蓮くんと話さなくなったのは 何時だったか
私達は幼なじみで 小学生の頃よく遊んでいた
いや、病気のせいで学校に行けず 友達の居ない私と 蓮くんは遊んでくれていた
でも大きくなるにつれ 次第に話さなくなってしまった
高校の今ではすれ違っても 挨拶すらしなくなってしまった
杉原 愛
杉原 愛
その時喉がヒュッという音を立て 苦しくなった
杉原 愛
私はいつも行っている 病院へ足を運んだ
杉原さーん
杉原 愛
看護師さんに呼ばれ 診療室へ入る
医者
医者
杉原 愛
医者
杉原 愛
医者
医者
杉原 愛
医者
杉原 愛
私の病気は 閉塞性細気管支炎 (へいそくせいさいきかんしえん) という病気
最初聞いたときは 「なんじゃその病気」 なんて思っていたが
この病気の原因などは 不明らしく 私も何が原因なのか 分からないらしい
ただ知っているのは 私が物心ついた時から この病気を持っていたことだった
そしてこの病気には 治療法が無いらしい 私の場合原因が不明なので 気管支拡張薬 (きかんしやくちょうやく) というものを使って対処する
でも 私は長くもって 1ヶ月 そう告げられた
もうすぐ死んでしまうのだ 私は。
正直未だに 理解は出来ていない
お母さん
杉原 愛
お母さん
杉原 愛
杉原 愛
お母さん
杉原 愛
〝悪化〟…か
杉原 愛
お母さん
杉原 愛
お母さん
杉原 愛
懐かしい。 そう言うお母さんの瞳には 少し涙が溜まっている気がした
お母さん
お母さん
杉原 愛
杉原 愛
それにしても 本当に病院は暇だ
杉原 愛
隣の点滴を取り替えている 看護師さんに声を掛ける
看護師
杉原 愛
看護師
杉原 愛
病院の敷地内かぁ…
少し…なら外出てもいいよね?
杉原 愛
少し強い風は 病院の中より何十倍も 心地よかった
杉原 愛
病院の目の前の公園に 見覚えのある背中 の人が座っていた
杉原 愛
橋川 蓮
やっぱり蓮くんだ 私の1番会いたかった人
橋川 蓮
蓮くんは 自分の座ってる横を ポンポンと叩いた
杉原 愛
少し沈黙が続く
杉原 愛
橋川 蓮
杉原 愛
橋川 蓮
杉原 愛
橋川 蓮
ぎこちない会話ですら 私は気分が良かった
橋川 蓮
杉原 愛
橋川 蓮
杉原 愛
橋川 蓮
何も…聞けなかった
「学校はどんな感じ?」 「お父さん元気?」 「なんで話さなくなったの?」
まだ話したい事は いっぱいあったのに
蓮くんと次に会ったのは 病室だった
橋川 蓮
杉原 愛
橋川 蓮
杉原 愛
橋川 蓮
杉原 愛
橋川 蓮
杉原 愛
橋川 蓮
杉原 愛
杉原 愛
その瞬間 病室に乾いた音が 響いた
すぐにはなにか気づけなかったが 蓮くんの顔と 右の頬の痛みで 叩かれたんだと分かった
橋川 蓮
杉原 愛
橋川 蓮
杉原 愛
今更嘘、だなんて 私には言う自信が無かった
次の日 蓮くんはお母さんが帰った瞬間 入れ違いで来た
橋川 蓮
杉原 愛
橋川 蓮
杉原 愛
橋川 蓮
杉原 愛
橋川 蓮
杉原 愛
橋川 蓮
杉原 愛
久しぶりにこんな楽しく 2人で話せた
橋川 蓮
杉原 愛
橋川 蓮
私は今日 蓮くんに言いたいこと全部言う そう決めていた
杉原 愛
橋川 蓮
杉原 愛
橋川 蓮
プリンを食べていた手が止まる
杉原 愛
橋川 蓮
橋川 蓮
杉原 愛
杉原 愛
橋川 蓮
橋川 蓮
杉原 愛
私はこの時。 自分の想いに初めて気づいた
あぁ。 私は蓮くんが好きなんだ
橋川 蓮
杉原 愛
杉原 愛
少し曇った顔をしていた 蓮くんの顔がパァっと 明るくなる
橋川 蓮
杉原 愛
すると 蓮くんの顔が 近ずいてきて
そっと 私の唇にキスをした
でも
あの感覚が また襲ってきた
杉原 愛
橋川 蓮
杉原 愛
橋川 蓮
私の口からは 赤い血が出ていた
苦しくて声が出せない
橋川 蓮
杉原 愛
満開のソメイヨシノが 立っている下のお墓に 人影があった
橋川 蓮
橋川 蓮
橋川 蓮
彼は彼女が病気を 患っているのは知っていたが 病名なんてものは 知らなかった
橋川 蓮
橋川 蓮
橋川 蓮
橋川 蓮
橋川 蓮
彼は〝また〟花束を置き 帰路へ着いた
彼の背中には 1枚 ソメイヨシノの 花びらがついていた
主です( ˙-˙ )✧
主です( ˙-˙ )✧
主です( ˙-˙ )✧
主です( ˙-˙ )✧
主です( ˙-˙ )✧
主です( ˙-˙ )✧
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主です( ˙-˙ )✧