杏堂〇〇
コツコツコツ
軽い食事を両手に地下牢獄への階段を降りていく。
ポートマフィアビルのどの場所よりも暗く陽の当たらない其処に あの人が囚われていた。
杏堂〇〇
太宰、元気してる?
太宰治
おや〇〇
太宰治
残念ながら、この通りピンピンしているよ
鎖に繋がれた腕を軽く動かして笑ってみせるのは 誰よりも此の牢獄を知っているあの太宰だった。
突然のポートマフィアの任務放棄や失踪。
探偵社に入って楯突く其の余りに身勝手な行動に寄り 只今絶賛処刑待ちだ。
杏堂〇〇
お腹空いてるでしょ
杏堂〇〇
これ食事
太宰治
良いのかい?
太宰治
裏切り者の虜囚に食事なんて振舞って
杏堂〇〇
未だ此処に居ることになるし
杏堂〇〇
空腹じゃ余りに可哀想過ぎるからね
杏堂〇〇
首領に許可を貰ったよ
太宰に皿に乗った二つのサンドウィッチを見せる。
太宰治
囚われ身の私を案じて気を使ってくれたのか
太宰治
〇〇は優しいねぇ
太宰治
いっその事私と心中す((モゴッ!
調子に乗った太宰の口にサンドウィッチを押し込む。
太宰治
むぐ、随分と激しい愛情表現だね
太宰治
こんなに勢いのあるアーンは見た事が無いよ
杏堂〇〇
喉の奥まで突っ込んで欲しいって?
太宰治
云ってません
モグモグとサンドウィッチを噛みながら話す太宰。
太宰治
このサンドウィッチ美味しいね
太宰治
ゴクン、何処で買ったんだい?
杏堂〇〇
私の手作り
云った瞬間、太宰がゲホゲホと咳き込み始める。
杏堂〇〇
え、何、大丈夫?
太宰治
ん"ん、済まない
太宰治
一寸吃驚して…
と、頭をブンブン横振りしながら俯く。
太宰治
……
杏堂〇〇
あれれ、もしかして照れてる?
と揶揄ってみれば顔を上げてムッとした様に太宰が云った。
太宰治
…後で覚えときなよ
杏堂〇〇
???
太宰治
あのねぇ、簡単に女性が
手作り料理を異性に振る舞うなんてねぇ
手作り料理を異性に振る舞うなんてねぇ
太宰治
〇〇は気にして無いかもしれないけど大問題だよ
太宰治
其れが何とも無い女性からならまだしも
太宰治
好きな女性の手作りなんて食べたらねぇ
黙っていたと思ったら今度は早口で説教を始める。
暗くて気付かなかったが、 よく見たら耳がほんのり赤くなっていた。
杏堂〇〇
ふふっ、太宰も照れるんだね
太宰治
なっ…ちゃんと反省しているのかい?
杏堂〇〇
してるしてる
太宰治
……
杏堂〇〇
大丈夫だって
杏堂〇〇
心配しなくても
手作り食べさせたのは太宰が初めてだよ
手作り食べさせたのは太宰が初めてだよ
太宰治
!!
杏堂〇〇
あ、提出しなきゃいけない書類があるんだった!
杏堂〇〇
残りはまた後でね!!
緊急で首領に提出する書類の事を思い出し、 太宰に一言云って私はその場を後にした。
太宰治
……っ、あの鈍感〇〇め…//






