剣持刀也
白い息が視界を覆う。
僕があんなことしなければ 今頃暖かい部屋で 2人くっついて
映画を見たり、 ゲームをしたり、 できていたはずなのに。
しばらくすると クラクションが鳴り、 甲斐田くんの愛車が見えた。
サクサクと 誰も通った跡のない まっさらな雪を踏みしめ、
車へと向かう。
甲斐田晴
甲斐田晴
甲斐田くんが ハンカチを 差し出してくれるまで
僕は僕の顔が 涙と鼻水でぐちゃぐちゃに なっていることに 気付かなかった。
静かにシートベルトを締める。
“あの時”は 後ろにガッくんが居たけど
今はこの狭い空間に
甲斐田くんと2人きり。
なんだか悪いことを している気分だ。
剣持刀也
甲斐田晴
この真面目な研究者は 真剣に運転をしているので
目線が合うことはないが、
ちゃんと 僕の話を 聞いてくれているとわかる。
剣持刀也
甲斐田晴
剣持刀也
キキキィーーッと 急ブレーキがかかり、
僕の体は 前にふっ飛ばされそうになる。
シートベルトって大事だなぁ とか思っていると
甲斐田晴
情けない声。
剣持刀也
もうどうでも良くなった。
こうなったらこの不甲斐ない自分を
めちゃめちゃに 虐めてやらないと 気がすまない。
甲斐田晴
甲斐田晴
と、
甲斐田くんは言うけれど。
誰でもいい
僕をめちゃくちゃに 汚してくれさえすれば。
嫌われたいんだ。もう。
剣持刀也
甲斐田晴
剣持刀也
剣持刀也
甲斐田晴
剣持刀也
剣持刀也
甲斐田晴
剣持刀也
甲斐田晴
剣持刀也
甲斐田晴
甲斐田晴
甲斐田晴
剣持刀也
甲斐田晴
そこは、
僕らの家だった。
もくもくの
もくもくの
もくもくの
もくもくの
もくもくの
もくもくの
甲斐田晴
もくもくの
甲斐田晴
もくもくの
甲斐田晴
もくもくの
コメント
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三( ゚ω。) うっほっほ