杏
うーん暇…
別に熱出てないのに… ちょっと咳が出るからって今日は 中庭行っちゃいけないことになるなんて…
コンコンッ…
看護師さんかな…?
杏
はーい…
?
…
杏
え…!?
七夏
す…すみませんッ
急に来て…
急に来て…
七夏
す…すぐ出ていきますッ
その子の声は とても透き通った綺麗な声だった_
初めて聞いた… この一ヶ月、一回も声を聞けなかったのに…
杏
いや…その
時間空いてる?
時間空いてる?
七夏
え?まぁ空いてるは
空いてますけど…
空いてますけど…
杏
少し話さない?ここで
七夏
いいんですかッ?
杏
うん!全然いいよ、
ていうか居て欲しい!
ていうか居て欲しい!
七夏
!
迷惑じゃない…?
"居て欲しい"なんて初めて言われた…
きっと"普通の人"はこんな些細な言葉 なんとも思わないかもしれないけど…
嬉しかった…
?
嬉しかった…?
今まで嬉しいって思ったことが一度もなかった だから、初めて… 嬉しいってこんな感情なんだ…
嬉しかった… わざわざ病室まで来てくれるとは 思ってなかった…
…
こうやって私の病室に来てくれる友達… 久しぶりだな…
あの子も一緒だったよね…確か…
杏
それ、まじ…w
七夏
う…うん
杏
まじか…七夏ちゃんってもっとしっかり者かなって思ってた…
杏
意外と七夏ちゃんって
ドジっ子だったんだ…
ドジっ子だったんだ…
七夏
ドジっ子…?
杏
いや…そうじゃん、だって
何もないところで
転ぶって…
それもほぼ毎週…
何もないところで
転ぶって…
それもほぼ毎週…
七夏
そこが自分悪いところ…
杏
いや…別に悪くないし、
七夏
え…
杏
だってそれが、
七夏ちゃんじゃん!
七夏ちゃんじゃん!
七夏
そう…なのかな…?
杏
そうだよ!うちはそういう七夏ちゃんも好き!
楽しかった…あんなにも人と話すのが 楽しいなんて初めて知った…
杏ちゃんは私の話を真剣に聞いてくれた… 学校の虐めのこと、家庭のこと
私は初めて人を信用するということが出来た
杏
ありがとう、
色々話してくれて!
色々話してくれて!
七夏
こっちこそ…色々聞いてくれて
ありがとう!
ありがとう!
この事をきっかけ私と杏ちゃんの 関係はより深まった
そんなある日のこと…






