キーンコーンカーンコーン
Agis
……終わったか……
この世界に来て数日が経った。
ボクは特段何かするでもなく
ただただ時間を無駄に浪費し続けていた。
Agis
こんなとこで授業サボって……何やってんだろうな……
Agis
はぁ……
Agis
……
そういえば能力が具体的にどんなか知らないな
Agis
……ものは試しだ。
そう呟いて、ボクは屋上の柵を越えてみる
Agis
高いな〜やっぱ
Agis
……こっから飛び降りりゃ……嫌でもわかるはずだ。能力がどんなもんかって……
好奇心のまま身体の重心を外へと預ける
そのまま重力に従い身体は地へと吸い込まれていく。
Agis
今更だけど……生きてた頃と重力の強さは変わってねぇんだな……
グチャッ
全身が痛い
いやもう痛いを超えてしまっているのか訳がわからない。
Agis
……ぃ……ってぇ……
好奇心で飛び降りたことを酷く後悔する
……
次第に痛みが引いていく
傷も癒えていく
Agis
これが……能力……っ
まだ身体中が痛む……
Agis
……完全に癒えるまでここで休もう……
Agis
……?
いつの間にか眠っていたようだ
Agis
保健室か……?
先生
大丈夫?
Agis
あー……大丈夫です。ご迷惑をおかけしました。
先生
えっと……なんで校庭で血まみれで倒れてたのかな?
Agis
能力がどんなもんか知りたくて飛び降りました。
先生
そう。問題なしね。
Agis
ここに入り浸ってるボクが言うのも何ですけど真面目にした方がいいですよ。
先生
私は真面目よ。実際問題ないでしょ。
Agis
いやまだ身体中痛いです。
先生
早く言ってもらえる?
Agis
こっちの容態聞いてこなかっただろ
先生
……完全に忘れてたわ
Agis
はぁ……まぁいいですよ。痛みは少しずつですが引いてきてるんで。
先生
そう……まぁ時間も時間だから回復したら気を付けて帰るのよ。
Agis
わかってますよ……
Agis
はぁ……暇だな
Agis
なんかもういっそのことエグいこと起きねぇかな〜
Agis
……って、起こるわけねぇよな。どうせボクは誰かの物語のモブですよーだ。
Agis
……ちょっとどっか寄り道でもするか……
Agis
って思ったけど……それすらどこ行けばいいのかわかんねぇ……
Agis
……
Agis
1人って……寂しいな……
Agis
……桃……







