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ユーフォリア #1

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ユーフォリア #1

1 - ユーフォリア #1

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2022年02月09日

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葛葉

叶と出会ったのは、これでもう何回目だろうか。

葛葉

初めて出会ったのは、約150年前の教会。

葛葉

最初アイツ、

『こんにちは。』

葛葉

なんて言いながら、俺のこめかみに銃を突き付けてきたもんだ。

葛葉

唐突過ぎて何も言えなかった…汗

葛葉

始めこそそんな出会い方だったが、
一緒に過ごす中で徐々に親近感が芽生えてきた。

葛葉

叶といるのが、あんまり楽しくて。

葛葉

…でも、叶は人間。

葛葉

人間はいつか死ぬもの。

葛葉

吸血鬼である俺の存在を隠していた叶は、教会から追われる身となっていた。

葛葉

教会からの追っ手を逃れながら生きる日々。

『ふふっ、なんだか物騒な事になってしまいましたね。』

葛葉

叶はいつも笑ってみせたが、追っ手から逃れる際に追った傷跡が、
とても痛々しかった。

葛葉

いつか、叶が死んでしまったら、
俺の前から消えてしまったら…。

葛葉

そんな不安が日に日に強くなっていった。

葛葉

その不安は当たってしまった。

葛葉

俺が外の様子を見てくるなんて言って、
叶を一人にしたから。

葛葉

油断していた。

葛葉

身を隠していた拠点に戻った俺の目に映ったのは、

葛葉

血まみれで力なく倒れている叶の姿。

葛葉

『…!!、叶っ!』

『不覚でした。
あなたがいない所を狙って来るとは。』

『彼らにとって吸血鬼であるあなたは、
私よりもずっと厄介ですからね。』

『なんせあなたは不死身。
いくら傷を負ってもすぐ回復しますから。』

葛葉

『なんでそんな余裕なんだよ…っ、
頼むから死ぬな!絶対助けるから!!』

葛葉

でも、外は危険。
今出ても、確実に詰むだけ。

葛葉

判断しようとしている間にも、
叶の心音は小さく、弱くなっていく。

葛葉

『どうしたら…。』

『もう無理ですよ。
私は死にます。』

『…短い時間でしたが、
あなたといる事ができて、とても幸せでした。』

葛葉

『叶…。』

『さようなら。また何処かで会いましょう。』

ー数日後ー

葛葉

叶を救えなかった。

葛葉

その罪悪感がずっと俺の中にしがみついて離れない。

葛葉

叶が死んだ後は、どうしようもない喪失感が生活を満たしていて、
何をするにもつまらなかった。

葛葉

もう一度、会えたらーー。

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