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人は心の中でいつでも叫んでいる 。
それは大抵が突飛な喜びだったり
手に負えない怒りや悲しみだったりするけれど
現代は中々上手くできていて
誰もがその身の内に漠然と散らばる感情の行き先選びにさして苦労はしなかった
例えば最も手軽なものなら 、SNS
数百文字であらゆる感情の受け皿になってくれる
他にはそう 、スポーツや勉強なんかに没頭してもいい
費やした時間は確実に蓄積されて自分を助けてくれるだろうと思う
そんな分岐まみれの世界で
俺は
─── 芸術を 、
" 絵 " を選んだ
音楽の様に鼓膜を震わせる事もない
料理の様に味覚を刺激する事もない
そこはただ 、白一色のキャンバスと向き合い
身の内に渦巻く
行き場のない感情の全てをぶつけるだけの世界
誰にも支配されない俺だけの世界
規則的なサイズに区切られたこの世界だけが
" 画家 木兎光太郎 " を受け入れ
道を与えてくれていた