クドラク
私はお前に用があると言った。それは…
りゅう
な、なに…??
クドラク
私はお前を私の嫁にするために誘拐をした。
りゅう
………。
りゅう
(え?急にどうしたの?嫁って結婚?男だぞ俺。用ってその事だったの?)
クドラク
実は言うと、私は今ブラディ界の王で、代々王は2000歳になった年に結婚をしなくてはならない決まりがある。
りゅう
なんだよそれ😓てか、首痛っ…。
クドラク
話は後でしよう。今は治療がさきだ。噛まれた傷口から菌が入ってしまう。
スバル
今すぐ治療室へ連れていきます。
りゅう
………。
りゅう
俺、歩けますよ。重いと思いますし。
スバル
大丈夫ですよ。ケガ人は遠慮しないでくださいね。
ガルダ
そうだぞ。
りゅう
あ、あんたは。
ガルダ
フェニックスのガルダでーす。
りゅう
……。
ガルダ
怖がるなよ。俺はお前を殺したりしない。
りゅう
信じ……られない……。
ガルダ
じゃあ殺すか?
スバル
ガルダ様。やめなさい。
ガルダ
はーい。
りゅう
(なんだ。意外と素直なんだ…。)
ガルダ
おい。意外と素直とか思っただろ??意外って何だよ!いつだって素直だわ!
りゅう
えぇ……あの、ごめん…
りゅう
(え、なんでわかったの??)
ガルダ
なんでわかったか知りたい??
りゅう
えぇ!!なんで…俺の思ってる事が分かるの……??
ガルダ
それは、テレパシーなんだよね。
りゅう
テレパシー…??
ガルダ
他人の思ってる事を聞くことが出来る。しかも、言葉にしなくても言葉や気持ちを伝えることも出来る。
りゅう
な、なにそれ……。
りゅう
……。
りゅう
ずる。
ガルダ
なんだよずるってよ!
りゅう
そんなのずるい!!気持ち読み取らないでよ!!
りゅう
そんなの、プライバシーの侵害だろ……。
ガルダ
は?プライバシー?人間は分からない言葉を使うな。
ガルダ
お前。気に入ったぞ。
りゅう
は?
スバル
着きましたよ。
スバル
どうぞ、ベットでいいので座ってください。
りゅう
は、はい。
ガルダ
治療室って相変わらず変な匂いするよな。
りゅう
な、なんであんたまで来たの…😓
ガルダ
いいじゃねーか。仲良くしようぜ??
スバル
傷口は痛みますか?
りゅう
大丈夫です。
ガルダ
ただ甘噛みでよかったな。
りゅう
うん…。
スバル
もう絶対に外に出てはいけませんよ。
りゅう
す、すいません…。
ガルダ
おい、あんた何歳なんだ?
りゅう
俺は18歳だけど。
りゅう
(ガルダさんはクドラクとかスバルさんより身長低いし子供か??)
ガルダ
あ、俺の事子供とか思っただろ??
ガルダ
失礼なやつだな〜。俺は1021歳だ。身長だってお前より高いはずだ。175cmもあるんだぞ。
りゅう
せ、千…。
りゅう
175cmもあるのか……。負けた…。
スバル
この館の者達は人間よりはるかに生きてるんですよ。
りゅう
スバルさんは…?
スバル
私は153歳です。
りゅう
お、お若い……。
ガルダ
ほんと失礼だな!!
スバル
はい。治療出来ましたよ。
りゅう
あ、ありがとう…。
スバル
いいんですよ。痛むようならまた来てくださいね。
ガルダ
おれ食堂いこ。じゃーな。
りゅう
スバルさん、この部屋すごい薬ばっかりですね。
スバル
りゅう様は医者を目指してるんでしたっけ??
りゅう
はい。見たことない薬ばっかりだ…。
スバル
本当は医者なんてこの世界にいても意味ないんですが、このように人間の治療が出来て良かったです。
りゅう
医者がいても意味ない??なんで??
スバル
回復魔法があるからですよ。
りゅう
魔法……。みんなが使えるんですか??
スバル
いや、特定の人ですよ。私は使えませんがね。
りゅう
そうなんですね。
スバル
クドラク様は先程語っていたように、この国の王です。色々な魔法が使えるでしょう。
りゅう
魔法か…。魔法で人殺しとかも…。
りゅう
(そういえば、この世界は夜が明けない。そして、スバルさんは狼男。)
りゅう
スバルさん。
スバル
なんでしょう??
りゅう
月とか観察するんですか??
スバル
私は月は見ることを禁じられていますので。
りゅう
(やっぱりだ。)
りゅう
なんでですか?
スバル
ご存知ないんですか??世界的な神話で狼男の話ですよ。
りゅう
なんですかそれ??
りゅう
(知ってる。)
スバル
狼男が満月の日に月を見ると姿は狼になり、自我を忘れて愛する人をも殺してしまうっていう話ですよ。
スバル
私も1度、満月を見てしまい、大惨事を起こしてしまいました。
りゅう
被害者は…
スバル
奇跡的にいませんでした。神が私の味方をしてくれたのでしょう。
りゅう
よ、良かったですね…。
スバル
私は一匹狼でした。そこにクドラク様が現れて私をこの館に迎えてくれたんですよ。
スバル
月を見なくて済むと。
りゅう
なるほど。
りゅう
そろそろ、俺は部屋に戻りますね。
スバル
はい。何かあったらすぐに来てくださいね。
スバル
うぅぁっ
りゅう
スバルさん?!
後ろを振り返ると、顔を赤くして床にうつ伏せるスバルがいた。
りゅう
だ、大丈夫?!
スバル
りゅう様……。
スバル
早く…出て行ってください……
りゅう
で、でも…。
スバル
早く!
りゅう
あぁ、どうしよう…
りゅう
誰か!!居ないか?!
りゅう
もう…、仕方ない。
スバル
部屋に入ってきては行けません!!
りゅう
やだ!
スバル
あなたを殺してしまうかもしれない!!
りゅう
(そんなの知らないよぉ…。)
スバル
早く…出て行ってください……。
りゅう
だ……だめ…。
スバル
なんだって…??
りゅう
いつも、いつも助けられてばかりだから…。
りゅう
俺が助けないと…。
りゅう
クドラクもガルダさんも居なかった。俺が……俺が助けないと…。死んじゃう……。
スバル
違う……。これは病気などでは……ございません……。
りゅう
な、なにかの…病気じゃ…。
りゅうはスバルが何かの病気で倒れたと勘違いをしていた。
りゅう
狼……。これって……殺される……。
スバル
ヴァァ
りゅう
スバルさん……。
スバル
ガルルルルル
りゅう
あ、あぁ…。
スバル
グァァァ!
りゅう
痛っっっ。
りゅう
スバルさん……
スバル
ガルルルルル
スバル
グァァァ!
りゅう
あぁぁぁ!
りゅう
あ、危な……。
りゅう
(部屋の扉は空いてる…。一気に走ろう。)
りゅう
(神様……もう一度。スバルさんを助けて……。)
スバル
ガァルルル
りゅう
は、速い……
部屋から出れたにしろ、スバルは狼だから直ぐに追いつかれてしまう。
スバル
ガァァァ!
りゅう
いったぁぁぁぁ…
りゅう
ス、スバルさん……。
スバルはりゅうの脚に噛みつき、りゅうはその場で転んでしまった。
スバル
グァァァァ
りゅう
(今度こそ……死ぬ……)
スバル
グゥゥゥ…
さっきまで暴れていたスバルが今度は大人しくなった。
りゅう
な、なんだ……??
スバル
クゥゥゥン
りゅう
な、なんだよこれ……
りゅう
(た、勃ってんのか…)
スバル
クゥゥゥ
りゅう
(発情…してる……??)
スバル
ガゥゥゥ!
大人しくなったと思ったら、スバルは今度は爪でりゅうの背中をひっかいた。
りゅう
あぁぁぁ!
りゅう
い、痛ぁぁぁ…。
クドラク
すまない。
りゅう
ク…クドラク……
クドラク
意識を保て。
りゅう
む……り…
クドラク
スバル。もう安心しろ。魔法で欲を安定させてやる。
魔法が効いたのか、スバルの姿が人間の姿に戻っていった。
スバル
うぅぅ。
クドラク
大丈夫か?
スバル
わ…私は……。
クドラク
自我を失っていた。りゅうが怪我を。
スバル
?!
スバル
ち、治療室へ!!
りゅう
うぅ……。
スバル
………。
りゅう
(俺、寝てた…。)
スバル
………。
りゅう
スバルさん…寝てる…。
クドラク
お前が寝てる間、ずっとそばにいて看病してたからな。
りゅう
クドラク…。
クドラク
神はまたスバルを救ったようだな。
りゅう
よ、良かった……。
スバル
ん……。
クドラク
起きたか。
りゅう
スバルさん。
スバル
りゅう様。
スバル
私が自我を忘れた上に傷つけてしまって……。
りゅう
いいんですよ…。
スバル
………??
りゅう
また、クドラクが守ってくれたから。
スバル
クドラク様…。
クドラク
私が魔法でお前の欲を抑えた。
スバル
狼である以上、発情期になると自分をコントロール出来なくなってしまうんです…。
りゅう
俺は生きてたから、もう気にしなくていいですよ。
クドラク
本当に、良かったな。
スバル
は…はい。
りゅう
でも、今まではどうやって欲を抑えてたんですか??
スバル
自分を傷つけて自我を忘れないように保っていました。
そう言って、スバルは来ていた服を脱ぎ上裸になった。
りゅう
う…わ…。
クドラク
こんなに我慢を…。
りゅう
だから俺を部屋から追い出そうとしたのか…。
スバル
…。
りゅう
俺を……。俺を使えばいい…。
スバル
それは、いけません。
りゅう
スバルさんが苦しむ姿は見たくない。ね?クドラク。
クドラク
あぁ。
スバル
でも、クドラク様とりゅう様は婚約を…。
りゅう
(あぁ、そっか…その件もある…)
クドラク
私はスバルが心配だ。
クドラク
それと、狼の発情期は年に1回来ると言われているが、狼は1回夜の営みを行ってしまうと、その後は一生発情期は来ない。それにも深いわけがあるらしいが、ここで暮らしていくには仕方ない。
クドラク
りゅう。お前がスバルを楽にしてやってくらないか??
りゅう
………うん。
りゅう
スバルさん……やらないと。
最後は無理やり過ぎました😓1回やれば発情期が来なくなるとか意味わからないですね😅