翌朝。病室のカーテンが開き、朝の光が差し込む
のあ
おはよ……ん?顔色ちょっと悪い…
もふ
…うん。ちょっと寝不足…
のあさんが椅子に座って、もふ君の隣に
のあ
変な夢でも見た?
もふ君、少し迷ってから──
もふ
……ねえ、のあさん。
のあ
ん?
もふ
ここで“女の子の声”って……聞こえたり、しない?
のあ、一瞬驚いた表情
のあ
女の子……の声?
もふ
夜になると聞こえる…誰かが俺の名前を呼んでて、
もふ
『さみしい』とか『どこ?』とか……そんなこと言ってる。
少しだけ、表情が硬くなる
のあ
……それって、夢じゃなくて?
もふ
最初は夢だと思った。
もふ
でも……目が覚めても、声だけはハッキリ残ってるんだよ
のあ
……それ、
のあ
私かもしれない…
もふ
えっ……?
のあ
もふ君が事故にあった日……私ずっと叫んでたんだよ。
のあ
『もふくん、どこ!?』って
もふ
どこって…
のあ
もふ君…大勢の人達に囲まれてたから…私から見たら全く…
のあ
どこにいるか分からなくて…
のあ
病院まで運ばれてる途中も、ずっと呼んでた……届かないって分かってても
のあ
もしかしたら……その時の声、心に残ってるのかもね。記憶はなくても、気持ちは……
もふ
……そうだったんだ……のあさん、
沈黙。だけど、その沈黙は少しだけ、優しい
もふ
(声の正体が分かって、少しホッとした)
もふ
……(でも、なぜか胸の奥に、まだひっかかりがある)
もふ
(“のあさん”じゃない誰か……? それとも──)
のあ
…?







