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主
すち
毎朝ため息ばっかりだ。 俺にとって学校に行くのも部活に行くのも億劫な作業でしかない。 楽しくもないし、面白くもない。 ただただ過ごしにくい。 一つのことをのぞいたら。
みこと
すち
みこと
すち
みこちゃんは一個下の後輩だ みこちゃんはいつも話してくれる。 だから俺は聞いてるだけでいい。それがとても楽だった。
気が付くと学校についていた。 昔はかっこいいと思っていた大きな校舎は 今にも俺を押しつぶそうとしていた。 みこちゃんとは館が違うからここで別れる。
みこと
すち
億劫な気持ちを抱えたま教室に入る。 また、あのいつもと同じような日々が待っている。
生徒1
生徒2
担任
⚠️すちくんの苗字は緑夜です。
すち
俺は生まれつき口下手で、活舌が悪かった。 そのせいでしゃべるのが苦手だった。 それだけじゃなく、コミュニケーションのあたりで 障害とも言えない障害を持っていた。 だから普通の人とは同じに過ごせない。 しゃべるのが怖かった。 それを知らない担任や生徒たちは 俺を学級委員にして、学級委員長にまで登らせた。 本当はやりたくない。だけど笑顔で引き受ける。 だって俺にこれ以外できることがないから。 それが積み重なって積み重なってもう限界だった。
すっちーは最近元気がない。 すっちーは少し障害をもっている。あと、ちょっと口下手。 だから、聞くのが上手。でも、最近はそれが裏目に出てる。 すっちーを見かけるといつも一人か、仕事かをしている。 でもすっちーに話しかける人はいない。 俺はそんなすっちーの居場所になりたい。 どうしたらすっちーの居場所になれるんだろ。
みこと
すち
みこと
すち
みこと
すち
みこちゃんは昔からそうだった。 すごくするどい。 改めて考えてみる。 最近の俺は自分でもびっくりするほど顔色が悪かった。 とっくのとうに限界を超えているのはわかっていた。 そんななかでみこちゃんは俺の唯一の居場所だった。 そんなみこちゃんになら話してみてもいいかもしれない。 そう、確かに思えた。
すち
うまくクラスになじめていないこと。 誰にも理解されず、いつもいろなことをやらされること。 こんな自分が嫌いなこと。 この生活が苦しいこと。 みこちゃんだけが居場所なこと。 もう涙は出なかった。 ただただうつむいて話した。 みこちゃんは静かに話を聞いてくれた。 話終わると少し心がすっきりした。
すち
みこと
すち
ぎゅっ
みこと
すち
俺、たぶん今みっともない顔してる。 でも、心地よかった。 この時間がいつまで続けばいいのにと思った。
みこと
すち
すっちーのほうを振り向くと 震える手で俺の手を強く握り、 寂しそうな、恐怖におびえるような顔をしていた。 そんな顔しないで、、 でもね、すっちー、もうそんな顔しなくていいから。
みこと
すち
みこと
すっちーの顔を見る。 そこには戸惑いと喜びがにじんでいる。 嫌われたわけではなさそう、、よかった。
すち
ほら、そうやってすぐ人のこと考える。 自分のことを後回しにして。
みこと
すっちーにこんな顔させたまま生きていけない。 すっちーだけが俺の光だった。 するとすっちーは照れたような顔をして
すち
と言った。 こうやって俺にだけ見せてくれる弱いところ。 そういうところも本当に好き。 救いたくなる。
少しするとすっちーがうつむき始めた。 またすっちーが難しく考え出した。 すっちーの悪い癖だ。 難しく考える必要なんてないのに。 すっちーはこうやって 一人で難しいところまで考えこんじゃう。 だからこんなになるまで自分を追い込んじゃう。 それを軽くできる人が俺であってほしい。
みこと
すち
すっちーのバカ。 キモいわけないじゃん。 俺だってすっちーに依存してる。 大大大好き。
みこと
すっちーはその言葉を聞くと小さな小さな涙をながして 微笑んだ。それはとてもとてもきれいだった。
⚠️背景はバスの車内だとしてください!! (いいのがなかった、、(つд⊂)エーン)
みこと
バスの中には俺とみこちゃんしかいない。 あっ、運転手さんもいるか。 みこちゃんはさっきからずっと目をキラキラさせていた。 まるで水を得た魚のように。綺麗だった。 俺の目もきっと少しはキラキラしてると思う。
すち
みこと
すち
みこと
すち
みこと
すち
みこと
すち
俺はこの時間が好きだ。 みこちゃんの話を聞いて、相槌を打って、 たまに質問されることに答えて。 二人だけの空間。 それがとても好きだ。 今日はいつもとは違う。学校に行かずに決まった場所で降りずに いけるところまで行く。 スマホの地図アプリを消して。 どこかわからない道を進む。 俺らがやりたい!と思ったことの一つ。
しばらくするとみこちゃんの目がトロンとしてきた。 そりゃ朝早くからバスになったんだから当たり前だ。 肩を貸してあげる。するとみこちゃんは俺の方に頭を乗っけてきた。 まるで猫みたい。本当にかわいい。 すると俺もそれにつられて、いつの間にか眠りに落ちた。 久々にこんなしあわせで気持ちい睡眠をした。
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すち
みこと
すち
俺らはバスを降りた。 どこかもわからない場所で。 不思議と怖さはなかった。 二人で手をつないで駆け出した___ 気が付くと広大な原っぱについた。 持ってきたレジャーシートを引いて 二人で寝っ転がる。
みこと
すち
みこと
すち
みこと
すち
みこと
すち
みこと
すち
本当にあのころみたいに無邪気に笑って遊んだ。 こけたりしながら。 それが楽しくて楽しくて仕方がなかった。 気が付けば日も暮れていた。 二人でまた寝っ転がる。 空には満点の星と月が広がっていた。
みこと
すち
みこと
すち
みこと
すち
みこと
そんな話をして楽しんだ。 お菓子と持ってきたお茶を並べて最後の晩餐をした。 最高の晩餐だった。 ふと、みこちゃんが黙った。 ただ静かに星を見ていた。 俺もつられて夜空を見る。 個性を主張するように無数にちりばめられた星。 俺もあんな風に生まれたかった。 そんな時間が過ぎていった。 どれくらい時間がたったかわからないけど、 急にみこちゃんが立ちあがった。 俺もたちあがる。
みこと
すち
みこちゃんはリュックからナイフを二本取り出した。 中に入っていたはずのお菓子は全部なくなっていた。 お茶も空っぽだった。 片方を俺は手に取る。それをみこちゃんの首にあてた。 俺の首にはみこちゃんのナイフが当たっている。 ナイフを持っていないほうの手はつないでいた。
すち
みこと
皮膚が切れる音は地面の草に吸い込まれていった。 視界が揺れる。 みこちゃんは口パクで何か言った。 俺もそれに言葉を返す。 「もう大丈夫だよ」 「ありがとう。大好き。」
昨夜未明、〇〇県〇〇市で高校生二人の死体が発見されました。 警察は争った形跡がないことから自殺という線で捜査を進めています。 遺体は手をつないでいたそうです。 では、次のニュースに移ります。