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ジェイド

では、レイさん出遅れてしまいましたが、実験を始めましょう

レイ

………っビクッ

僕たちは実験を始めた。実験を始めてからチラチラとレイさんはリドルさんの方を見ていた。

それはまるで、怯えた子犬のような顔だった。そんな顔を見るだけで、僕の事が苦手なんだと嫌でも思い知らされる。

ジェイド

(そんな顔をしないで…)

何故僕は今まで気が付かなかったのだろう。僕を見るレイさんの顔がこんなにも怯えたものだった事を…。

僕は貴方に焦がれ、貴方をずっと見てきた。なのに実際はどうだ?レイさんをこんな顔にさせているのは自分自身ではないのか?

ジェイド

(僕の勝手な独りよがりだったと言う事ですね…)

だからと言って、このままにする訳にはいかない。僕は決意を固めてレイさんに問う。

ジェイド

貴方の時間を僕に下さいませんか?貴方としっかり話し合いをしたいです。

少しばかりの沈黙の後、僕が話しかけるとレイさんはビクビクッと反応を示した。フロイドの言葉を借りるなら甘エビのように…

レイ

:(;゙゚'ω゚'):ビクビクッ

レイ

………対価は?

ジェイド

貴方が払う必要はありません。

ジェイド

ただ…

ジェイド

僕が貴方との時間を欲し、それを貴方は受け入れて下さりました。なので僕が貴方に対価を支払わさせて頂きます。

貴方が対価を支払う心配なんてする必要がない。僕が貴方に返して行かなければならないのだ。それなのに…

ジェイド

(こんな状況で、貴方と、レイさんとお話しできて嬉しいと思ってしまいました。)

ジェイド

(貴方の側に居られるだけでこんなにも心が満たされていくのですね…)

僕は重症ですね…(苦笑)今この時の1秒1秒に僕は幸せを感じている。

ジェイド

(一生掛けても貴方への対価として返し切れるでしょうか)

レイ

そ、そんなの大丈夫です!

レイ

(なんか怖いので遠慮したい…)

ジェイド

(僕からの対価が恐ろしいと言った表情でしょうか?)

ジェイド

そんなに怖がらないで…

ジェイド

こちら、モストロラウンジの券です。是非お友達と遊びに来て下さい^ ^

僕は強引にレイさんに券を渡した。そうでもしなければ、本当にもう貴方との関わりを持てない気がして堪らなかった…

レイ

有難うございます…😅

レイ

あの先輩…

ジェイド

はい、何でしょう?

レイ

今は錬金術に集中して、放課後にお話ししたのでも、宜しいですか?

ジェイド

はい、勿論です。

ジェイド

そこまで気が回っていませんでした、すみません

レイ

いえいえ!大丈夫ですよ

本当に気が回っていなかった。それ程までに僕は必死なのだと再認識させられる

ジェイド

大分遅れてしまいましたね、ですが直ぐに終わらせましょう^ ^

今回の実験はきのこ実験で良く僕が試している方法の元祖だ。

ジェイド

一刻を早く終わらせましょう

レイ

はいっ、

〜放課後〜

レイさんが「場所、僕が決めてもいいですか?」と言ったので僕はそれにのった。でもまさか、

ジェイド

(こんな場所があったなんて…)

僕はフロイドやアズールと、あまり知られていない場所にモストロラウンジ関係で訪れる。対価を支払わない無慈悲な輩の為に^ ^

だから、僕が知らない場所などここには無いのだとそう思い込んでいた。なので少しばかり驚いてしまった。

レイ

…ところで話しってなんですか?

レイさんの声で僕の意識は現実へと戻される

ジェイド

あ、そうでしたね。では本題に入ります^ ^

緊張で今にも崩れてしまいそうな顔に終止符を打つかのように僕は喝を入れた。

ジェイド

僕は、

ジェイド

僕はレイさん、貴方が好きです。

ジェイド

(言ってしまいました…)

レイ

…へ?

レイさんが大きな目をさらに大きくして放心してしまった。

そんなレイさんに構わず、僕は僕の心を貴方に届けと露わにする。

ジェイド

レイさん。貴方は僕がユウさんの事が好きだと言いました。

ジェイド

違う、違います!僕が好きなのは貴方です!貴方なんです!

好きという気持ちがとめどなく溢れ出す。

ジェイド

貴方のことが好きで好きでどう話せば良いか分からず、怖い顔になってしまっていたのでしょう。

ジェイド

僕は貴方にユウさんを取られて嫉妬している訳でも、暇つぶしの道具だと思っている訳でもありません!

ジェイド

ましてや、つまらない人だなんて思っていません!

ジェイド

この世界の事に無知で馬鹿だなと嘲笑った事など一度もありません!

貴方に伝わって欲しくて。僕を信じて欲しくて。僕の本当を知って欲しくて。

ジェイド

僕は、僕は…。

ジェイド

どうしようもなく貴方が好きです…

そして、今度こそは、僕の気持ちを嘘で片付けないで…

レイ

……有難うございます。

レイ

先輩って優しいですよね、

ジェイド

そんな事はありませ

レイ

そんな事あります!!

ジェイド

レイさん?

レイ

オクタヴィネル寮は慈悲の精神に基づく寮でしたね?

レイ

だからなのか、ジェイド先輩もフロイド先輩もアズール先輩も、何かと言って優しいですよね。

レイ

ジェイド先輩が沢山のプリントを運ぶ生徒を見かけて手伝っていたのを知っています。それも自分も〇〇先生に用事があったとか、運動しないとと思っていたとか適当に理由を付けて。それに今にも枯れてしまいそうだった花に水をやっていたのを。先輩、キノコが好きなのにそれ以外の植物も助けるんだって思って…。

レイ

フロイド先輩は色んな生徒に締めるぞとよく言っていますが、よく見ればフロイド先輩から相手を締めて、痛ぶるなんて事してこなかった。例え理不尽にエース達を締めたとしても、それは本気じゃなくて戯れだった。それに攻撃魔法を使うとしても、関係ない人に当たらないようにって配慮して…

レイ

アズール先輩はモストロラウンジを成功させた。一見商売目当てに見えますが、あんなに成功したのはアズール先輩が人が喜ぶ商品を発案したからだと思うんです。それが出来るって事は沢山の人の心に触れたからで、優しくないとできない事の筈です。

ジェイド

……何が言いたいのですか?

レイ

つまり、慈悲深い先輩に気を使わせてしまってすみませんでした。

ジェイド

え?

ジェイド

(何を言っているのか分からない…)

レイ

僕を慰めてくれたこと

レイ

先輩が僕を好きだと言ってくれたこと

レイ

そして、ユウの事が好きなのに僕を好きだと嘘を吐かせてしまったこと

レイ

本当にすみませんでした。

ジェイド

謝らないで、、

ジェイド

ですが、僕が言った事は本心でっ

レイ

先輩の優しい嘘はわたっ、僕にとってとても残酷なものです。

レイ

……僕に光を見せないで、?

そこで初めてレイさんの闇を見た気がする。この人はきっと誰かに裏切られた事があるんだと直感的に思った。

ジェイド

レ、イさん…

レイ

先輩、ごめんなさい。先輩を信じる事ができない…

そう言ったレイさんは走って校舎へと戻っていった。それを僕は追いかけず眺めた。いや、眺める事しか出来なかった。

レイさんを追いかけては逆に、もう会えなくなるような気がした。僕の目には彼の背中は触れたら消えそうな程脆く写った。

ジェイド

ハハッ、僕は意気地無しですね…

乾いた笑いは彼には届く事はなく、今の僕を嘲笑っう可憐な木々の糧となった

ジェイド

それでも…

ジェイド

(貴方が僕を信じられないのであれば…)

僕は何度でも貴方に好きだと伝えます。

そう、何度でも何度でもこの場所で…

ジェイド

人魚を舐めないで下さいね、レイさん^ ^

今になって動き出す体に悪態を吐き、苦笑した。そして僕は誓う

「貴方に光を届ける」と。

男装監督生(レイ)は愛されていることに気づいていない〜完結〜

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