葛葉
叶と出会ったのは、これでもう何回目だろうか。
葛葉
初めて出会ったのは、約150年前の教会。
葛葉
最初アイツ、
叶
『こんにちは。』
葛葉
なんて言いながら、俺のこめかみに銃を突き付けてきたもんだ。
葛葉
唐突過ぎて何も言えなかった…汗
葛葉
始めこそそんな出会い方だったが、
一緒に過ごす中で徐々に親近感が芽生えてきた。
一緒に過ごす中で徐々に親近感が芽生えてきた。
葛葉
叶といるのが、あんまり楽しくて。
葛葉
…でも、叶は人間。
葛葉
人間はいつか死ぬもの。
葛葉
吸血鬼である俺の存在を隠していた叶は、教会から追われる身となっていた。
葛葉
教会からの追っ手を逃れながら生きる日々。
叶
『ふふっ、なんだか物騒な事になってしまいましたね。』
葛葉
叶はいつも笑ってみせたが、追っ手から逃れる際に追った傷跡が、
とても痛々しかった。
とても痛々しかった。
葛葉
いつか、叶が死んでしまったら、
俺の前から消えてしまったら…。
俺の前から消えてしまったら…。
葛葉
そんな不安が日に日に強くなっていった。
葛葉
その不安は当たってしまった。
葛葉
俺が外の様子を見てくるなんて言って、
叶を一人にしたから。
叶を一人にしたから。
葛葉
油断していた。
葛葉
身を隠していた拠点に戻った俺の目に映ったのは、
葛葉
血まみれで力なく倒れている叶の姿。
葛葉
『…!!、叶っ!』
叶
『不覚でした。
あなたがいない所を狙って来るとは。』
あなたがいない所を狙って来るとは。』
叶
『彼らにとって吸血鬼であるあなたは、
私よりもずっと厄介ですからね。』
私よりもずっと厄介ですからね。』
叶
『なんせあなたは不死身。
いくら傷を負ってもすぐ回復しますから。』
いくら傷を負ってもすぐ回復しますから。』
葛葉
『なんでそんな余裕なんだよ…っ、
頼むから死ぬな!絶対助けるから!!』
頼むから死ぬな!絶対助けるから!!』
葛葉
でも、外は危険。
今出ても、確実に詰むだけ。
今出ても、確実に詰むだけ。
葛葉
判断しようとしている間にも、
叶の心音は小さく、弱くなっていく。
叶の心音は小さく、弱くなっていく。
葛葉
『どうしたら…。』
叶
『もう無理ですよ。
私は死にます。』
私は死にます。』
叶
『…短い時間でしたが、
あなたといる事ができて、とても幸せでした。』
あなたといる事ができて、とても幸せでした。』
葛葉
『叶…。』
叶
『さようなら。また何処かで会いましょう。』
ー数日後ー
葛葉
叶を救えなかった。
葛葉
その罪悪感がずっと俺の中にしがみついて離れない。
葛葉
叶が死んだ後は、どうしようもない喪失感が生活を満たしていて、
何をするにもつまらなかった。
何をするにもつまらなかった。
葛葉
もう一度、会えたらーー。