遥
なあ、ユキ
悠希也
だからさ、その呼び方やめろって、女子っぽいじゃねーか
遥
うるせーな、昔は女子だと思ってたんだよ、ユキって名乗ってるしさあ
悠希也
あの時は母さんにそう呼ばれてたしなあ…
遥
顔もかわいかったし、まあそれは今もか
悠希也
そんなに可愛いか?つかそれ褒めてんの?
遥
褒めてる褒めてる、一部の女子には刺さるんじゃね?
悠希也
適当かよ、、
遥
いいじゃねーか、羨ましいわ、俺も女の子にちやほやされてー
悠希也
別に俺は女子にちやほやされてる訳じゃないだろ
ズキッ
悠希也
(そりゃそうだよな、遥だって女子にモテたいと思うもんな)
いやいや、お前モテてるよ?気付いてないだけ、そう言って笑う遥を見る
悠希也
な、なあハル。お前って好きな子とかいんの?
遥
ん?なんだよ、突然
遥
珍しいな、恋バナみたいなの好きじゃないのかと思ってたわ
悠希也
別に嫌いなわけじゃないよ、あんまりみんなの気持ちが理解できなくてさ
遥
お前、好きな女子とかいなそうだわー
悠希也
あ、あぁ、うん、いないよ
悠希也
(女の子は、だけどね)
遥
タイプとかないの?かわいい子が好き、とかさ
悠希也
なんかよくわかんねーんだよな、ハルはどうなの?
遥
あー、俺はなあ…
聞きたいけど聞きたくない、そんな気持ちだった。 遥は苦笑いして言う。
遥
ちょっと前から好きだった子、彼氏がいるみたいなんだよ
悠希也
そ、そっか…
悠希也
(俺だったらそんな顔させないのに)
遥
なんかさ、恋人とか憧れるよね、俺もそんな青春送ってみたかったわ
悠希也
キラキラしてるよね、みんな
遥
大学入ったら、彼女くらいできるんじゃね?
悠希也
適当だなあ…
悠希也
(きっと出来るに決まってる、ハルは顔もいいし、優しい)
ズキッ
遥
ま、彼女が出来てもお前との時間はぜってー減らさねーわ
悠希也
彼女は大切にしてあげなよ
悠希也
ハルが幸せならそれでいいからさ
遥
でも、お前より大切な人とか考えられないわ
何の気なしに言ったであろう言葉。 「友達として」なのは分かっているが それでも鼓動が早まる
悠希也
なあ
遥
え?
悠希也
ご、ごめん、やっぱなんでもない
悠希也
(告白なんて、出来るわけない)
遥
そうか、なら別にいいけど
遥
(珍しいな、悠希也があんなこと言うの)
昔から女っ気がなくて、自分とばかり遊んでいた幼馴染に思いを馳せる
遥
あれ?あいつ、財布忘れてってる
中身を見るつもりなんてなかった。 でも、たまたま財布があいていて。
遥
なんだ?これ
遥
(手紙…?って言うよりメモか…)
折られた紙を開くと、折り紙くらいの大きさだった
遥
(ハルへ、って書いてある…?)
昔から変わらない、読みにくい小さな字を、目を凝らして読む
遥
…これって
ドキッ
突然ごめん、から始まるその手紙は、 どう考えても"それ"にしか見えなかった
遥
…ラブレター、だよな…これ
遥
財布、忘れてるぞ
悠希也
あ、ごめん、今から取りに戻るわ
遥
遥
遥
あー、あのさ、財布の中身、見ちゃった
悠希也
(え…)
背筋に冷たいものが走る。財布には、試行錯誤しながら書いた"あれ"がある
悠希也
(…まさか、見られた?)
悠希也
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応答なし
悠希也
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通話
21:38
遥
その…すまん、見るつもりはなくて
遥が切り出す
悠希也
あ、いいんだ…その…
悠希也
いつか伝えるつもりだったし…
遥
でも、すまん、ほんと…
遥
あれは、そういうことなのか?
悠希也
悠希也
あ、うん…そう
深呼吸をする
悠希也
僕は、遥が好きだ。
悠希也
でも、付き合いたいとかは思ってないから、難しいかもだけど、これまで通り接して欲しい
遥
遥
付き合いたいわけじゃないんだ
悠希也
いや、まあその、出来るならそうしたいけどさ…
悠希也
ほら、俺ら、男同士だし、そういうの嫌かな…って
遥
遥
友達と、恋人の違いって、なんなんだろうな
悠希也
…え?
遥
やっぱりその、キスとか、あとは…その…
遥
そういうこと…とかなのかな?
悠希也
え、うん、多分…
遥
悠希也は、その、俺とそういうことしたいって思うわけ?
悠希也
(え…)
悠希也
まあ、それなりには…
遥
悠希也
ご、ごめん、気持ち悪いよね
遥
遥
あ、いや、気持ち悪いとかじゃなくて…
遥
遥
俺はさ、悠希也のこと、ずっと友達だと思ってきたけどさ
遥
でも、悠希也がしたいなら、別に…その、スキンシップとかも全然ありかな、って思う
悠希也
(俺を傷つけないようにしてるんだ…)
悠希也
無理しなくていいよ、これまで通りの距離感でいいから
遥
別に男同士だから嫌だ、なんて思わないよ
遥
好きに性別なんて関係ないかなって
遥の言葉は嬉しかったが、 "妥協"はして欲しくなかった
悠希也
でもさ、そーゆーのってやっぱり、ちゃんと好きな人とすべきだと思う
遥
遥
そっか、そうだよな
遥
ごめん、変なこと言って
悠希也
いや、いいんだ。嬉しかったし
遥
さっき悠希也は、これまで通りにしたいって言ってたけど
遥
それは出来ない
悠希也
え…
遥
恋愛対象として見るから
ドキッ
悠希也
え、それって、、?
遥
さっきも言ったけど、好きに性別なんて関係ないと思うし
遥
それに俺は、悠希也が誰よりも大切だから
悠希也
うん…
遥
俺が悠希也に抱いてる気持ちは、あんまり恋愛感情と変わらないような気がするんだ
悠希也
そんなに大切にしてくれてたんだ
遥
今は悠希也は友達だけど
遥
好きになる、そんな気がする
悠希也
え…
遥
だからさ、その時、俺から告白させてくれ
悠希也
…ほんとに…?
遥
嘘なんか言わねえよ
悠希也
そっか…
悠希也
ありがとう。ずっと待ってる






