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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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ニャンコ先生

ヒビキを救うには負の感情を取り除く必要がある

夏目貴志

…負の感情?

たつく

ミフユ

なんか難しい言葉だな、

ニャンコ先生

そもそも依代というのは持ち主の魂が宿るもの

ニャンコ先生

ヒビキは負の感情に包まれた存在だ。それを封印しておいた依代を壊せばその感情が一気に出てきてしまうのだ

夏目貴志

ミフユ

たつく

なるほど…

夏目貴志

それを取り除くには?

ニャンコ先生

その感情をもう一度封印すればいいのだ

たつく

封印って…

ミフユ

どうやるんだよそんなの!

ニャンコ先生

夏目にやらせるのだ

夏目貴志

え、?

たつく

夏目をか…?

ミフユ

出来んのか…?夏目に、

夏目貴志

…おい!なんだか貶されてる気分なんだが!

ミフユ

わ、わりぃパッと見そんな封印なんて高度なことできるようには…

夏目貴志

どういう意味だ!

ミフユ

悪ぃって!

ニャンコ先生

夏目はこう見えて妖力が強い、封印くらいはできるだろう

夏目貴志

ムギュッ)言い方!(ほっぺをつまむ)

ニャンコ先生

ムナァァァ!!

たつく

やり方は分かっているのか?

夏目貴志

、(ニャンコ先生を離す)

ニャンコ先生

ニャッ、(着地する)

ニャンコ先生

それは簡単だ

第10話 「気持ち」

ヒビキ

ヒビキ

…パチッ)

ヒビキ

…、

ヒビキ

ヒビキ

…なんだ、ここ、

ヒビキ

…ムクリ)

ヒビキ

…真っ暗だ…夜なのか…?

ヒビキ

寂しい

ヒビキ

…!!

ヒビキ

誰だ…!!どこにいやがる!!

辛い…

ヒビキ

っ…!!

ヒビキ

ヒビキ

…違ぇ、

ヒビキ

これって…

あーしの気持ち…?

ヒビキ

寂しい、寂しい

ヒビキ

うるせぇ…

ヒビキ

やだ…、

そんな気持ち… 忘れてたはずの気持ち…

怖い…嫌だ…

ヒビキ

うるせぇ…うるせぇ…

置いていかないで

ヒビキ

っ…!!

ヒビキ

やめろ!!

ヒビキ

ヒビキ

…、

ヒック…ヒック…

ヒビキ

…!

ヒビキ

…(ゆっくり顔を上げる)

ヒビキ

…!!

ヒビキ(小)

ポロポロ)ヒック…

ヒビキ

あーし…?

ヒビキ

ヒビキ

…お前、

ヒビキ(小)

ポロポロ)

ヒビキ

ヒビキ

ヒビキ

(なんだよこれ…どうすればいいんだよ…)

ヒビキ(小)

ヒビキ(小)

ポロポロ)…なぁ、もうやめろよ

ヒビキ

!、

ヒビキ

え、…

ヒビキ(小)

寂しい気持ち、辛い気持ち、全部、無視すんのやめろよ、

ヒビキ

、…

ヒビキ(小)

なんだよ…!大切な場所って…、こんなとこ…

ヒビキ(小)

昔のあーしを全部全部閉じ込める地獄じゃねぇかよ!!

ヒビキ

…!

ヒビキ(小)

置いていくなよ!!寂しいって、1人になるのが怖いって!素直に言えよ!!

ヒビキ(小)

こんな場所に昔の気持ち全部封印して忘れようとしてんじゃねぇよ!!

ヒビキ

っ…!!

ヒビキ

ヒビキ

…だったら…!!

ヒビキ

そう言ったら相手はそばに居てくれんのかよ…!!

ヒビキ

夏目は、あーしを置いて行った…、

ヒビキ

人間からも妖からも蔑まされて…、1人が嫌なんて…言えるわけっ…

ヒビキ

なんでなんだよ…!!どうすればあーしはひとりじゃなくなるんだよ!!

ヒビキ(小)

ヒビキ(小)

…口に出せばいい

ヒビキ

、!

ヒビキ(小)

思ったこと感じたこと全部口に出せ!!

ヒビキ

、…

ヒビキ

ヒビキ

でも…

ヒビキ(小)

っ強がるな!!

ヒビキ

ヒビキ(小)

お前はただ強がってるだけだ!!

ヒビキ

ヒビキ(小)

そんなにひとに強いって思われたいか、!?

ヒビキ

っ…!

ヒビキ

強がってるんじゃない!!1人を耐えてきたあーしは強いんだ!!たとえ何されても…、

ヒビキ(小)

ヒビキ(小)

ちげぇよ、

ヒビキ

は…?

ヒビキ(小)

この世に人一倍心が強いやつなんて居ねぇんだよ!!

ヒビキ

ヒビキ(小)

心が強いって思う奴はただ我慢してるだけだ!

ヒビキ(小)

どんなに心が砕けても、どんなに心に傷を負っても、それを我慢してるだけなんだ!!

ヒビキ(小)

心はもうとっくにボロボロなんだよ!!

ヒビキ

…!!

ヒビキ(小)

そうだろ…?お前も、

ヒビキ

…そうかもしれねぇけど…!

ヒビキ

でも…、

ヒビキ(小)

ヒビキ(小)

…せっかく自分が生きてる証を貰ったんだろ、?

ヒビキ

え、?

ヒビキ(小)

名前

ヒビキ

ヒビキ(小)

夏目に存在してる証としてお前は名前を貰ったんだろ?だったら、存在してるなりにわがまま言えよ

ヒビキ

っ…!

ヒビキ

でも…!!夏目はあーしを置いていったんだ…!!

ヒビキ(小)

ヒビキ(小)

それは違ぇよ

ヒビキ

…え?

ヒビキ(小)

夏目はお前を置いていった訳じゃねぇ

ヒビキ

っ…、!

ヒビキ

なんでわかんだよ…!んな事!!

ヒビキ(小)

本人に聞けばいいだろ

ヒビキ

!!

ヒビキ

ヒビキ

…夏目、?

夏目レイコ

久しぶりね

ヒビキ

ヒビキ

スタ…スタ…)…夏目、

ヒビキ

っ…!!

ヒビキ

タッタッタ)夏目…!!

ヒビキ

ポロポロ)夏目…!!夏目!!(抱きつく)

夏目レイコ

夏目レイコ

…フッ)

夏目レイコ

ごめんなさいね、こんなに寂しく思ってくれてると思わなくて

ヒビキ

ポロポロ)夏目、!!

ヒビキ

ポロポロ)なんで、…なんでだよ…!!なんで置いていったんだよ…!!ずっと…ずっと待ってたんだぞ…!!

夏目レイコ

うん、ごめんなさい

ヒビキ

ポロポロ)うぅ…!!

ヒビキ

ーーーー〜ーー!!(泣)

夏目レイコ

ギュッ)

夏目レイコ

ごめんなさい、置いていったつもりじゃなかったの

ヒビキ

ポロポロ)ヒック…ヒック…!

夏目レイコ

ただね、あたしは人間であなたは半妖の妖よ。一緒には居られないの

ヒビキ

ポロポロ)なんでだよ…!

夏目レイコ

あたしはあなたより寿命が短いってことよ。あなたより先にこの世を去ってしまうの

夏目レイコ

だからあたしが死んじゃった後どちらにしろあなたを1人にしてしまうでしょ?

ヒビキ

ポロポロ)ヒック…ヒック…、

夏目レイコ

だからあなたにとってあたしがとても大切な存在になってしまう前に離れようとしたの

ヒビキ

うぅ…っ!!

ヒビキ

ポロポロ)…ヒック、

ヒビキ

そんなの…、そんなの…!

ヒビキ

ポロポロ)…そんなの!もうとっくになってたんだよ!夏目はあーしにとって居なきゃいけない大切な存在だったんだよ!

夏目レイコ

夏目レイコ

そうみたいね、

ヒビキ

ポロポロ)ヒック…夏目が居なくなるなら、あーしも人間になって夏目と一緒に行きたい!!

夏目レイコ

夏目レイコ

だめよ

ヒビキ

ポロポロ)、

夏目レイコ

せっかくあたしがあなたに存在してる証として名前をあげたのに命を落とすつもり?

ヒビキ

ポロポロ)、

夏目レイコ

フッ)

夏目レイコ

あなたはその名前でもっと色んな出会いをして、色んな事を学びなさい

ヒビキ

ポロポロ)…うぅ、!

ヒビキ

ポロポロ)やだ…やだ…!!夏目がいないとやだ…!!

夏目レイコ

夏目レイコ

そうね…じゃああたしのお願いなら聞いてくれる?

ヒビキ

ポロポロ)え…?

夏目レイコ

あたしのお願いはね、あなたにその名前で色んな人と関わって、色んなことを学んで欲しいの

ヒビキ

ポロポロ)…

夏目レイコ

ね?

ヒビキ

ポロポロ)うぅぅぅぅ…!!

ヒビキ

ーーー〜ーーー!!(泣)

夏目レイコ

ナデナデ)

ヒビキ

ポロポロ)ヒック…ヒック…、

ヒビキ

ポロポロ)…わかった、

夏目レイコ

ヒビキ

ポロポロ)夏目のお願いならそうする…!!

夏目レイコ

夏目レイコ

…フッ)

夏目レイコ

ありがとう

ヒビキ

ポロポロ)うぅぅぅぅ…!

ヒビキ

ポロポロ)ごめん…、ごめん夏目…!あーし、ずっと夏目があーしを置いていったんだと思って…!!

夏目レイコ

いいのよそんなこと、あたしにも問題はあったし

ヒビキ

ポロ…)…!!

ヒビキ

夏目…!?

夏目レイコ

ごめんなさいもうお別れよ

ヒビキ

!!

夏目レイコ

久しぶりに会えて嬉しかったわ本当にありがとう

ヒビキ

…!!

ヒビキ

待って!!夏目!!最後に聞いて欲しいんだ!!

夏目レイコ

ヒビキ

最後に…最後に…!!

もう一度名前を呼んでくれよ!!

夏目レイコ

!!

ヒビキ

ヒック…お願い…、

夏目レイコ

ヒビキ

ヒビキ

!!

夏目レイコ

ヒビキ!頼んだわよ!あたしのお願い!

ヒビキ

っ…!!

ボンッ

アオォォォォォォォン!!

夏目レイコ

ヒビキ

ーーーー〜ーー!!(遠吠え)

ブワッ (風)

夏目レイコ

夏目レイコ

フッ)

夏目レイコ

ほんと、いつ聞いても…

落ち着く

夏目友人帳「半妖少女」

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