桃赤
甘宿り
赤
赤
桃
羞恥心を紛らわすために
勢いよく振り返ると
桃くんに大きめのバスタオルを
頭に被せられた
桃
赤
桃
桃くんは少し不機嫌そうに
俺から目を逸らすと
ハンドタオルで体を拭きながら
部屋の奥へ進んでいく
彼の雨でうっすらと透け、
浮かび上がる筋肉質な背中に
少し赤くなりながらも
ここで渋っても気まずいだけなので
俺はお言葉に甘えて先に入ることにした
事の発端は
桃くんにご飯を誘われた事だった
大切なメンバーであり
家族であり、最古の友であり....
そして俺が何年も片思いしている人
そんな人の誘いを断る理由もなく
俺は直ぐに家を出た
2人で桃くんのオススメのお店で
夜ご飯を食べ終わり
最近あった面白かったことを
話しながら夜道を帰っていると
突然の豪雨に見舞われ
運がいいのか悪いのか
すぐ近くにあったラブホテルに
一旦雨宿りすることになった
ホテルにチェックインすると
流れるように2人でこの空間にいた
しかし雨は酷くなるばかりで
一向に止みそうにない
赤
びしょびしょで冷えた体を
温かいシャワーで流し
体を拭くと、傍にあったもふもふの
バスローブに手を通した
桃くんと長く居られるのは嬉しいけど
やっぱり片思いの相手ってだけで
気まずすぎる
まぁこんな事を思って意識しているのは
俺だけだろうから
彼は気にしてないだろうけど
赤
桃
赤
桃
ソファーに座りスマホを見ていた彼は
俺の姿を見て一瞬固まると
我に返ったように立ち上がった
そして足早に行ってしまう
....どうしたんだろうか
さっきから桃くんが
機嫌が悪いというかぎこちないというか
体調でも悪いのだろうか
やっぱり先にお風呂に
入って貰うべきだったか
そんな事を悶々と考えながら
大きなベットに腰掛けると
水が地面に落ちる、
シャワーの音が聞こえた
薄い壁越しに
彼は今裸なんだということを
妙に意識してしまって
また赤くなる顔を必死に手で仰ぐ
いてもいられなくなって
とりあえず何かしようと思い
すぐ側にあったティーセットを
見つけお湯を沸かすことにした
赤いランプが消え
お湯が沸いたのを確認し
ティーパックを開けようとすると
ゴツゴツした大きな手が
それを制した
桃
赤
びっくりして振り返ると
少し怒ったような桃くんが
俺と同じバスローブを着て肩に
白いタオルをかけて後ろに立っていた
彼の濡れた髪から
ぽたぽたと雫が落ちる
髪をかきあげる仕草が
もう色気を爆発させていて
慌ててティーパックに向き直った
桃
赤
桃
桃くんは俺からティーパックを
取り上げると元に置いてあった
場所に静かに戻した
途端に俺は気づいた
今、俺は桃くんにバックハグされて
いるような状態だ
桃くんも気づいたようで
小さくごめん、なんて返して
俺から離れていく
すこし名残惜しいなんて
思う頭をブンブン振りながら
そういえば桃くんの手、
風呂上がりなのに
冷たかったな、なんて思った
心做しか、彼の周りから
冷気がしたような気もする
赤
恐る恐る振り返って聞くと
彼はガシガシ頭をかいて
またソファーに座った
桃
赤
桃
....どういう意味?
桃
赤
長い長い沈黙が流れて
いたたまれなくなった俺は
テレビ周辺をウロウロする
桃
赤
突然かかった声に肩を震わせる
桃
赤
赤
あぁ、もう気まずい!!!
何だかもうイライラしてきて
思わずベットにダイブする
赤
桃
.......
しーーーーーん
ぁぁぁぁぁぁぁあ!!
なんでベットに触れてしまったんだ!
俺のバカやろう!!
桃くんもしまった、 みたいな顔をしてるし
うつ伏せになって
赤くなった顔を枕に押し付けていると
急にギジリとベットがなった
赤
桃
後ろから
聞いたこともないような
桃くんの低い甘い声が聞こえ
振り返るタイミングを見失ってしまった
桃
赤
そしてゴクリと、
桃くんが唾を飲み込む音がする
桃
桃
桃
彼はそう言うと両肩を持って
俺を仰向けにした
赤
と思ったら
唇に柔らかいものが触れた
桃くんの顔が離れていくと同時に
キスされたことを段々理解してくる
赤
俺の上にいつの間にか
覆いかぶさっている彼は
完全に獲物を捕らえた雄の目をしていて
かっこよくて胸がきゅぅっと鳴った
さっきと違い
俺に触れる彼の手は熱い
そんな事を考えぼーっとしていると
また彼の唇が降ってきて
今度は桃くんの舌が入ってくる
赤
桃
上顎や歯ぐきを舐められたり
舌を何度も何度も絡められて吸われたり
もうどちらのものか分からない唾液が
俺の顎を伝って流れる
いつの間にかお互いの
心ともない布ははだけ
桃くんの大きな手が
俺のバスローブの中に入り込んでくる
好きな人にキスされてる、なんて
もしかしたら
夢でも見ているのかもしれない
ふわふわする頭で
どうしても確かめたくて
もっと触って欲しくて
無意識に彼の首に手を回す
赤
桃
苦しくなって
首に回していた手を緩めると
最後にまたジュっと舌先を吸われ
名残惜しく離れていく
手を離し、荒い息を繰り返す俺に
桃くんはふっと笑って
俺の髪を横に流した
桃
桃
赤
桃
桃
赤
真っ直ぐ俺を見つめる彼に
恥ずかしくて目をそらすと
手を恋人繋ぎでぎゅっと絡められ
枕の上に落とされる
桃
そして蕩けた俺の目尻に
微笑んで優しいキスをまたひとつ
桃
暗くなる部屋の照明
激しく降り続ける雨の音なんか
もう聞こえなかった___。
期末テストが終わって 喜びの舞を踊りながら 深夜テンションで書きました(((( 次の投稿あるまでにコメくれれば ぜんっぜん返しますので!! 陰ながらいつもいいねとかして 応援してくれる子!! 感謝を伝えたいのでコメ待ってるよ!!
コメント
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ブク失です!
ブクマ失礼します!
ブクマ失礼します!