繰り返し

私には、弟が1人居た

少し歳が離れていたので、私からすれば ただひたすらに可愛い弟だった

でも、弟は生まれつき体が弱かった

弟が2歳の時、弟『雪翔(ゆきと)』は倒れた

救急車で搬送され、検査をしたら肝臓癌だということがわかった もう既に手遅れで移植しかないと医者に言われた。 でも、不幸中の幸いで移植は1部だけだった だから、両親は親戚に適合する人が居ないか探し回った

私は適合せず、代わりに私と同い年の従兄弟が適合した

でも、従兄弟は移植しないと言った。 両親も、叔母も、叔父も どうして？と聞き迫った

すると従兄弟はこう言った 「柚華ちゃんが僕をいつも会う度、崖から落とそうとしたり、包丁で刺そうとしてくるんだ」 とデタラメを言った

何が原因かも分からないまま 私は、従兄弟『羚(りょう)』を虐めたとして、 両親からも、親戚全員から説教された

反省文を10枚書け〜だの、羚君に土下座でもして謝れ〜だの お詫びに羚君に何か買ってあげろ〜だの言われ その通りにした

そしたら羚は移植を承諾してくれた

一時は危険な状態だった雪翔もおかげで助かった 私は雪翔が生きていてくれたならそれで良かった でも、親戚からは未だにヒソヒソと陰口を言われるし 羚からも未だに言いなりとされている

ちなみに雪翔は今、小学3年生で元気にすごしている 雪翔の学校は寮制なので、多分今も両親は生きていると思っている お葬式も遺骨がなかった為、行えなかった

移植が終わった後、私は羚に呼び出された