※注意
オクタンとブラットハウンドのカップリングです。
まだAPEX初心者なのでキャラクターの性格、口調等について誤解や理解しきれていない点があるかもしれません。
そこのところはご了承ください。
ブラットハウンド。
フロンティア史上最高の狩人の名はいつしかアウトランズ中に名を知らしめていた。
フロンティア史上最高と謳われるだけあって、奴の力は一流であった。
一度奴と闘いで対抗をした事がある。
だがしかし、自分自身と奴の実力は圧倒的に差が激しく、容易く負けてしまった。
フロンティア史上最高の狩人。
そう謳われるだけあって、奴は凄く強かったのだ。
一度対戦をしただけでそう思い知らされる程に。
だからこそ、奴の事をもっと知りたいと思った。
一人の狩人として、否……。
一人の人間として。
だが、奴の正体は謎に満ちていた。
奴は自身の名を轟かせれば、たちまち消え、それ以外は全て暗黒に埋めるのだ。
それはきっと、奴が自分の正体を自ら隠そうとしている為だろう。
まるで奴は、神の使いの死神鳥、"鴉"のようだった。
それぐらい不気味であり、気味が悪い。
反面、ミステリアスな雰囲気が漂い、人々を魅了させる。
俺は鴉の虜になってしまった。
鴉の餌になったのだ。
いつしか俺は、自害を成すように鴉を探した。
それは自分の好奇心という欲を満たす為。
そしてある日、ついに見つけたのだ。
それは試合が終了し、ロビーで休息をとっていた時だった。
覆面越しの瞳とばちりと衝突する。
俺からしたら奴の瞳は見えないが、確かに奴と目が合った。
瞬間、体を動かすことができなくなり、口すらも思うように動かなくなる。
空いた口が塞がらなくて、指を動かすという些細な動作すらもできない。
体の動作が疎かになってしまう程に、好奇心が煮えたぎっている。
奴の事が気になって仕方ない。
俺が気づいた時には、もう既に奴に声をかけようとしていた。
だが、声をかけようとすればする程に、勇気が出ない。
おかしいな、ひ弱なはずではないのに。
そんな不可思議な俺を見て、奴は注意深く凝視をしている。
気味が悪げに首を傾げると、甲冑の音を響かせる。
まずい、このままだと逃げられてしまう。
そう悟ってしまえば、不思議と奴に手が出た。
俺に触れられ、死神鳥が振り返る。
今しかチャンスはない。
軽く息を吸い込み、吐く。
そしてそのまま、問いかけた。
もう分かりきっているはずの、問いかけの答えを。
「……なぁ、あんた、名前は?」
鴉の羽が宙を舞う。
嗚呼、俺はもう貴方の得物になってしまった。