黄
赤
青
真夜中の校舎
バレないように忍び込む
明日は卒業式
黄
青
青
黄
そんな風に言い合っている僕ら2人
後ろに縮こまって隠れていた赤くんが声を絞り出す
赤
黄
明日卒業式なんだから
最後の最後に悪いことでもしてやろうって
僕のノリでただこうなった
青
赤
青
黄
黄
青
よくわかんないくらい楽しくなってきて
屋上の扉へと駆け込んだ
黄
赤
橙
紫
桃
─ガチャンッ!!ギィィーッ!!(ドア)
桃
青
ドアを思い切り開いて
辺りを見渡して気づく
青
青
青
青
僕の動揺具合に
まず桃先生がくすりと笑う
桃
__それはそう。
橙
青
紫
赤
黄
黄
ぞろぞろと来るなり
揃って声を上げた
それがなんとなくおかしくて
青
思わず爆笑
橙
紫
赤
オドオドしながら言い訳を考えてるのか
すっと黙る
黄
黄
そんな黄くんの事も気にせず
青
ただ真っ直ぐに言ってやる
赤
桃
桃
青
眩しい笑顔に一瞬目を奪われた
そんな感覚
橙
紫
急にしんみりとした雰囲気を出しながら話す2人に何か切ない感覚を覚える
3月中旬の夜は寒い
澄んだ空気にくっきり映し出された彼らの姿
青
紫
赤
「何となく」
日常的な言葉なのに、何かグッとくるものがあった
橙
橙
黄
静かに笑うように空を見ていた桃先生を視界に捉える
青
桃
赤
黄
紫
青
赤
コソッと耳打ち
青
耳を貸す
赤
青
黄
なんでこんなニヤニヤしてるかも分かってる
この手の話題になるといっつも調子乗る…
青
でもまあ
桃先生に話しかけたいとは思っていた
青
桃
青
桃
距離を感じさせない言葉遣い
青
桃
何となく
元気がない
青
桃
桃
桃
青
「思い出す」?
桃
桃
桃
青
青
なんでそんな
残酷で惨めな
桃
青
青
青
桃
無駄だもん
どうせ怖いだけでしょ?
桃
桃
桃
桃
当たり前だ
死後なんて誰も分かりやしない
桃
桃
桃
青
桃
青
青
桃
青
溢れる感情は抑えられないよ
桃
青
ふいっと顔を逸らす彼
青
桃
青
桃
泣かない
泣きたくない
泣き顔なんて見せたくないから
黄
赤
満天の星の下
馬鹿みたいな無茶苦茶な青春
青
そんなものも
終わるんだって
当たり前だったのに
紫
桃
橙
橙
赤
青
どう願ったって
明日は来るから
だからこそ
明日は綺麗なんだろうね
校長
青
終わりがあるからこそ
当たり前が尊く見えるだけ
永遠に続くようじゃ価値なんてない
校長
校長
賞を受け取ると校長が僕に耳打ち
校長
青
まずいなと一瞬焦る
ただ校長先生は優しい笑みを見せてくれる
校長
青
青
賞の入った包を手に取って
自分の椅子へ足を向かわせる
体育館の端っこ
職員専用席
ぱちりと桃先生と目が合う
青
包を見せつけるように頭の高さに掲げて
ドヤるように笑いかけた
桃
まっすぐこっちを見て 見たこともないような大人びた笑顔を返される
青
青
青
いつもの無邪気な笑みとは全くもって違う
そんな笑顔に胸が締め付けられながらも目を奪われた
青
分かってた
最初から、ずーっと。
好きだって
別れるのが痛いほど惜しいって
青
頬を伝う涙さえも愛おしい
周りからどう思われようが
好きなんだって。
苦しいけど、それでも好きなんです。
青
式後
全部─終えたんだ、なんて実感する
赤
青
やる事全て終え
帰る時間
名残惜しくてまだ残っている生徒を多々見かける
黄
かける言葉が見つからないとでも言うように立ち尽くしているふたりの姿から目を逸らす
分かってる
自分の席___離れられずにずっと座りっぱなし
黄
青
この後はクラスのみんなで卒業祝いを兼ねて一緒にご飯だって行くし
クラスラインで連絡すれば同窓会だって出来る
赤
そんなの、本当は分かってた
青
青
大人と子供
僕らは違う
青
赤
赤
青
会えない事実がどうしようもなく虚しい
辛い
黄
黄
青
最後まで
好きなんだから
赤
青
黄
黄
青
そうだよ
「好き」なんだから。
どんなにその感情がしんどくても──
青
桜が良く似合う桃色の髪
青い空を閉じ込めたような深く青い瞳
これ以上ないほど
綺麗だ
それは僕にとって遠いものだから?
遠ければ遠いほど
尊くて──
青
桃
桃
青
青
咄嗟に出た言葉
涙を拭うことすら忘れて走って来た
青
桃
「最後だから」
桃
青
青
桃
青
桃
桃
青
将来
かぁ。
桃
桃
桃
青
青
青
これもまた
無謀な願いだ
青
桃
青
青
青
青
優しく吹く風
優しい眼差し
暖かい日差し
春の気配
別れの季節
桃
青
初めて見る彼の涙
拭ってからすぐに微笑む
桃
青
桃
最後だから
全部伝えてやる
青
思いっきり当たって
思いっきり砕け散ったなら
むしろ清々しく終われるね
桃
青
青
青
青
何でこんなに変な言葉が出てくるの?
───そうだ
砕け散ってしまいたくない
終わりたくない、単純な理由
桃
青
青
桃
桃
青
つまり
そういうことでいいんですか?
青
青
桃
青
別れだけじゃない
青い春
桃
青
青
桃
青
桃
急に真っ直ぐに此方を見つめる
彼の視線に頬が染まる
桃
青
先の話
青
桃
青
こういう所に惚れてしまったの
先生は気づいてますか?
桃
桃
青
大学卒業の時
数年後への楽しみをエネルギーとして生きていける
頑張れる
それが目的なんですか?
だとしたら上手いなぁ。
流石先生。
青
桃
青
桃
いつか見た星を
忘れない
青
桃
桃
青
星になりたくても
青
桃
星には手は届かない
桃
桃
でも
青
青
星のように輝ける
人は飛べないけど
だからこそ美しい
青
桜散りて星は輝く
また会うその日まで
みく
みく
みく
みく
みく
みく
みく
みく
以上、すとふぇすチケット取れずに待機組になった人間でした!!!!!!(泣)
みく
ご拝読ありがとうございます👍🏻 ̖́-❤︎
コメント
6件
ごめんなさい……見るの遅れました!! 相変わらず神作品ですね(๑•̀ㅁ•́ฅ✨
うわぁ!!!こんな青春おくってみたいです~!!卒業式で最後だからってはちゃめちゃして楽しんでみたい!!みくさんの学パロってめっちゃ青春を感じられてほんとに最高です!
「終わりがあるから 当たり前が尊く見える」ほんとに その通りですね🥲 いつか 卒業してしまうから 学校に通ってた日常が尊く思えます。学校は 嫌いだったけど 卒業式は大好きな先生とのお別れで号泣しました🥲 このお話の先生たちのノリと校長先生のノリがほんとに大好きです😭😭黄くんと赤くんも青くんに協力してあげるところが青春って感じがして好きです。 先生と生徒だったから辛い恋だったかもしれない