五月雨
五月雨
五月雨
で、ここが______
数学を担当する教師の声が辺りに響き渡る 皆、黒板を見ながら真剣に授業に取り組んでいる だが、俺が皆と同じように真面目って訳ではない
4
退屈そうにため息を吐きながら、ふと窓の外に目を追いやる 外では隣のクラスの奴らが丁度体育の授業を行なっていた 外から笑い声や、教師の大声が聞こえてくる
4
そんな事を思っていると、ある人物が目に入った
4
俺の目に飛び込んで来たのは長年片想いしている相手、初兎 どうやら授業をしているのは彼のクラスらしい 初兎ちゃんもこちらに気づいたのか、こちらを見つめ返してくる 何だか恥ずかしくなり、視線を逸らそうとした時
「頑張ってな」
4
彼は確かにそう言った 声がここまで届いてない事から口パクだろうが 俺はその行動が可愛くて仕方がない わざわざ俺の方を向いて言ってくれるのが嬉しすぎた
……って、乾聞いてるか?
4
なら、ここの問題解いてみろ
そう言うと、教師は文字の書いてある場所を指差した 学力はいい方だが、この問題はまだ慣れていなく 俺は答える事ができなかった
4
答えが分からなく、教科書を探る だが、この問題の解き方をこの短時間で探す事もできず どうしようか悩んでしまう するとその時……
5
隣の席の友人のまろが 自分のノートともに答えを教えてくれる 合っているかは分からないが、今はまろを信じるしかない
4
正解だ。今度はすぐ答えられるようにしとけよ
4
キーン、コーン、カーン、コーン
では、しっかり復習しておくように
そう言うと教師は教室を出て行き、皆席を立った 食堂に向かおうとゾロゾロと廊下は人が増える 俺は机に突っ伏しながら頭を抱えた
5
4
5
余り説明はしてなかったが、こいつは俺の友人 本名は威風だけど、俺はまろって呼んでる 高身長で顔も良く、成績優秀 こいつに弱点なんてあるのか?と思う程の完璧人間だ
5
4
5
こいつには二つ離れの妹がいるらしい 俺は会った事がないが、噂ではこいつと同じで顔は良いらしい 美男美女兄妹って…羨ましすぎだろ
4
5
4
5
4
5
4
5
4
5
少しの茶番で何分か時間を潰し 俺らは食堂に向かった
※飛ばして下校時
4
最後の授業も終わり、俺は下駄箱がある所まで向かう まろは真夏ちゃんが恋しくなったらしい。先に帰った 結局ぼっちで帰る事になるのかよ…と思いながら 靴を履き替える
3
4
いむとは初兎ちゃんの彼氏の事だ 高校2年生の時から付き合っていたらしく もはや二人はラブラブカップルとは言わざるおえない (現在は高校3年生の始めぐらい)
3
4
まさかここで初兎ちゃんに会えるなんて予想外 偶然にしては俺幸せすぎないか?とも思う 嬉しい気持ちと今すぐ抱きしめたい気持ちが交差する
4
3
4
心の中でガッツポーズをしながら いむが来ない間初兎ちゃんと話した いつもいむがいて全く話せてなかったけど 今はいむはいないんだし、初兎ちゃんとたくさん話せる
初兎ちゃんと話すのは楽しい 安心するし、心地がいい でも、初兎ちゃんと一緒にいると 幸せという気持ちと、憎い気持ちが押し寄せてくる
初兎ちゃんに憎いと思ってる訳ではない いむに向けて思っている なぜ初兎ちゃんを好きになったのか、なぜ初兎ちゃんを俺から取ったのか なぜ初兎ちゃんを好きにさせたのか
いむなんかいなければ、いむがこの世界に生まれてなければ 俺は…初兎ちゃんと…… そう考えれば考える程、いむへの憎しみは 大きくなっていく
自分を制御できなくなってしまう
4
3
4
気づけばそんな事を口にしてた そのまま初兎ちゃんを抱きしめて彼の唇に キスを落としたなんて、俺が誰に説明できるのやら
「episode 1」end
コメント
2件
愛重系男子いいいいいいい😭😭 いやがちで最初っかららぶずっきゅんすぎるんだが??🫰🏻💞 続きめちゃたのしみです!!!