

じゃあどこに怒って....

ミア

....

ミア

現王スウォンが行った事はお前達にとっては許し難いこと。憎むのは問題じゃない

ミア

それに、やり方は悪しきものでも、国民からしたらそれは善。実際にち......イル王の政治で何人死んでいたのか計り知れない。

ハク

.......

ミア

イル王は弱い人では無い。きっと、優しすぎただけ......

ハク

...!

ミア

王としての素質は、スウォンの方が上なのだろうな

ミア

強い指導者が必要だった。この国の現状に目を向けなければならなかった。

ハク

......

ミア

話がズレたな、

ミア

私が怒っているのは、お前がヨナを守らなかったからだ。

ミア

感情に任せて、守ることを忘れていたからだ。

ハク

...!

ミア

ヨナの心に寄り添ってやれるのは...事情を全て知っていて、当時その場所にヨナと一緒にいた。お前だけだろう。

ハク

！

ハク

.....ごめん

ミア

それと、貴方が自分の怪我を省みず動いた事にも怒っている。

ハク

悪ぃ....けど、それはあんたもだかんな

ミア

.....私は、ここにいて良い存在では無いから.......(ﾎﾞｿｯ

ハク

ん、なんか言ったか？

ミア

何も

ミア

そろそろ戻ろう、ユンが心配するぞ

ハク

はいはい

ユン

あ！

ハク

あ。

ユン

絶対安静って言ったでしょうが！！

ハク

スイマセン

ユン

ミアも！ずっと顔色が良くないし、溺れかけたんでしょ！？君たちはじっとしてることが出来ないのかなぁ！

ジェハ

ユンくんがお怒りだ

ミア

ごめん

ミア

次の行き先は？

ヨナ

地の部族領よ

ミア

...地の部族領か

ヨナ

どうかした？

ミア

いや、久しぶりだと...

キジャ

行ったことがあるのか？

ミア

あ、

ミア

えぇ、少しね

ハク

ほーん

ハク

俺も大分良くなったし、そろそろ行かねぇか？

ユン

うーん、、確かに動いてもいいかもしれないけど...

ユン

重いものはなるべくもたないこと！ほとんど傷は塞がってるけど万が一開いたら困るからね

ハク

了解〜

ユン

とか言ってもう大刀持ってるし‪💢

ミア

...ｽｯ

ハク

あ

ミア

これは預かるわ。闘いの際は渡すから今は言うことを聞いてくれるかしら

ジェハ

でもそれかなり重いんじゃ

ハク

そーだそーだー

ミア

何か、問題でも？

ハク

ナンデモナイデス

ミア

行くわよ、地の部族領へ。