2月1日18時10分
蓮香
とりあえず、誰か…電話して
蓮香は何か思いついたかのように口を開く
竜胆
誰かって?
蓮香
んー…あ、そうだ蘭とか
竜胆
兄貴に?なんで
蓮香
もしかしたらもう…私も今向こうでどうなってりのかはわからないけどお願い
竜胆
わかったよ
竜胆
兄貴、
竜胆
なんかさ…
蘭
竜胆!!
竜胆
うぉ、
竜胆
なんだよ急に大きな声出して
音割れをするぐらいの重くて鋭い声がここへと届く
蘭
そんなこと言ってる場合じゃないんだよこっちは
竜胆
はぁ?
蘭
くそ、竜胆今どこにいる
竜胆
え、っと…
蘭
いや、どこにいてもいい…だけどここにはくるな
竜胆
なんでだよ…今どうなってんの?
春千夜
おい!!灰谷!!早く片付けろ💢
蘭
あ、そうだった
通話近くで銃声の音が聞こえる
そこからだしっかり意識をしたのは
通話奥で鳴り響く生々しい音でいっぱいだ
人の叫ぶ声、銃声、駆け出す足音
薄く聞こえた…ただ意識をしていなかっただけだ
竜胆
もしかして…
竜胆
蓮香!!
蓮香
…ん?
竜胆
どうなってんだよ!!
蓮香
多分、爆発と同時に乗り込んできた敵を倒してるとこ…って感じじゃない?
竜胆
兄貴?おい!!
竜胆
兄貴って!!
蘭
ん?なぁに?
竜胆
俺もそっちに行く
蘭
竜胆くるな
竜胆
なんでだよ!!
蘭
お兄ちゃんの言うことが聞けないの?
竜胆
そういうことじゃないだろ!!
蘭
竜胆…ごめんまたあと、で
竜胆
はぁ?
竜胆
おい!おいって!!
竜胆
ぁ…
声が自分の方に聞こえなくなってそのまま電話が切れる
口を半開きにし咄嗟に喉から吐息が漏れた
自分の無意識にでた声でさえも聞こえていないのかついさっきまで繋いでいた端末から目を離さなかった
蓮香
、、蘭には申し訳ないけど竜胆一緒に来て
竜胆
…あぁ、行く俺も
別に悲しいわけでも心配だったわけでもない
自分のたった1人の兄貴を信じなかったわけでもない
ただ、会いたかった自分の目で見たかっただけ
手で触れたいな
ってなんかわかんないけど頭によぎっただけ
なぜかはどんなに考えて悩んでも答えは出てこないよ
でもね急に思ったんだよ
全身で感じたいって
その存在を目に焼き付けたいって
竜胆
ほら行くぞ
蓮香
あ、よろしく
竜胆
へ?
竜胆
…
蓮香
…
竜胆
くそ、早く乗れ!!急ぐぞ!!
追跡編終わり 次回襲撃編