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ゆっきーな
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「ハッピーバレンタイン!」
学校の帰り道、まふゆは駅前のショーウィンドウを見つめていた
町はチョコレートの甘い香りと、広告の真っ赤なハートに溢れている
まふゆ
まふゆ
まふゆ
ふと、まふゆの脳裏に、いつも眩しいほど一生懸命な咲希の姿が浮かぶ
まふゆ
まふゆ
咲希の「明るさ」が時折見せる、切ないまでの献身
それを知ってしまったからこそ、まふゆの胸に、名もなきざわめきが生まれた
雫
不意に、霧を晴らすような穏やかな声がした
振り返ると、そこには同じ弓道部の日野森雫が、大量の紙袋を抱えて立っていた
まふゆ
雫
雫
雫は、方向音痴の彼女にしては珍しく、確かな目的を持ってここに来たようだった
彼女の瞳には、大切な人を想う純粋な輝きが宿っている
まふゆ
雫
まふゆ
まふゆ
まふゆの口から漏れた、初めての個人的な「欲求」
ナイトコードという暗闇の中で、自分を「雪」ではなく「まふゆ」として呼んでくれる、歪で優しい仲間たち
彼らに何かを返したい
けれど、チョコレートのような、食べて消えてしまう「正解」の品物では、何かが足りない気がしていた
雫
まふゆ
雫
雫
雫
まふゆ
雫
まふゆ
雫
雫
まふゆ
雫
まふゆは雫の腕を引いて手芸屋に向かった
その夜
まふゆの机の上には、参考書の代わりに、雫から教わった刺繍セットが置かれていた
針を持つ指先はまだ不慣れで、何を縫えばいいのかも分からない
けれど、まふゆは思い出す
オレンジ色の髪を跳ねさせて笑う彰人
紫色の瞳で怪しげに、けれど優しく導く類
そして、誰よりも「光」を届けようとしてくれる、咲希
まふゆ
まふゆが選び取った糸は、彼女の瞳の色によく似た、透き通った紫と、咲希を想わせる温かな黄色だった