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空を見上げると、相変わらずの曇り模様。
むしろさっきより雲の厚みが増しただろうか。
オープンモールの出口を抜けると、特徴的なサークル状の歩道橋が視界の隅に映り始めた。
形状もそうなのだが、歩道橋にしては珍しくエスカレーターがついているのが変わっていた。
目的の駅に行くにはあれを渡るのが一番早い。
来る時も通ったから渡るのは2回目になるが、改めて見ると、大きい。
それは僕たちを向こう側に通すためのものなのに……、まるで行く手を阻む壁みたいに感じられた。
スズ
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ユウヤ
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スズ
ユウヤ
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ユウヤ
立花さんが、僕たちが出会った頃の話を始める。
だけど、今はそんな話をする気には到底なれなかった。
脳内では先ほどの会話が反芻し続け、思考の沼に僕をズブリと沈めた。
スズ
ひょこっと、彼女の顔が横から現れる。
そこで僕たちは、歩みを止めた。
右隣から僕を覗き込むその表情は、心配そうに曇っていた。
ユウヤ
スズ
ユウヤ
ユウヤ
ユウヤ
他のことが考えられない。
立花さんの隣を歩くのが、つらい。
ユウヤ
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ユウヤ
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ユウヤ
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立花さんが、困ったふうに眉をひそめる。
スズ
ユウヤ
ユウヤ
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ユウヤ
ユウヤ
ずっと胸の奥に沈んでいた言葉が、次々に溢れ出す。
ユウヤ
ユウヤ
ユウヤ
わずかながら、声の震えを抑えきれなかった。
ユウヤ
ユウヤ
スズ
ユウヤ
ユウヤ
その先を言葉にすることを、ためらう。
だけど、止められなかった。
止めてはいけなかった。
ユウヤ
ユウヤ
ユウヤ
言ってから、後悔が全身を駆け巡った。
だけど、僕の彼女に対する想いが決断させたのだと。
そう思いたかった。
じゃないと、空が落ちてきそうだった。
スズ
ユウヤ
ユウヤ
スズ
ユウヤ
告白するまでに彼女とデートした回数は、7回。
二つの相反する気持ちを天秤にかけながら、僕は彼女とデートを重ねた。
彼女と会うたび、天秤の両皿に増えていく重り。
両方の皿にそれを交互に載せ続け、天秤は絶え間なく揺れていた。
スズ
ユウヤ
彼女が期待してくれているのは、薄々感じていた。
本当のところ、彼女の気持ちが決め手だったんだと思う。
もしそれがなかったなら、天秤は逆側に傾いていただろう。
ユウヤ
ユウヤ
それ以上、言葉は続かなかった。
立花さんはしばらく何も言わずに、僕の胸の辺りを見つめていた。
スズ
立花さんは僕の胸に向かってそう言ったかと思うと、ゆっくりと顔を上げる。
その瞳は、しっとりと潤んでいるように見えたけれど、揺るぎなくこちらを見据えていた。
スズ
スズ
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ユウヤ
ユウヤ
スズ
スズ
ユウヤ
スズ
言葉を詰まらせる僕に、彼女はニコリと笑いかけ、
スズ