特別な血

俺の血は特別なんだって

どんな傷でも飲めば治せる血なんだって

すごい血だから保護されるんだって

…前の生活に戻りたいな

ここに来てどれくらい経ったのだろう

あの日から、毎日が痛い

ﾊﾞﾀﾝｯ

物心ついた時から父はいなかった

母さんは浮気されて離婚したとか言ってたかな

母さんは悲しかったはずなのに俺がこんな血を持ってたから

更に母さんが苦しんだ

あの日から毎日、あいつが来た

攫われる危険があったから学校にも行けず

ただでさえお金がなくて生きてくのに必死なのに

あいつが来るせいで母さんは仕事に行けず

その選択が間違ってたんだ

不良な事故

神様は味方してくれない

どこにも逃がしてくれない

目の前に広がるのはただただ赤い炎

俺は

全てがどうでもよかったんだ

まだ幼くて親戚も誰もいないから

ただ着いていくことしかできなくて

そんな無力な俺が

大嫌いで、

どうやらここは悪い所らしい

詳しくは知らないけど、

ばかな見張りがうっかり言ってた

お前は悪い所に捕まったんだって

どうでもいいけどね、もう

まずは見張りの人が起こしに来るそして

血を抜かれる

そして身体チェック

どこか悪い所があったら困るから、病気にならないようにしてるらしい

この人は俺と同じで捕まった人

だから俺を心配してる

やりたくないのにやって何がいいのだろう

起きて血を取り体調確認ご飯を食べて血を取って寝るの繰り返し

笑うことすら忘れた

泣くことすらも忘れた

そんな夢小説とかによくあることが

自分の身体に今おきてる

現実は甘くない

そんな夢を見て何年経ったか

特別な力を持って人に愛されるのは

ﾊﾞﾀﾊﾞﾀｯｶﾞﾔｶﾞﾔ『外から』

ドガァッーンッ！！！！！！

どのみち俺には関係ない

たとえ殺されたとしても母さんの所に行けるなら好都合だし

殺されなかったらまたこの毎日の繰り返しなだけだし

バンッ！！！

🍵