主
アイ
主
アイ
主
主
アイ
主
主
アイ
主
主
アイ
主
アイ
主
アイ
主
主
主
アイ
アイ
主
アイ
主
主
アイ
ないこが退院してから数年経った今。
俺は2階の寝室から目をこすりながら降りる。
すると、見慣れた色がすぐに目に入った。
…目立ってるからすぐに目に入っただけだ。
いふ
ないこ
いふ
ないこ
いふ
ないこ
いふ
いつものテンポで続く会話。
ないこがいなかった時にはなかったもの。
いふ
ないこ
ないこ
いふ
ないこ
「ないことまた会えて嬉しい」
…なんて、言えるはずがない。
ここで言ったらまた揶揄われるに違いない。
水色髪のアイツを中心として。
ないこ
いふ
ないこ
いふ
ないこ
不安そうな声が聞こえてくる。
そんな声を聞いて、なにも答えないわけがない。
あの時、もし何か違っていたら、もう話せなかったかもしれないから。
いふ
いふ
ないこ
いふ
急に俯くないこ。
体調悪いんか…?
ないこ
いふ
ないこ
いふ
顔を上げたないこは、口角がこれでもかと言うほど上がっていた。
ないこ
いふ
ないこ
いふ
ないこ
いふ
ないこ
完全に弄ばれている。
こういう時は。
いふ
ないこ
いふ
ないこ
「逃げ足だけは速いな」という声が聞こえてきた。
「だけは」ってなんやねん
心の中で愚痴っていると、また俺を呼ぶあの声が聞こえてきた。
ないこ
いふ
ないこ
いふ
あの笑顔や。
俺の大好きな……
いふ
いふ
この気持ちを誤魔化すように返事をする。
この時間が、好きなだけ。
ないこ
いふ
すごく、楽しい。
これが、ずっと続けばいいな、なんて口にはできんけど。
ただ、1日1日を大切にするだけで、明日に繋げることができる。
いふ
まずは一息深呼吸。
今日も頑張るで、俺。
ないこ
朝、目を開けるとあの人の声が店中に響いた。
重たい瞼を上げ下げしながら階段を下る。
ほとけ
ほとけ
小さくあくびをしながらのそのそと歩く。
ないこ
ないこ
ほとけ
ほとけ
ないこ
軽快な笑い声がはじける。
僕の大好きで大切な笑顔。
ほとけ
ないこ
ほとけ
ないこ
ほとけ
ないこ
目をこすりながらぼーっとないちゃんのことを見る。
ないちゃんの笑顔見るとなんか……
ほとけ
ないこ
ほとけ
ないこ
他の3人を起こしてこよう。
それから、パンを焼いていつも通りいふくんと喧嘩して。
どうでもいいことで盛り上がって、笑って。
笑顔を見せて、次は僕が誰かを導く。
そして、「大丈夫だよ」って安心させる。笑顔だけで。
ないこ
りうら
ないこ
りうら
ないこ
りうら
よし、今日も頑張るぞ。
おはよう、今日の僕。
また、1日が始まる。楽しくて、大好きな1日が。
りうら
その声は、空気の中で散って消えた。
あ、ないくんだ。
ないこ
ほとけ
りうら
今日も挨拶しよう。
また後悔することがないように。
もしまた、会えなくなってしまう前に。
声をかけようとした、その時だった。
ないこ
りうら
ないこ
りうら
ないこ
りうら
バレないように。
いつも通りそっけなくする。
ないくんに「おはよう」って言われて嬉しいとか、
ないくんと話せて嬉しいとか、
朝からないくんの声が聞けて嬉しいとか、
ないくんの手が、俺の髪を触れててドキドキしてることとか、
ないくんの笑顔を見れて嬉しいとか。
バレては、ダメ。
バレてしまったら……
りうら
ないこ
りうら
ないこ
りうら
嬉しいのに、どうしても考えてしまう。
また、あんなことがあったら。
次は自分に何か起きたら。
みんなを、傷つけてしまったら。
りうら
ないこ
目を閉じて考える。
風の音が聞こえる。
風で揺れる木々の音。
まるで「おはよう」と語りかけているような鳥たちの鳴き声。
数少ない車の音。
静かだなぁ……
ないこ
…ん?静か…?
りうら
ないこ
りうら
りうら
ないこ
りうら
ないこ
りうら
りうら
りうら
ないこ
りうら
りうら
髪が余計にボサボサ……
どうやったらこうなんの…?
ないこ
ないこ
りうら
あれ、今りうら…
笑ってる…?
りうら
りうら
ないこ
りうら
ないこ
りうら
ないこ
ほとけ
ないこ
いふ
ないこ
りうら
ないこ
悠佑
ないこ
悠佑
ないこ
りうら
まぁ、何があっても大丈夫か。
この6人だし。
いや違う。
この6人だからこそだ。
大丈夫、きっと。
…さぁ、今日はどんな1日にする?
ないこ
りうら
ほとけ
ないこ
いふ
ないこ
いつもの騒がしい声が聞こえる。
うるさいなと思いながらも、いつも安心する声たちだ。
あいつら6人が、今も元気に生きている証拠だ。
悠佑
ないこ
悠佑
なんかこいつ重くなったな。
ないこ
悠佑
ないこ
悠佑
ないこ
この前のないことは大違い。
たくさんの機械と質素な壁に囲まれていたないこ。
おれの、俺たちの大好きな笑顔も消え去って。
悠佑
ないこ
悠佑
ないこ
悠佑
ないこ
悠佑
ないこ
いふ
端の方からまろの声が聞こえてくる。
同じようなことされたんやなと察する。
ほとけ
悠佑
ないこ
ないこ
りうら
ないこ
いふ
ほとけ
りうら
ないこ
悠佑
ないこ
悠佑
ないこ
悠佑
ないこ
ないこ
悠佑
ないこ
ほとけ
いふ
りうら
こいつはほんまにすごいな。
ないこがいるだけで、この場の雰囲気はもっとよくなった。
ないこは、この6人の中心やな。
なんなら、全員ないこがおらんとダメかもしれんなぁ
ないこ
悠佑
ないこ
悠佑
いつもなら、戸惑っていた質問だが、
悠佑
悠佑
今はもう、決まり文句までできている。
そして、ないこの安心した顔を見るまでが一個の流れである。
ないこ
悠佑
ないこが安心すると、俺たちも安心する。
ないこが笑っていると、俺たちも笑顔になって、楽しくなる。
俺たちを、変えてくれてありがとう。
ほんま、お前はすごいわ。
ないこ
悠佑
ないこ
悠佑
ないこ
犬のように目を輝かせるないこ。
こいつは人を惹きつける効果(?)があるんやな。
気づいたら、ないこの周りには色んな人がいる。
きっと、頼られたんやろうな。たくさん。
でもその分、疲れたやろうから。
年上である俺が、支えてやる。
ないこにだからできること。
今日も、6人で一緒に頑張ろうな。
いつも俺は大切にしていることがある。
それは、
ないこ
いふ
ないこ
いふ
いふ
ないこ
いふ
ないこ
ほとけ
ないこ
ほとけ
ないこ
ないこ
りうら
りうら
りうら
ないこ
悠佑
ないこ
悠佑
ないこ
みんなを、朝から笑顔にすること。
俺の笑顔を見て、安心させること。
ここにいて、落ち着くこと。
ここでみんなといて幸せなこと。
そんなみんなを見て、俺も幸せになること。
ないこ
初兎
ないこ
初兎
ないこ
初兎
俺の名前を呼ぶ彼は、正装だった。
ないこ
視界がぼやけてきた。
あんなに小さかった初兎ちゃんが。
初兎
ほとけ
ほとけ
いふ
初兎
違う、違うよ。
言いたかったけど、俺の口から出たのは嗚咽だけだった。
ないこ
ないこ
初兎
ないこ
初兎
今まで我慢していたものが一気に溢れてしまった感じだ。
ほんとに、よかった。
また会えて。
一緒に笑って。
そばにいられて。
ないこ
初兎
初兎
ないこ
一度出た涙は、全然止まらないものなんだ。
ある日俺が、初兎ちゃんに言ったこと。
"悲しい時に泣いたら、もっと悲しくなっちゃう。不安になっちゃう。"
"周りにいる人も心配して、不安になっちゃう。"
"そんな時はね、「大丈夫だよ」って笑って見せるんだ。"
"そうしたら、自然と自分も安心できるから。"
ないこ
りうら
いふ
悠佑
ほとけ
ないこ
ないこ
ないこ
さっきの言葉は、俺が中学生の頃に言ったこと。
初兎ちゃんは、覚えてるかな。
初兎
ないこ
初兎
ないこ
初兎
ないこ
いふ
りうら
悠佑
ほとけ
初兎
ないこ
悠佑
楽しい。
こんな素敵な日々を、みんなとずっと一緒に過ごせて行けたらいいな。
この変わらない日常を。
父さん、母さん、見守っててね。
俺、頑張るよ。
朝、目が覚めて下へ降りるといつもの声が聞こえてきた。
いむくんとまろちゃんが喧嘩している声、
それを止めようとしているないにいや悠くん、
その様子を見て笑いながらも少し呆れているりうちゃん。
これが、僕は大好きだ。
ないこ
初兎
ないこ
初兎
ないこ
初兎
いつもと違う服で少し落ち着かないけど、いつも通りの挨拶をする。
そしたらないにいは、急に黙った。
すると、見る見る目に涙を馴染ませて
驚かずにはいられなかった。
初兎
ほとけ
ほとけ
いふ
初兎
終いには、子供のように泣き出した。
ないこ
ないこ
初兎
ないこ
初兎
顔をぐしゃぐしゃにして泣くないにい。
ないにいが事故ってしまった時の僕も、こんな感じだったのかな
なんて考えてると、
ないこ
初兎
初兎
ないこ
一度出てしまった涙は止まらない。
一度体験した僕が言うんだし、間違いないと思う。
ないこ
りうら
いふ
悠佑
ほとけ
ないこ
ないこ
ないこ
そう言って微笑むないにい。
それを見て、僕はまたあの言葉を思い出した。
"悲しい時に泣いたら、もっと悲しくなっちゃう。不安になっちゃう。"
"周りにいる人も心配して、不安になっちゃう。"
"そんな時はね、「大丈夫だよ」って笑って見せるんだ。"
そうしたら、自然と自分も安心できるから。"
初兎
ないこ
初兎
ないこ
初兎
ないこ
いふ
りうら
悠佑
ほとけ
初兎
ないこ
悠佑
みんなの笑い声が弾ける。
あの時とは全く違う。
天と地ほどの差がある。
変えてくれてありがとう、ないにい。
僕のこと、見つけてくれて、ありがとう。
忘れててごめんね。
でも、もしまた、ないにいだけじゃなくて、みんなを忘れることがあっても、これだけは変わらない。
みんなのことが、大好きでたまらない気持ち。
みんなと一緒にいて、楽しかったこと。
一緒に笑ったこと。
絶対に、忘れない。"今度こそ"。
初兎
ないこ
主
主
アイ
主
主
主
主
アイ
主
主
主
アイ
主
主
アイ
主
アイ
主
アイ
主
主
アイ
主
アイ
主
主
主
主
主
アイ
540タップ、お疲れ様でした( ◜ཀ◝ )(?)
主
アイ
主
アイ
主
主
主
主
主
アイ
主
アイ
主
主
主
アイ
主
アイ
主
アイ
アイ
第2話 入学式
コメント
9件
みんな一回失ってるというか、大きな不安を抱えたことがあるから今の幸せをより噛み締められるんですよね、…! 深くて大好きです
え、神やん(?) マジでこのシリーズ好きだったからくっそ嬉しい!!! 神作マジでありがとう…(?)