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#3ck!
みか
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――昔から、俺は
「yaくんって、しっかりしてるよね!」
「yaなら任せられるよ!」
「yaくん、これお願いしてもいい?」
そんな言葉を、よくかけられていた
最初は、嬉しかった 頼られることが嬉しかった 自分が頑張れば、誰かの役に立てる 自分がしっかりしていれば、みんなが安心してくれる そう思っていたから
だから俺は、頼まれたことを断らなかった
委員会の仕事も クラスのまとめ役も 面倒な作業も
「いいよ、俺がやる!」
笑顔でそう答えていた ……いつからだったんだろう それが、少しずつ苦しくなったのは
高校一年生の頃 俺は、初めて生徒会の仕事を任された
最初は簡単な仕事だった 書類をまとめたり、先生に連絡したり でも、俺が引き受けると、周りはどんどん仕事を任せてくるようになった
生徒会
生徒会
生徒会
ya
……大丈夫 その言葉を聞くたびに、俺は笑った
本当は、友達と遊びたかった日もあった 家に帰って、何も考えずにゲームをしたい日もあった 誰かに「疲れた」って言いたい日もあった
でも…
『yaならできるよ!』
その言葉を裏切りたくなかった 期待されなくなるのが、怖かった もし俺が仕事を断ったら もし俺が失敗したら もし俺が、みんなの思っている「しっかり者」じゃなかったら
……誰も、俺を頼ってくれなくなるんじゃないか そんなことばかり考えていた だから、頑張った
どれだけ忙しくても どれだけ疲れていても 「大丈夫」って笑った そうしていれば、少なくとも 誰かに必要とされている気がしたから
ある日の放課後 俺は、教室でひとり書類を整理していた 窓の外では、クラスメイトたちが楽しそうに話している
友達
友達
声をかけられて、俺は顔を上げた
友達
相手はあっさり頷いた
友達
ya
そう言って、みんなは教室を出ていった ……また今度
その言葉を聞いて、少しだけ寂しくなった でも、仕方ない 俺が自分で引き受けた仕事だ
みんなだって、悪気があったわけじゃない そう思いながら、書類に目を落とした
そのとき ぽたり、と 紙の上に、小さな水滴が落ちた
ya
慌てて目元を拭う 泣くつもりなんてなかった ただ、少し疲れていただけ 本当に、それだけだった
ya
誰もいない教室で、俺はひとり笑った 笑っていれば、平気な気がした
それから俺は、ますます「しっかり者」になった 先生からの評価も上がった クラスメイトから頼られることも増えた
そして、いつの間にか 生徒会長になっていた
「ゆあんくんなら、絶対いい生徒会長になれるよ!」
そう言われたとき、俺は笑顔で頷いた
ya
嬉しかった 期待してもらえるのは、嬉しかった だけど、同時に思った
――もう、失敗できない。
みんなが期待してくれている みんなが俺を頼ってくれている だったら、応えなきゃ もっと頑張らなきゃ もっと、しっかりしなきゃ
そうやって、自分に言い聞かせるようになった 弱音を吐くことは、いつの間にか苦手になっていた
「疲れた」と言う代わりに、「大丈夫」と言った 「手伝って」と言う代わりに、「俺がやる」と言った
本当は、誰かに気づいてほしかったのかもしれない でも、自分から助けを求めることはできなかった
……だって しっかりしていることが、俺の価値だと思っていたから
そんなときurに出会った
校則違反をしていて注意しても何も聞かない
そんなurが羨ましかった 妬ましかった
自由に自分の気持ちを言えるurと 助けてすら言えない俺
会うたびに、見るたびに 腹の底から何かが湧いて出た
だから少しでもそれを少なくするために urにその分からない感情をぶつけてしまった
本当はそんなふうに話したいんじゃないのに 口は言うことを聞かなかった
でも urがiruってことを知った日から世界が変わった
urと俺は自然に話せた 腹の底から湧いて出た何かも知らぬ間に消えていた
urはみんなと違うかった
俺に「しっかりしてるね」とは言わない 「生徒会長なんだから頑張れ」とも言わない
むしろ
「無理すんなよ」とか 「ひとりで抱え込むなよ」とか そんなことばかり言ってくる
urと俺は正反対の人間 ……なのに うりの前では、少しだけ 「しっかりしていなきゃ」という気持ちが薄れる
うまく言葉にできなくても 疲れた顔をしてしまっても こいつは、きっと笑わない そう思えるようになっていた
urはただ淡々と聞いた 何も言わずに、何も聞かずに
ya
ya
ya
ur
ya
ur
ya
俺は笑みが溢れた
ya
ur
ya
ur
そうして俺達は夕焼けの道を帰っていった
コメント
1件
うわあ……yaくんの「ちゃんとしなきゃ」がじわじわと重くなっていく感じ、すごく伝わってきた。誰もいない教室でぽろっと泣いちゃうところ、胸がぎゅっとなったよ。でも最後にurと笑い合えて、ちょっと肩の荷が下りたんじゃないかな。二人の距離感が絶妙で、この先も見守りたくなるエピソードだった!