海底旅行への準備が整った
まだ春の冷たい海風が
頬を撫でた
靴を投げ捨てて
波打ち際に歩く
白いワンピースが揺れた
…ちょっとまだ冷たいな
膝まで海に浸かりながら
色んなことを思い出す
辛かった事も
波の音でかき消される
涙も海に溶けていった
…頃合かな
深い所へ
歩いて
歩いて
何のために?
─水平線の向こうを見るために
莫大な距離
でも
これなら見れるはず
まだ春の冷たい海に
包まれて
…さようなら
私は静かに目を瞑った
小さい泡と共に
麦わら帽子が
群青の水面に浮かんでいた
ℯ𝓃𝒹
コメント
4件
すごく言葉遣いが良くて ずっと見てられます!!
雰囲気好きです…!!✨