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お久しぶりです🙇🏻♀️ やっとこちらを投稿することができました😌今回は少し歪な感情を理解してしまった蘇枋くんと、うんと優しい桜くんです。これから2人はどうなるのか、蘇枋くんは、果たして桜くんと出会えるまでの間毎日学校へ通えるのか、と言ったところですね笑 それにしても最近暑くなってきましたね...少し前までは涼しい風も吹いていたはずなんですが、今ではジメッとした空気が多く...
なんとなく、学校にも行かずに外へ出た。 空が青かったから。今日は気温があたたかかったから。さくらの匂いがしたから。 理由なんていくらでもあった。
あれから、ただ1人、蘇枋の会いたかった桜には会えていない。いつ会ってもいいように、返し忘れた上着をカバンに忍ばせては、彼の姿を目で探す。
いつまで経っても、己がこがれた特別な容姿は見当たらなくて、警察官を見つけては、彼ではないとわかるた瞬間に心が落ち込んだ。
あの時の彼は、自分が見た幻覚だったのだろうか。桜の様にひらりと現れては、蘇枋の手の前から姿を消した。なにかの夢だとも思った。けれど蘇枋の元にあるこの上着だけが彼の存在を肯定していた。
彼にもう一度あいたい。けれど、次にあってしまえばこの上着は返さなくては行けない。そうすれば、もう彼との接点はなにもない自分が彼にあう理由がなにもなくなってしまう。それはいやだとおもった。
人が賑わう商店街、そっと香る焼きたてのパンの香り。美味しそうな匂いが、蘇枋の鼻を刺激した。なんとなくだった 食べ物なんて口にしないくせに、香りに引き寄せられる様にパン屋に入った。
店主がこちらに気づいたのか、いらっしゃい!と活気に溢れたあいさつをした。 店主に挨拶を返したあと、 蘇枋は真っ直ぐにあゆみをすすめた。
蘇枋
蘇枋
パンをじっくりと選んでいた背中がビクリとはねた。恐る恐ると言った感じで振り返った瞬間、猫の様に瞳をまん丸にしてこちらを凝視していた。
桜
蘇枋
桜
桜
たしかに学生なら、この時間帯は学校へ足を運んでいるだろう。けれど残念ながら、蘇枋は不良なのだ。ほとんど学校へはいっていない。
蘇枋
なんとなく気を逸らしたくて、彼をおちょくった。
桜
桜
蘇枋
選び終えたのか、トレーに1つパンをのせていた。トレーには既にたくさんのパンが積まれており、彼がくいしんぼうだと言うことは言わずもがな察してしまった。
蘇枋
桜
蘇枋
蘇枋
ふーん。と素っ気なく返事をしたあと、彼はレジへとスタスタ歩いていった。 こんなにも彼に興味があるのは自分だけなのかと思ってしまえば、なんとなく困らせてやりたくなった。
ポッケに手を突っ込んだあと、お札や小銭をジャラジャラとトレーにのせて会計を済ませている。店主の笑い声と、困った様に耳を赤くする彼。顔見知りなのか、店主は桜におまけでもうひとつパンを渡していた。 蘇枋の方へと戻ってくる頃にはビニール袋が1つ手からぶら下がっていた。 カランカランと扉の音を鳴らした彼はさっさと外へ出てしまう。後を追うように、蘇枋も後ろへ続いた。
桜
蘇枋
桜
蘇枋
あぁ、離れ難い。もう少しでいいから話していたい。カバンに入っている上着は、まだ返さなくてもいいだろうか。
桜
蘇枋
お互い冗談を交えながら話していたい先程とはうってかわって、蘇枋の表情がみえなくなった。にっこりと貼り付けた笑顔で笑う。
蘇枋は桜に自分が通っている学校について話していないはずだ。なぜ彼が知っている。いや、警察なのだから調べればすぐに分かるだろうが、なぜそうする必要があった。蘇枋は一気に警戒心を高めた。
桜
桜
蘇枋
予想の斜め上な回答を返されて、蘇枋の口からは間抜けな声が出た。
桜
たしかにあの人なら突然なにかしそうだな。蘇枋は入学したての頃に放送で聞いた声を思い出す。
桜
桜
言葉が出なかった。まさか総代がそこまで気にしていたなんて、それと桜さんと総代に接点があったことも意外で、目を丸くしながら話を聞くしかなった。
それと、また彼と出会える接点ができて、すこしだけうれしかった。
蘇枋
桜
ニヤリと口の端を持ち上げ、いたずらを仕掛ける青年の様に彼は笑った。 曖昧な返事をされ、蘇枋は首を傾げる。
桜
桜
とんだサプライズだと思った。 こうなれば毎日学校へ行くしかないではないか。いじわるな大人だ。 けれど、本当の意味で意地汚い大人たちを、蘇枋は知っていた。 桜は無理はしないようにと配慮までしてくれていていた。その気遣いが、今まで大人たちから触れたことがないもので、少しくすぐったく思った。
蘇枋
桜
桜
桜
一切上着について話題に出さないので忘れていたのかと思ったのに彼はしっかりと覚えていた。
桜
蘇枋
桜
蘇枋
蘇枋
本当は今渡してしまってもいい。けれど、この上着を持っていれば、確実につぎあえる。上着がなくなってきっと彼は蘇枋と会ってくれるだろう。けれど、ちょっとしたお守りとして今だけはこの上着を持つことをゆるしてほしい。
桜
蘇枋
桜
寄り道せずに帰れ。と釘を刺されるかと思ったが、返ってきた言葉は蘇枋を早く家へ帰らせる言葉ではなかった。
蘇枋
桜
質問は、よく分からない回答で返されてしまったが、何となく意図は伝わった気がする。本当に口下手な人だな、と蘇枋は苦笑した。 きっと、彼も昔はそこらへんを出歩いては、いろんな所へ行ったのだろう。蘇枋と同じで、家に帰るまでの時間を延ばしたかったかどうかは、彼に聞かないと分からないだろうけど。
蘇枋
桜
蘇枋
桜
仕事ならば、彼に手錠でもかけられ捕まってしまえば一緒に街を歩けるだろうか。そう考えて口に出せば、なんともまあ呆れた表情をされた。 流石にからかいすぎただろうか
もう少しだけこうして話していたかったけれど、そろそろ本当に行かなきゃ行けないらしく、彼は少しだけ焦った顔を見せた。 蘇枋に背を向け、反対方向へと歩いていってしまう。
桜
桜
蘇枋
桜は蘇枋の方を少しも振り向きもせずスタスタと歩いていってしまった。 その背中を蘇枋は、見えなくなるまでじっと見つめた。
蘇枋
蘇枋の独り言ちた言葉は、商店街の騒音と共にとけるように消えていった。
捕まえてとは言ったけど、本当に捕まるとは思ってもいなかった。
蘇枋
はぁ、と少し大きなため息をついた。 この感情は、一体なんだろうか。 あんなに綺麗で真っ直ぐな大人は初めて見た。別れたあとなのに、もう既に会いたくなってしまっている。あんなに優しくされたのも初めてだった。
風鈴に来た時も、ここの人たちには良くしてもらった。やさしくしてもらった。けれど蘇枋は寄せつけようとしなかった。結局は他人だと、あの人たちが好意の目で見ているのは風鈴であって自分ではないのだと、学校にも、初日に顔を出したっきりほとんど行っていない。
そんな壁を全て打ち破って、ぶち壊したのが彼だった。
あの日、月明かりに照らされた彼が綺麗だった。人を寄せつけないような瞳、けれど自然と人を引き寄せる。そんな彼が蘇枋の目にはキラキラと輝いて見えた。
これは一種の執着なのかもしれない。今まで、大人達に散々な目にあわされ、愛情なんて少しも与えられなかった自分のそんな子供時代のせいなのだろうか。初めて甘えられる人をみつけた。期待なんてしたところで裏切られるとわかっている。分かっていても、彼な大丈夫じゃないかと、期待を抱く自分がいた。
蘇枋
この感情は、潰したくても、つぶせないものだった。
蘇枋は困った様に、青すぎる空を眺めた。