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カリカリ…_
止まらない鉛筆の音がドア越しに聞こえる
ずっとこの音を聴いていたい
でもドアを開けて話もしたい
蘭華
ガラガラ、_
昭和みたいな南京錠つきのドアが開く
紗
紗
どっ、どっ…_
唯一、私のことを苗字で呼ぶ紗の
少し低い声が私の鼓動を速めさせる
蘭華
紗
紗
蘭華
……そう
紗とは半年に一度だけ会える
親友が半年に一度委員会で集まるから
紗
蘭華
紗
紗
蘭華
蘭華
紗
蘭華
紗
おかしい人、と
口元を隠しながら笑う紗の体が揺れて髪がうごく
そのとき一瞬だけ見える涼しい目が
何か私と違う世界を見てるみたいでとても好き
蘭華
紗の顔をたくさんみれるなら_
紗
蘭華
紗
紗
紗
紗はときどき、私に歌を歌ってほしいという
もちろん良いんだけど、なんだか気恥ずかしい
蘭華
紗
蘭華
紗
私が歌う曲は決まってボーカロイドだった
あの息がしづらい教室から抜け出して自分をさらけ出すのには
ボーカロイドが1番しっくりくる
紗
紗
そして紗は
一曲一曲うたの感想をくれる
蘭華
私はこの紗との時間がなにより好き
永遠に続けばいいと思う
蘭華
紗
どくん、っ_
心臓が飛び跳ねたのがわかる
現実に引き戻されたみたいだ
蘭華
紗
紗
蘭華
蘭華
蘭華
紗
蘭華
蘭華
紗
蘭華
紗
紗
蘭華
私は、紗の小説がすきだ
昔っぽい話の綴りかたが私に笑みを浮かばせる
ほんとに、私と紗は生きてる時代が違うみたいに_
まあ、そんなこと無いんだけど
紗
蘭華
紗
どんどんっ!!
ドアが叩かれている
クラスメイト
クラスメイト
蘭華
どうしよう、どうしたら良いの
この教室には、残さないといけない作品がたくさんあるのに
紗との、思い出があるのに
蘭華
紗
蘭華
紗
紗
蘭華
紗
ああ、どうしよう
その言葉だけは食い止めないと
言葉にされたら、もう紗とはいれなくなる
蘭華
紗の口を押さえようとした
止めないといけないから
なのに
蘭華
私の手が紗の体をすり抜けていく
紗
紗
蘭華
蘭華
紗
びくっ、
紗
紗
思い出したくもない
おぞましい記憶がよみがえってくる
蘭華
蘭華
紗
紗
蘭華
紗
紗
紗
蘭華
紗
蘭華
蘭華
蘭華
紗
紗