コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
⚠️ストーカー系や溺愛など地雷の方は 見ないことをおすすめします⚠️
推しは俺のストーカー。♡ 第2話
『―――俺の“大事な人“が、今日、ここに来てくれてる』
………大事な人?
客席は当然どよめいて、共演者に 冷やかされて笑っていたらしい。
けれど。
柚姫
心臓が酷く早鐘を打つ。
信じられない。推しが、俺のことを “大事な人“なんて………。
画面を見つめたまま固まる俺の背後で すれ違ったファン同士が話していた。
ㅤㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤㅤ
俺は思わず俯いた。
だって真実は違うと、もう気づいてしまっているから。
――――颯真は、本気で俺だけを狙ってる。
あの日から、俺はずっと落ち着かなかった。
推しがステージの上で言った“大事な人“ という言葉
どう考えても俺を見ながら言ったとしか 思えないのに
―――世間では、ただの“神ファンサ“だと 受け止められている。
柚姫
そう言い聞かせようとした矢先、颯真の公式SNSが 更新された。
添えられた写真はライブ直後のオフショット。
汗で額に貼りついた前髪を無造作にかき上げながら 少し笑っている。
―――けれど俺の目は、写真じゃなくて その横にある短い文章に 釘付けになっていた。
『今日、やっと会えた。ずっと探してた。』
………偶然?
いや、そんなわけがない。
胸が熱くなるのを誤魔化すように スマホを伏せた。
でも数分後、意を決してもう一度見返すと、その投稿は もう削除されていた。
柚姫
心臓が暴れる。
誰にも言えない、秘密を共有してしまったみたいな 感覚に、呼吸が乱れる。
それからも、颯真の“匂わせ“は続いた
深夜に突然、「逃げるなよ」という一言だけの ストーリー投稿。
俺の推しのグッズと同じ限定デザインの ペンライトを手にした自撮り。
そして、MCで唐突に「運命って信じる?」と 問いかける姿。
どれもファンには気まぐれに見えるのに
俺にだけは意味がわかってしまう。
柚姫
会場のどこにいても絡みつく視線。
SNSの中に潜む、俺だけへの言葉。
―――颯真は、まだ直接触れてこない。
けれどその独占欲は、日に日に強く、 逃げ場を奪うように迫ってきていた。