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イヌモッカァ
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喋るおにぎり🍙
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突然、室内に無線の声が響き、その場にいた全員の空気が変わった。
鳥野も無線へ目を向ける。
無線
猫 マンゴー
無線
鳥野 ぎん
鳥野が立ち上がった。
医者として、負傷者が居ると分かれば放ってはおけないのだろう。
それに続くように、周囲の仲間たちも慌ただしく動き始めた。
装備を手に取り、無線と情報交換をしつつ、次々と仮眠室から出ていく。
成瀬 力二
成瀬 力二
らだおは頷き、大丈夫だと伝えるために僅かに手を上げた。
鳥野 ぎん
鳥野 ぎん
今更釘を刺されずとも、みんなの言葉がこんなにも暖かく心を包んでくれた。
それだけでこの上ない安心と信頼が置ける。
らだおはさらに大きく頷いた。
さっきまで人の声で満たされていた仮眠室が、嘘のように静まり返る。
らだおはベッドへ身体を預けた。
酷く疲労を訴えている。
けれど、心が軽かった。
みんなが居ない間に少し眠っておこう、そう考えたらだおはゆっくりと息を吐き目を瞑った。
すると、どこからがスゥと冷たい風が通り抜けた。
身震いをしながら原因を探ると、仮眠室の入口の扉が締まり切っていないのを見つけた。
青井 らだお
らだおは眉を寄せた。
別に、開いてたって布団に潜れば困ることは無い。
鳥野だって、釘を刺して行った。
だが、今までも少しの隙間があれば、許せなかった。
何故か胸の奥がざわりと波打つのだ。
らだおはゆっくりと身体を起こした。
青井 らだお
身体は重いし、傷は痛む。
それでも立ち上がった。
壁へ手をつき、一歩、また一歩と足を進める。
壁伝いに、ゆっくりと扉へ向かった。
青井 らだお
何故だろう。
近づくほど、胸の奥に奇妙な圧迫感が生まれてくる。
らだお自身にもその理由が分からなかった。
らだおが扉へ手を伸ばす。
指先がその扉の隙間へ近づく、その瞬間。
──ぞくり。
背筋を、冷たいものが走り抜けた。
視界が揺れ、目の前の景色が歪んでいく。
白い壁。
蛍光灯。
警察署。
仮眠室。
青井 らだお
青井 らだお
青井 らだお
青井 らだお
青井 らだお
鼻腔をつんざく鉄臭い匂い。
床に広がる赤。
誰かの荒い息遣い。
幼い自分の身体。
───そして。
締まり切っていない扉。
その向こうに何かが見える……いや、誰かが居る。
父親と母親と──
青井 らだお
青井 らだお
父と母と弟と自分。
他愛もない話をしながらテーブルを囲んで、いつものように食事をしていた。
すると突如、玄関の扉がガチャリと音を鳴らした。
父親はすぐさま立ち上がり、リビングから玄関へ続く扉を警戒した。
母親も、危機を察知したのか、まだ高校生だったらだおと、弟の手を引き、物置へ押し込んだ。
いつもの温厚な母親からは想像できない乱暴さに少し戸惑った。
弟─ラディ─が上から覆い被さるように押し込まれた。
扉が閉まる──いや、ほんの少し隙間が残っている。
その隙間かららだおはリビングを見ている。
見たくないのに、嫌でも見えてしまう。
知らない男が部屋へ入ってくる。
父親が倒れ、母親が叫ぶ。
何かが床へ落ちた…
赤い、何か。
ただ、その隙間からずっと見ていた。
そして。
男が振り返った。
目が、合った。
男が物置部屋の扉へ手を伸ばす。
らだおはラディの小さな背中をぎゅうっと抱きしめた。
近づいてくる。
逃げなければ。
けれど、ラディが覆い被さっているから…いや、それ以前に恐怖で体が動かない。
その時、遠くから音が聞こえた。
けたたましい警察車両のサイレンだ。
男はこちらを睨みつけ、踵を返し去っていった。
──意識は途切れた。
コメント
4件
ああああ第7話、読み終わった……😭💦 らだおの過呼吸のシーン、息苦しさがリアルで胸がぎゅーってなったよ…。 成瀬の「逆だったらどうする?」って問いかけ、めっちゃ刺さる…。 自分を責めるらだおに、みんなが「助けたかった」って言ってくれて、やっと涙こぼすところ、涙腺崩壊した…😭💕 ひとりで抱え込まないでほしいって思うけど、それでもらだおの強さと脆さが愛おしすぎる…。 作者さん、この感情の揺れを書いてくれてありがとうございます…!✨