瀬川 結月
お願い
瀬川 結月
…先生でも、いいから
瀬川 結月
私と恋してください
鈴原 千紘
鈴原 千紘
ごめん…
鈴原 千紘
それは無理だよ
瀬川 結月
…ずっと、好きだったのに
鈴原 千紘
…ごめんね
鈴原 千紘
でも先生と生徒だから
瀬川 結月
(千紘くんが先生になるために頑張ってたの、知ってる)
瀬川 結月
(やっと叶った夢を邪魔したいわけじゃない)
瀬川 結月
(…仕方ない、のかな)
鈴原 千紘
…じゃあ、また明日
鈴原 千紘
おやすみ
瀬川 結月
…おやすみ
高木 由良
結月〜!
高木 由良
ハッピーバースデー!
瀬川 結月
わーい、ありがとう!
瀬川 結月
覚えててくれたの!?
高木 由良
まあ、好きだった人が先生になったり
高木 由良
告白して振られたり
高木 由良
全然ハッピーじゃない誕生日かもしれないけど
瀬川 結月
その冗談、笑えないって…
瀬川 結月
まあ、ありがとう
高木 由良
はいこれ、プレゼント
瀬川 結月
わ、可愛い
瀬川 結月
グロス?
高木 由良
そう、これで鈴原先生をドキドキさせよう!
瀬川 結月
由良〜!
瀬川 結月
(何だかんだ優しいなぁ)
瀬川 結月
(誕生日かぁ)
瀬川 結月
(今までは千紘くん、お祝いしてくれたけど)
瀬川 結月
(きっと今年は無理だよね)
瀬川 結月
(そもそも、覚えてないかもしれないし)
瀬川 結月
(新任の先生で環境も変わって、忙しそうだし…)
瀬川 結月
(いつも、夜になると呼び出してくれて)
瀬川 結月
(一緒にコンビニのケーキ買いに行くの)
瀬川 結月
(楽しかったなぁ…)
瀬川 結月
(コンビニの安いケーキがあんなに美味しかったのも)
瀬川 結月
(千紘くんと一緒だったからなのに…)
瀬川 結月
(千紘くんが先生になってなかったら)
瀬川 結月
(恋人の千紘くんにお祝いしてもらえたのかなぁ)
瀬川 結月
(…なんて、そんなわけないか)
鈴原 千紘
外出て来られる?
鈴原 千紘
家の前
瀬川 結月
(まさか…)
瀬川 結月
千紘くん…!
鈴原 千紘
誕生日おめでとう
瀬川 結月
お、覚えててくれたの…?
鈴原 千紘
当たり前だろ
鈴原 千紘
毎年祝ってるじゃん
瀬川 結月
今年はないと思った…
鈴原 千紘
…コンビニ、行く?
鈴原 千紘
って、もう17歳だしそんな安いケーキいらないか
鈴原 千紘
ケーキ屋近くにあったっけな…
瀬川 結月
ううん、いい
瀬川 結月
コンビニのケーキがいい
瀬川 結月
(だって千紘くんからのプレゼントだって感じがするもん)
瀬川 結月
(毎年覚えててくれてるんだって、実感できるもん)
鈴原 千紘
…そう?
鈴原 千紘
じゃあ行くか
瀬川 結月
(夜の道を、千紘くんと歩くのが好きだったんだよね)
瀬川 結月
ふたつもよかったの…?
鈴原 千紘
いいよ、そのくらい
鈴原 千紘
ショートケーキかチョコか選べなかったんだろ?
瀬川 結月
うん、ありがとう!
鈴原 千紘
やっぱり外で食べるケーキって美味いな
瀬川 結月
私もそれ思ってた
瀬川 結月
(明日学校に行ったら、千紘くんは鈴原先生で)
瀬川 結月
(私は先生の生徒で)
瀬川 結月
(もう望みなんてないのに)
鈴原 千紘
…よし、そろそろ帰るか
瀬川 結月
うん…
鈴原 千紘
…あ、そうだ
鈴原 千紘
似合ってるじゃん、そのグロス
瀬川 結月
っ…
瀬川 結月
(意地悪な笑顔は確信犯)
瀬川 結月
(本当に)
瀬川 結月
ずるい人…