短編集【mfmf】

私を呼ぶ声が聞こえる

声がした方を向くといつも一緒にいる友達の優奈(ゆうな)

と、その彼氏である天月先輩

そう言いながら、２人の元へ行くとごめんごめんなんて良いながら笑う優奈

私に用があるのなら、１人だけの時でも良かったのにと思いながら聞くと

なんて言いながら先輩の方を向く優奈

聞いてなかったんだけどなんだろう

彼女の前で頼むことなら特に不安はないだろう安心しきって話を聞こうとした

相川真冬先輩、通称まふまふ先輩

学校では結構有名な格好いい先輩

でもあの先輩は女好き、と言う噂が流れていて

純粋で彼女に一途な天月先輩からその名前が出ることに驚いてしまった

天月先輩の本当にお願いしたいと言う気持ちが伝わってしまって

思わずokしてしまった

そう言って天月先輩は自分のクラスに戻ろうとした。

そんな言葉を残して

優奈もどういう事かは知ってるみたいだ。

女好きじゃない。その言葉が頭を巡って放課後まで来てしまった。

なんで私なんだろうか。女遊び酷いのを直すならそこら辺の女にでも

頼めば良いじゃないか

それでも受けてしまった願いだ優奈に引っ張られながらも

先輩たちのクラスに来てしまった

ニコニコしてそう言う天月先輩

そして天月先輩の後ろに見える白髪の先輩

……相川先輩

天月先輩が相川先輩に呼び掛ければﾋﾟｸと軽く反応する

椅子に座ってスマホをいじっていたが放り出してこっちに来た

…………うわ、背たっか

耳通りの良いソプラノの声、とりあえず私も挨拶を返す

上手く言葉が見つからず迷ってしまった

すると

相川先輩の顔を見るとニコニコしている

ちょっと怖い気持ちもありながら言う

相川先輩は特に変わる様子もなく

なんで私が悪いみたいになってんの？

意味が分からないんですけど、え、やめて良いですかねこのお手伝い

こんなに軽くて良かったのかな

こうしないと、先輩に好きな人が出来た時にまた捨てられた

みたいに、変な噂がたってしまう

手伝いをするのに悪化させるのは良くないから、それだけ

数ヶ月後

今は本当に真冬先輩の女たらしとかそう言うものは無くなって

噂も消えかけている頃

周りから見たらカップルだと思われてるのかな

いや、まぁあってはいるんだけど

真冬先輩の方をﾁﾗｯと見る

白髪の髪

長いまつ毛

綺麗な瞳

顔立ちの良い先輩にとっては全てが素敵に繋がるパーツとなる

そう言ってまたいちごミルクのストローに口を付ける

…………綺麗だなぁ、格好いいなぁ

先輩と近づいて分かった

先輩は女の子好きな訳じゃない

男の子も女の子も寄ってくる素敵な人なんだ

女の人が目立っているだけで

更に優しいから、友達として女の子を見ているからこそ

連絡も沢山とるのだろう

……………ここまで理解してるなら自分で分かっているじゃないか

真冬先輩はなにも悪くない

直す必要はないって

私が真冬先輩を直すだなんて良いながら

仮だったとしても

彼女と言う立場から

離れたくないだけなんだ

貴方なんですけどね、でもこんな周りからも羨ましい立場に

”片思い”と言う形でいたくない

先輩の表情を確認するため少し様子を見る

最初の怖かった雰囲気から寂しそうな声色に変わる

そうして、立ってどこか行きそうな真冬先輩の袖を掴む

言える、さっきの反応的に先輩は私の事嫌いではないはずだから

はてなを浮かべて顔を真っ赤にする先輩

そう言って顔を掴まれる

す、好きな子からって言った！？

そう言ってしゃがみこむ先輩

ずっと黙ってると先輩が口を開いた

そう言って手を握ってくる

その言葉を発した後

先輩は私の手の甲にキスをした______

後日談

変な音程で挨拶をしながら入ってきたのは

ボクの大親友であり、クロアちゃんの友達の彼氏である

天月　翔(あまつき　かける)

そんなこと言うや否や

ボクの前のあまちゃんの机の椅子に座り

と、聞いてくる

作戦と言うのは……また後で

取り敢えず結果は大成功とだけ伝えておこう

と笑いながら、真実を話す

と、それだけ返しておく

実行前

end