テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

最近夢で見た話

一覧ページ

「最近夢で見た話」のメインビジュアル

最近夢で見た話

1 - 最近夢で見た話

♥

10

2021年05月15日

シェアするシェアする
報告する

気がつけば、私は知らない場所を歩いていた。

細く薄暗い、何かの内部通路の様なところを。

周りは床も壁も全て鉄で出来ている様で、

窓も無く殺風景な通路だった。

でも一番気になるのは、

私の前を歩く、三人の人達。

何故か一言も喋らないし、誰も後ろを向かないから、

この人達を知っているかすらわからない。

ただ私も含め4人、1列で歩き続けていた。

暫く歩いていると、行き止まりになった。

目の前には八角形の大きな鉄板が見えている。

もしかしたら扉かもしれないが、鍵は無いらしくこのままでは進めない。

少し心配になったその時、

先頭の人が、前を向いたまま、

A

──────すればいいんじゃないか

と、この先へ進む方法を提案した。

一番後ろからだったからか、よく聞き取れなかった。

しかし、その人が言い終えると

八角形の鉄は音も立てずに横にすーっと開き

案を挙げた人がその向こう側に入りきった瞬間に

バタン!!!

と、今度は大きな音を立てものすごい速度で閉じてしまった。

私を含めた三人は、扉の前に取り残された。

が、

その状況に焦っていたのはどうやら私だけで、

他の二人は焦りも慌てもせず、ただ黙って前を向いていた。

─────────────……

……

…………あれっ

気がつくと、また私は歩いていた。

どうしてまた歩いているのか思い出せない。

歩いていたのは、さっきと同じに見える通路。

違うのは、三人で歩いているということ。

…扉の前からここに来るまでがどうだったかの記憶が全く無い。

何だか不安になって、俯く。

それでも、何となく止まっちゃいけない気がして、私は歩く。

コツ、コツ、コツ、……

一定間隔のまばらな足音が響く。

コツ、コツ、…コツン。

前の人の足が止まった。

何だろうと思い顔を上げると、

そこにはまた八角形の鉄扉があった。

でも、何故かその扉はさっきとは違うものだとすぐにわかった。

すると前は2番目だった今は先頭の女性が、

B

─────したら行けるんじゃない?

と、また前を向いたまま提案したが

……あれ

それほど距離は離れていないのに、またよく聞き取れなかった。

そして、これも同様に扉は音を立てず開く。

今度は違う方向だった。

女性がその扉を通り抜けると、

バターン!!!!

と、同じくらい大きな音を響かせて閉まるのだった。

───────……

(…はっ)

また記憶がなかった。

前を見たら、私の一つ前の男性しかいない。

遂に二人になってしまった。

でも、話しかけようという気は起きない。

多分、聞いてもらえないだろうから。

そしてまた、足音が止む。

…もう、何となくわかる。

また違う、扉の前。

男性は、口を開く。

C

────すれば行けるんじゃないか

やっぱり、聞き取れない。

そもそも、誰に言っているのか。

私に向けてなのか、独り言なのか。

そもそも私の存在を認識しているのか。

全部、わからない。

でも、もうどうでもいい。

だってどうにもならないから。

…助けを求める暇もなく、

扉は静かに開き、

男性が通ると、やっぱり、

バターーン!!!

と、閉まってしまったのだから。

私は、一人、取り残された。

そのときの扉の音は、通路の中をいつまでも木霊していた。

この作品はいかがでしたか?

10

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚