終わらない夏の始まり

いつものように配信をする

パッとコメ欄を覗いて見るとそんなコメントがあった

俺がそんなことを言うとコメ欄が驚きや笑いで埋め尽くされた

今は6月の後半

もうそろそろ夏だ

それが俺が何ヶ月ぶりかに外に出るきっかけとなった出来事

あれから数日後

イムくんと連絡を取り合って今日一緒に出掛けることになった

俺は今日のコーディネートを決めるため天気予報を見た

今日の予報です

今日は曇りなく晴れるでしょう

ですが日差しが強く半袖でも焼けるような暑さになるでしょう

熱中症の警戒も高い予報のため水分補給をこまめに取ると良いでしょう

ｶﾞｻｺﾞｿｶﾞｻｺﾞｿ

俺は化粧品とかが入っている引き出しを漁った

今年の梅雨から昼間に外に一歩も出ていないせいか

買うのを忘れていた

俺はソファーにうつ伏せた

そう言って部屋の周りをキョロキョロ見ているとあるものに目が止まった

ちょうどドアの隣に薄めの長袖の上着が掛けてあった

俺は上着を羽織り急いで集合場所へ向かった

ミーンミンミンミンミン

ジリジリと服越しでも焼けそうなほど暑い

横断歩道についたときには暑さでもう疲れ切っていた

周りが歪んでるように見える

視界もだんだんぼやけてきて

あれ………

足に……力が

入らな……い…？

意識もだんだん……

と……おく……

キィィィィィィ！！！

不幸に不幸が重なり

ドンッ！！！！

俺はトラックに

跳ねられた

気がつくと俺は

自分の家のベッドで寝ていた

あれは……夢…だったのだろうか

考えても無駄か…

ピッ

今日の予報です

今日は曇りなく晴れるでしょう

ですが日差しが強く半袖でも焼けるような暑さになるでしょう

俺は上着を羽織り集合場所に向かった

俺は暑さに耐えられず電車で行くことにした

めちゃめちゃ涼しい…！

これは電車で行ってよかった…

歩いて行ってたらもう終わってた………

ｶﾞﾀﾝｺﾞﾄﾝ

ｶﾞﾀﾝ

ｶﾞﾀﾝ！！！

その時電車が横に倒れたように感じた

それと同時に自分が前に倒れていくのがわかった

そんなことを言っていると俺は頭から下に落ちた

ドンッ！

俺は下に落ちた衝撃で頭を打ち

気を失った

……え？

気がつくと俺は

自分の家のベッドで寝ていた

ピッ

今日の予報です

今日は曇りなく晴れるでしょう

ですが日差しが強く半袖でも焼けるような暑さになるでしょう

ループ…してる…

俺はキッチンに包丁を取りに行き

それを首に当てた

ザシュ

俺はその場に倒れた

ザシュ

ザシュ

何回も

何回も

永遠と

死んでは戻って死んでは戻っての繰り返し

ザシュ

3198回目のループ

何やってもダメだった

永遠と終わらない

夏の無限ループ

終わらない 夏の始まり